やはり納得いかない。「マルクスはここで、商品の価値を、
『商品の内在的精霊』あるいは『物神』、すなわち交換に
おいて生じる観念的な『力』として見出したのだ」(チカコーp.262)
と柄谷は言う。マルクスにとってその「物神」という「力」は
人々が存在すると錯覚してしまう底のもので、所詮は非存在である。
しかるに柄谷はそれが実在するかのように語ってしまう。
いやこれは悪しき神秘主義ですよ。