安価・お題で短編小説を書こう!2
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安価お題で短編を書くスレです。
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■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/ 使用お題:『勇者』『ループ』『就活』『太もも』『剣客』
【剣客ハルナの色々な冒険】(1/3)
ザザっと足を滑らせる様に開き、仁王立ちとなる。
「良し! 行くか!!」
ハルナはグッと拳を握りしめると気合を入れ直した。
【イルカナの酒場】、今日ここで、勇者たかしが仲間の面接をしていると言う話を聞き、ハルナはここに足を運んだのだ。
郷里を離れ、はや3年。この所、実家から「早う帰ってこい」と言う手紙が激しい。
女だてらに剣での立身を目指したのだが、現実は、仕官どころか日々を食つなぐのでいっぱいいっぱいだった。
そこに舞い込んで来たのが今回の話。折よく勇者のパーティーに入り、あまつさえ魔王討伐が出来れば、士官先など引く手あまただろう。
言わば、将来の就活の是非は今日決まると言って良かった。
改めて気合を入れ直したハルナは、その一歩を踏み出した。
******
「来るかな? 魔法使い」
「どうでしょう? あの方々は基本ヒキニートですから」
「ヒキニートって……」
「さすごしゅ」
「そこでそう言う返事されると、俺がヒキニートみたいだから止めてぇ!」
「さすごしゅ?」
王国に召喚された少年、たかしは魔王討伐の旅をしている。一度は魔王の国まで足を延ばした彼だったが、しかし次第に強力となって行く敵に対抗する為、戦力を増強しようと人間界に戻っていた。
パーティーメンバーは、剣も魔法も使えるオールラウンダーのたかし。回復、補助魔法を使う後衛の聖女アリサ。そして肉弾戦闘をこなす前衛の海王クラーケン。
今回増強したいのは後衛の火力。弓矢を使えるレンジャーか魔法使い。
探索系の魔法はたかしも使える為、出来れば高火力の期待できる魔法使いがベストだった。
「たのもう!!」
「ん? うえぇ!!」
鋭い声にたかしが目をやると、そこにはどこか間違った和装の少女が立って居た。たかしが驚いたのはその格好。
振袖の様な派手な柄の上着に、申し訳程度の胸当ては良いとしてもミニスカと見紛うばかりの袴はどうだろう? さらにハイニ―ソックスによって、その太ももの絶対領域が強調されている。
たかしが半ば呆然としていると、その少女はつかつかと彼の方へと歩み寄って来た。
「貴方が勇者殿ですな? 魔王討伐の志に賛同する為、まかり参った!!」
「え? ええぇ……」 【剣客ハルナの色々な冒険】(2/3)
******
「……剣客……のハルナさん?」
「うむ」
「サムライでは無く、剣客?」
「うむ」
眼前でミルクをすする美少女にたかしは困惑していた。
「ど、どうしよう(ヒソヒソ)」
「は? 募集は魔法使いかレンジャーなのですよ?(ヒソヒソ)」
困ったたかしはアリサに訊ねるが、何故か不機嫌なアリサはつっけんどんにそう答えた。
「そ、そうだよねー……」
その態度に冷や汗を流しながら姿勢を正すと、たかしはゴホンと咳払いをする。
「えっと、ハルナさん? 実は今回、募集しているのは魔法つか……」
「そんな! ひどい!!」
「だから今回は……」
「そんな! ひどい!!」
「いや、だから……」
「そんな! ひどい!!」
「残念だけど……」
「そんな! ひどい!!」
「さすごしゅ!」
「そんな! ひどい!!」
「あんた! 脊髄反射でしゃべってるだろ!!」
「そんな! ひどい!!」
ループしている様なやり取りにたかしがキレる。しかし、後が無いと思い込んでいるハルナも、ここで引く訳には行かなかった。
何せ、女好きだと言う噂のたかしを篭絡する為に、恥を忍んでこんな格好までしているのだ。今さら後には引けない。
ハアハアと、息を荒げる二人だったが、埒が明かないと思ったのか、たかしが立ち上がり、出て行こうと踏み出す。
「ちょ、ちょっと待って下さい!!」
「いやだから! 必要なのは後衛で、前衛は要らないだってば!!」
「そんな! ひどい!!」
そのまま行こうとしたたかしの足にしがみつき、「いや! 捨てないで!!」とか「尽くしますから!!」等と人聞きの悪い事を叫ぶハルナ。
「何言ってってるの!?」
「さすごしゅ!!」
「うるさいよ!!」 【剣客ハルナの色々な冒険】(3/3)
******
その後、勇者が泣き叫ぶ女を強引に捨てたと言う噂が立ったとか立たなかったとか。
そして……
「じーーーーーー」
「……勇者様……」
「アリサ、見るな」
「じーーーーーー」
「さすごしゅ?」
「指もさすな」
立派なストーカーがそこに出来上がったと言う。 ね、寝落ちしてた……ごめんなさい!
お題『勇者』『ループ』『就活』『太もも』『剣客』締め切り
参加作品一覧
>>642【ニートとゲームとループ】
>>647【楓と安奈】
>>648【剣客ハルナの色々な冒険】 ☆お題→『ドンマイ』『良くある』『寝落ち』『頑張れ』『食いしんぼう』より一つ以上を選択
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割オーケー
☆締め切り→3/18の22時まで
☆平行して投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。締切3/13の22時
みんな優しいな……ありがとう…… >>647
桜の開花もまもなくだぜ! 日本列島を彩る就活のブロッサム〜前回お題のフルチャレンジだ、太もも戦線異状なしっ
さあ、物語は、無限『ループ』と化した悪夢の『就活』に励む楓さんが、『剣客』を思わせる安奈さんに相談しつつスタートォ〜
個性をアピールしろと超ストレートにほのめかす安奈さんのアドバイスが空を切り、色々な意味で鈍感な彼は頭を抱え…て、って楓さん男なのかw
そんな楓くんに癒しと安らぎを与えるべく安奈さんが編み出した妙計をみよ! 『太もも』による膝枕INキャンパス中庭だア! もうこれ羞恥プレイでしかないんだが
ここで『勇者』になれず逃げ出した楓くんの背中に投げられた「……意気地なし……」の声ポツリ〜いやいやいや、逃げるのは完全に正しい判断だったよね、って感じでツッコミ待ちのお題フルクリア〜
>>648
連続でフルチャレンジだと!? 人知を超えた生産性だな648氏、物理の法則を無視した挑戦は実るか〜剣客商売インザ異世界!
舞台は『勇者』たかしの待つ酒場〜『太もも』を露出して『就活』気分でやってきた『剣客』ハルナが浴びるは、連続パーティお断り〜
「さすごしゅ」←あっクラーケンちゃんじゃないか久々w 初見のスレ民に説明しよう! このパーティは前スレで色々あって結成された海王幼女クラーケンを含む一味なのだ(何の説明にもなっていない
さあ、お断りの『ループ』にクラーケンのさすごしゅ演出が加わり、たかしがヒドイ奴に見えてくる〜こいつは本領発揮か648氏、テンポがいいぞ〜
ラストは剣客ハルナが小判鮫ハルナに生まれ変わる転生オチだw 短編スレの鬼才648氏が、爆発的生産力、お題消化、笑えるオチで三点倒立のお手本を見せてくれたァ! 感想有難うございます
風邪で寝込んでいたら、気が付くと19時を過ぎていたので、慌てて書きました
残業続きで全く書けていなかったので、書きたい欲求が天元突破にw
楽しんで頂けたのなら幸いです >>647
百合だと思ったらよく見るとノンケだった
騙されたが一票 お題『勇者』『ループ』『就活』『太もも』『剣客』投票締め切り
>>642【ニートとゲームとループ】一票
>>647【楓と安奈】一票 あれ? もう507 KBですね
513KBで限界でしたっけ? いや大丈夫、まだ371k
ブラウザによっては大きく表示されるけど
俺のはジャストだから安心してほしい 成る程、でしたら作品を上げている途中で止まるる事は無い訳ですね
良かった
有り難うございます このスレになってから大分経つから忘れかけてたけど、前回は確か900レスちょいで落ちたんだっけ。
今回はそんな心配なさそうで、嬉しいような寂しいような……? 使用お題:『ドンマイ』『良くある』『寝落ち』『頑張れ』『食いしんぼう』
【ジョアンナの物語】(1/3)
お屋敷の庭園には色とりどりの花が咲き乱れている。わたしは息抜きがてら、そんな花々を眺めていた。
「ジョアンナ?」
「わ、若様」
わたしはビクリと身を震わせた。若様……メイティス様に声を掛けられたからだ。
「この季節は、花々が色づいて綺麗だよね」
庭園を見回しながら若様がそう言う。淡い茶髪と空色の瞳。
その春の日差しにも似た雰囲気に、わたしの胸が高鳴る。
「ジョアンナ! ジョアンナ・リーステイ!」
「ひゃい!」
「ああ、バニィ」
あうぅ……メイド長のバーバラさんだ。
「……子供の頃の呼び方はお止めください若様。ジョアンナ、申し付けていた仕事は終わったのですか?」
「す、すみません!」
わたしは若様に頭を下げると、慌ててその場から立ち去る。
お屋敷に足を踏み入れ、ふと振り返ると、若様とメイド長が話をしていた……んだけど……
「おんやぁ? なかなか怪しい雰囲気ですなぁ」
「リルロッテさん!」
いつの間に来たのか、わたしの傍らには先輩メイドのリルロッテさんがいた。
「怪しい……ですか?」
「うん。あのメイド長の表情、まるで恋する乙女の様じゃない?」
「え? うっ……」
そう、わたしが気になったのもその事だ。いつもはピリッとした雰囲気のメイド長が、若様の前でだけ少女の様な顔を見せる。
メイド長は、わたしより5歳も年上の女性だけど、若様となら2歳差でしかない。
そう考えると、3歳差のわたしよりもお似合いなのかもしれない。
「…………」
「ま、ドンマイ!」
「な、何でわたし、慰められてるんですか!?」
******
その夜、わたしはベッドで中々寝付けないでいた。昼間の事が気になっていたからだ。
若様とメイド長。二人はお互いの事をどう思っているんだろう……
メイド長の方は、若様の事が好きなのかもしれない。昼間の反応もそうだし、いつもの態度からもそんな感じがする。
では、若様は?
若様は優しい。それは誰に対しても。それこそわたしだろうと、メイド長だろうと…… 【ジョアンナの物語】(2/3)
「そう言えば、二人は幼馴染でもあるんだ……」
子供の頃からお屋敷に住み込みで働いていたメイド長は、当然その頃から若様を知っている。
それは若様の方も同じな訳で……
『ああ、バニィ』
『……子供の頃の呼び方はお止めください若様』
「っ……」
わたしは良く分からない焦燥感に思わず胸を押さえた。
主とメイドが結ばれる……それは良くある話。夫人としてか愛妾としてかの違いはあるし、ただ、御手付きになるだけ……と言う場合だってもちろんある。
このお屋敷では聞かないけど、よそのお屋敷のお話はメイド仲間の間でも、良く話題に上がる。
その度にわたしも胸を高鳴らせたのだけど……
『ジョアンナ!』
『わ、若様!?』
『可愛いよ、ジョアンナ』
『あぁ、若様……』
『フフ、でも駄目よ? ジョアンナ』
『メ、メイド長!?』
『彼は、私のモ・ノ』
『!!』
『ああ、愛してるよ、バニィ』
『私もよ、メイティ』
『だ、ダメーーーー!!!!」
ハアハアと息が荒い。わたしは手を伸ばす様な格好で目を覚ました。部屋はまだ暗く、夜の静寂が辺りを包んでいる。
「ゆ、め?」
いつの間に眠っていたのだろう。びっしょりとかいた汗が気持ち悪い。
「……のど、渇いちゃったな」
******
「あ、あれ?」
食堂に明かりがついている。こんな夜更けにキッチンメイドのメアリーさんが居るわけもないし……
「〜〜〜〜?」
「〜〜……」
……人の声、でも、この声って……
わたしは早鐘を打つ胸を押さえながら食堂に近づく。
「まだ、物足りない? バニィは食いしんぼうさんだね?」
「言わないで下さい若様……」
「メイティって呼んでよバニィ」
やっぱり、若様とメイド長の声だ。足が震える。心臓が早鐘を打つ。
何でそんなに親しそうなんですか? お二人で何をしているんですか?
「頑張れ、頑張れわたし!」
立ち竦んで泣き出したくなる自分を小声で励ましながら、わたしは食堂に近づく。 【ジョアンナの物語】(3/3)
スンスン。
あれ?
わたしは食堂をのぞき込んだ。
******
「バニィ、口の所、チョコついてるよ?」
「え? ああ! すみません、はしたないところを」
「昔からバニィはチョコレート好きだものね」
「もう、言わないで下さい」
わたしはその場でへたり込んでしまう。先輩メイド達の話す様な艶事でなかったことに対する安堵と、お二人の思いの外親しげな様子に悲しくなった事で。
「うん?」
「どうしました? メイティ」
「うん、ちょっとね」
足音が近づいてくる。若様だ。でも、わたしは腰が抜けてしまったのか、立ち上がる事ができない。
「っ〜〜〜〜!!」
「ジョアンナ?」
「っ! ジョアンナ・リーステイ!!」
******
ほこほこと湯気が立ち上る。目の前には紅茶のカップが3つとガトーショコラとチョコムースのお皿が人数分。
「バニィには試食をしてもらってたんだ」
「そ、そうなんですか?」
わたしは思わずメイド長を見る。普段は厳格な彼女が、実は大の甘党だったと聞いて、わたしは目を丸くした。
そんなメイド長は、羞恥のためか頬を赤く染めながらも忙しなくショコラを口に運んでいる。
「ああ、ほら、また」
「ちょ、メイティ!」
若様がメイド長の抗議の声も聞かず、自らのハンカチで彼女の口許に付いたチョコレートを拭う。
「君は年上の癖に、手の掛かる妹みたいだ」
「何時までも、パテシエに成りたいなどと我儘を捏ねている、メイティに言われたく有りません!」
「あーあ、跡取りになんか成りたくはなかったよ」
そう言って若様は笑った。
メイド長は怒った様な上目遣いをしながらも、でも、その目には微笑みを浮かべている。
…………やっぱり、メイド長も若様が好きなんだ。
でも、若様はきっと違う。親愛であっても真愛じゃない。
みんなの事を同じ位好きなんだ。だったら……
「わ、わたし頑張ります!!」
「え? うん、頑張っ……て?」
「!!」
わたしのその宣言に視線が怖くなったメイド長と、良くわかって無さそうな若様の目の前で、わたしはとびっきりの笑顔を作った。 女性にチョコレート菓子を食べさせる話を書いておいて何なんですが
今日がホワイトデーだと、今気がつきました >>672
変則お題にフルチャレンジ! メイド青春物語inホワイトデーだ〜
さあ物語はメイド・ジョアンナさんのロマンス溢れる語りを描写〜メイド長のバーバラさんと若様の親密な様子に、先輩から掛けられる言葉は『ドンマイ』! なんだこの世界観w
メイドが目をかけられるのも『良くある』話とトキメくジョアンナさんの高鳴りは、三角関係の苦悩から『寝落ち』にジョイント〜
夜更けの目覚めに聞こえるは、おやおや『食いしんぼう』さんだ……とエロ親父的な囁きだ〜ジョアンナさんが『頑張れ』私、って自分を鼓舞して場に突入〜ラストは誤解を解いて「わ、わたし頑張ります!!」って「頑張れ私」に自ら応じて宣言オチだァー
うん冒頭で場面を作りこんでいるだけに、先輩メイドの『ドンマイ』に違和感が生じたものの、トリッキーなお題をなんなくこなす手際は見事、672氏が王道メイドストーリーを魅せたぜ! 感想を有難うございます
メイド長からの視点でもう一作品でも……と思いましたが、結局お題消化的には重複するので止めましたw 使用お題:『ドンマイ』『良くある』『寝落ち』『頑張れ』『食いしんぼう』
【すくすくそだて】
ぐらんぐらん、ぐわんぐわん。
頭と体がゆれる度に、食べこぼしがヨダレかけにベッタリと付く。
グズっても強引に着けさせたのは、我ながらナイス判断だったと自画自賛する。
この子が電池が切れた様に寝落ちするのは良くあるが、今回はこのタイミングだったか。
いつもならストーンと眠ってしまうのだが、我が家の食いしんぼうの食欲と睡眠欲の綱渡りは、ギリギリ食欲が勝った様で、何とか口は動いている。
もっとも、半分はこぼれ落ちてしまっているのだが……
一生懸命さ故の滑稽さに、ついつい笑みがこぼれてしまう。
うん、頑張れ頑張れ。
でも、睡眠欲に負けてしまったら慰めてあげよう。「ドンマイ」って言って、抱きしめてあげよう。
だから、そのまますくすく育ってね。 >>678
お題はフルチョイスだ! すくすく子育てin短編スレ〜
さあ語り手がヨダレかけを装着したベイビーをじっくり観察だ! この子が何かしながら『寝落ち』するのも『良くある』ことと、首がガックガックの喰いザマを見つめるぞ〜
流れる様に『頑張れ』『食いしんぼう』を消化し、睡魔が勝つか食欲が勝つかとハラハラの親御さんが、愛の『ドンマイ』を小脇にセットし、お題を全消化〜〜!
短いながらも違和感はゼロだあ〜食卓の一コマはわが子の成長にむける眼差しでニヤニヤENDが決まったぜ! 感想有難うございます
最後にもう一言足した方がリズム的に良い様な気がしたのですが、思い付けなかった為、そのままアップしましたorz ああ、もう日曜日じゃん……出そうと思って半分くらい書き終わったやつ、間に合うのかこれ(仕事中) あまり無理はして欲しくはないですが
間に合わないと日の目を見せられない可能性が高いところが痛し痒しですね…… お題『ドンマイ』『良くある』『寝落ち』『頑張れ』『食いしんぼう』締め切り
参加作品一覧
>>672【ジョアンナの物語】
>>678【すくすくそだて】 やっぱりだめだったよ……
そのうち設定でも引き継いで書くさ
さてではお題安価いきますね
>>685-689 ☆お題→『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』より一つ以上を選択
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割オーケー
☆締め切り→3/25の22時まで
☆平行して前回のお題の投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。締切3/21の22時 お題『ドンマイ』『良くある』『寝落ち』『頑張れ』『食いしんぼう』投票締め切り
>>672【ジョアンナの物語】一票 >>678【すくすくそだて】 に一票
久しぶりに来たけど楽しそうなのでまた参戦させてください。お題は任意消化でいいんだよね? >>694
ありがとう、でも全部お題を使っていくスタイル
使用したお題;『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』
【宝探しと一番の宝物】
幼馴染からいきなり宝の地図を渡された。いくらなんでも突拍子がなさすぎるだろう、お前。高校生にもなってこんなことするなんて、バカかと。
「そんな寂しいこと言うなって。昔からの友達だろ? その地図のバッテンのついたところには秘宝が隠されてるんだ、ちゃんと見つけてくれたまえ」
何が秘宝だ、小学生じゃあるまいに。と最初はアホらしく思っていたのだけど、さすが付き合いが長いだけあった。僕の弱いところをよく知っている。
デジタルなゲームも好きだけど、こういうアナログな遊びもまた大好きなのだ。ましてや地図というのがなかなか巧妙で、山と海をカレーライスに見立てたり、圏央道を五線譜になぞらえて謎解きをさせたりと、なかなか遊び心をくすぐってくる。
最初は高校卒業間際の長年の友人からの気まぐれだからと嫌々宝探しに付き合ってやっていたが、気づいたら謎解きに夢中になっていた。途中から必死に頭を巡らして僕は宝の場所をなんとか探し当てることができた。一緒についてきた幼馴染に渾身のドヤ顔を見せつける。
ただ、ちょっとこの場所に違和感を覚えた。
なんで小学校なんだよ、僕らの。
「懐かしいじゃないかマイフレンズ。宝の場所も近いだろう。最後の謎は君に任せた。自力で解いてくれ」
そう言うと幼馴染は少し寂しそうな表情を浮かべて、夕暮れの中一人勝手に帰ってしまった。最後まで見届けないのか、と僕は何か拍子抜けの気持ちだった。
僕はもう帰ろうかとも思ったけれど、最後の謎というのが気になった。最後の謎まで解かないとアイツに馬鹿にされる気がしたし、それになぜか宝を見つけなきゃという義務感があった。
用務員さんにスコップを借り、宝の場所を掘り返してみる。するとそこには見覚えがある小汚い金属の箱があった。
これ……、タイムカプセルじゃん。うわ、懐かしい。
これは僕と幼馴染が埋めたタイムカプセルだった。こんなものがあったなんてすっかり忘れていた。僕は手が汚れるのも構わずにタイムカプセルを手に取った。妙にずっしりと重い。
少し気がとがめたけれど、ほんのちょっとだけ中身が気になった。自分が何を入れたか思い出したいし、アイツが何を入れたか勝手に見てやろうとも思ったのだ。人に謎掛けするだけしといて勝手に帰った罰だ。
開けると箱の中から……なぜか大量のトランプが出てきた。
うわ、なんだこれ? しかも全部赤? なんで全部赤のトランプばっかりなんだ?
箱の中にはトランプばかりがぎっしり入っていた。何セット分なのだろうか、その全部が赤色だった。
トランプの下に埋もれるように手紙が張り付けてあって「これが最後の謎だよ。君には意味がわかるかな?」と挑発的な文章が書いてあった。解けたら君のタイムカプセルの中身を返してやる、とも。
僕は大量のハートのトランプを見ながら、虚空に呟いた。
あのバカ女、一体何の意味があるっていうんだ、これ?
僕はしばらく考えて、考えて、考えて、ハッとして、ようやく答えを導き出すことができた。 遠回りな意思表示、果たして彼は自信を持って彼女に回答を言えたのか気になりますねw >>695
何やらノスタルジーを感じさせる新お題群にフルチャレンジ! タイムカプセルDearマイフレンド〜
さあ幼馴染から『秘宝』の地図を手渡された主人公が探索開始〜「懐かしいじゃないかマイ『フレンズ』」などと声を聴きながら、カレーライスに『楽譜』、何やら少年時代を思い出させるグッズの謎解きを経て、
『ずっしり』と重いタイムカプセルから得たものは赤のトランプ…幼馴染のメッセージは「これが最後の謎だよ。君には意味がわかるかな?」、あーうんうん、そういうこと、なるほどね…すまん全然分からん、どういうこと? って「バカ女」…女!? やられたw
幼馴染の言葉遣いを僕っ子形に加工して性別を隠蔽! トランプの赤が『ハート』なのも隠蔽! 全ては最後部の発覚ゾーンに向けた撹乱だァ!!
ゲーム巧者695氏がお題をノスタルジー感で一貫、ラストで読者へ投げ込んだノールックパス〜これを主人公がナイスキャッチしてENDォ!! 感想ありがとうございます。というか競馬実況風感想さん生きてたのかw
細かいところまで拾ってくれるところが相変わらずでありがてぇ、ありがてぇ・・・ 他に誰も投稿しないのかな。一人で2個目張っちゃうけどいいのかな……?
使用したお題;『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』
祖父の遺品を漁っていたら、とんでもないお宝を見つけた。ズッシリとした箱がたくさんある倉庫の中、一つだけやたら丁寧に包装された箱があったのだ。
気になって中身を見てみたら驚いた。それは一枚の楽譜だった。
「この音楽を聞かせると、相手に惚れられる、惚れ薬ならぬ惚れ音楽の楽譜」
まさしく秘宝と言って過言ではない、とんでもない遺産だった。なんとこの音楽を聞かせるとホモ・サピエンスの情動を動かし、確実に相手から好かれるそうだ。祖父はこれを使って祖母と結ばれたそうな。
箱の表面に明記された惚れ音楽という単語と、その中に入っていた妙に緻密な取扱説明書をオレは一通り読んで……絶句した。
正直アホか、と。
優しかった祖父がこんなものを持っていたことに衝撃を受け、惚れ音楽というパワーワードに呆れ果て、一瞬本物だったらと妄想した自分のバカさ加減を自虐した。
そしてあまりのくだらなさに、あえて本当かどうか試してやろうと思った。
「で、私が呼ばれたわけか。君はいつも暇だなぁ」
この楽譜を見つけた直後のオレと同じような呆れ顔をして友人がため息をついた。オレは少しだけムッとしつつも言い訳をする。
「こんなアホらしい遊びに付き合ってくれるオレの女友達って言ったらお前くらいしかいなかったんだよ。いいだろ、お前も暇なんだし」
奴は「まあね」と軽く同意した。その後、パソコンの画面を覗き込む。
「にしても、こんな変わった音楽作成ソフトがあるんだね。知らなかったよ」
「大昔にあったイラストを描くゲームに、音楽作成するプログラムがおまけでくっついてたんだよ。それを本格的に使えるようにしたのがこれね。結構有名なもんだよ」
そう言って僕はシークエンサを起動する。赤い帽子を被った小さいおっさんが五線譜の上を走りだして、音符の上を飛び越すたびに音を奏でる。
惚れ音楽という名前に因んで少しでも効果をあげるべく、ハートの音符を多めにつけてみた。独特の音楽がパソコンの貧弱なスピーカーから流れる。
「どうだ、なんか変わったか?」
音楽が一巡りし、音楽が終わる。赤い親父がいなくなって停止した画面を背に、彼女に聞いてみた。
「変わるわけないよ。ただの音楽だし」
しかし奴は当たり前のような顔をして首を横に振った。まあそりゃそうだよなぁとオレは少し期待外れな気持ちをしつつ納得した。
女友達はもはや惚れ音楽に興味はないのか、パソコンの方を注視していた。操作したそうにマウスの方に手を伸ばしている。
「で、この後はどうするの? 終わり? 終わりだったらこの音楽作成ソフト使ってみていい? 遊んでみたい」
「いいよ。あ、その前に、ちょっと待って」
「なに?」
「どうせだし、これネットにアップしてみるよ。ネタ動画としては十分なネタになるでしょ。爺ちゃんの供養代わりにね」
「いいんじゃない? どうぞどうぞ」
そう言ってマウスを僕に渡してくれる。僕は世界的有名な動画サイトの自分のアカウントに今の音楽を再生した動画をアップした。
そしてシークエンサに乗っていた楽譜を上書き保存してからクリアして女友達に席ごと渡そうとする。奴はなぜか嫌らしく笑っていた。
「で、君はこの音楽を私に聞かせてどうしたかったのかな? もし私が君に惚れちゃったらどうするわけ?」
「いやいや、自意識過剰だろお前。こんなん効くわけないって思ってたし、お前もそう思ってたんだろう?」
「えー、でもわざわざ呼びつけて最初に聞かせるとか、なんか意図的なものを感じるなー。きゃー、ヘンターイ」
「うっせ、ほら、使うなら勝手に使えよ。俺は下でお茶入れてくるから!」
「はーい」
そうしてその日はオレの部屋で適当に遊び、夕方には解散した。僕は動画の再生数が、タイトルのインパクトの割にはあまり伸びなくって少しだけ残念に思った。
その後、オレはこの惚れ音楽のことをすぐに忘れた。
一か月後、大量の女の子がオレの下にやってくる大事件が起こるとは、この時のオレは予想だにしていなかった。 一人で複数投稿も大丈夫ですよ
登場人物は前回からの引続きなのでしょうか?
だとするとなんの進展も……
彼女の方に変化がなかった理由は押して知るべしですよねw 使用お題:『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』
【エクスプローラズジャム】(1/3)
黄色い声援が飛び交い、舞台は熱狂に包まれている。
“オラクリア”
今では知らぬ者は居ない程のメジャーなロックバンドのコンサートである。
武道館の座席は超満員で、立ち見すら困難な状態だった。そのステージの上ではメインボーカルの野上 恭吾が、その透明感のある歌声で高らかに歌い上げながらも、その内心で思っていた。
(どうしてこうなった!!)
******
恭吾は目の前の石扉と手に持った楽譜とを交互に睨む。古代オラクリアの神殿、その地下通路に彼は立って居た。
ここに来るまでに幾つものトラップを解除し、時には罠に嵌り、隠し扉を見つけ漸く辿り着いたのが、この最奥の部屋の前なのである。
「……やはり、この楽譜が鍵か……」
ずっしりと重そうな石扉に刻まれているのは古代オラクリアの楽譜であり、彼が手に持っている物こそ、それを現代訳した物だった。
恭吾がクロッカス教授の遺したオラクリアの秘宝の在処を示したレポートを手に入れたのは2年前の事である。
それから彼は、あらゆる伝手を使い、ここまで来たのだが……
「……使用する楽器については何も書かれていないのか……クソッ」
扉の鍵と成っているのが、この楽譜の音楽である事は間違いないだろう。
しかし教授のレポートにも扉にも、使用する楽器についての記述は何一つ書かれていないのだ。音階がある以上、打楽器の類いではないのは確かだろうが、しかしそれが何なのかは、結局分からなかったのだ。
古代オラクリアでは音楽が神に奉げる神聖な物とされていた事もあり、楽器の類いも当然作られていた。
しかし、それらは既に失われて久しい。
おおよそ思い付くのはオカリナの様な石笛や、横笛の様な木管楽器。そしてハープやヴァイオリンの様な弦楽器であるが、確証がないため、試すまでには至っていなかった。
なぜなら、こういった仕掛けの場合、間違えれば何らかのトラップが作動する可能性が高いからだ。
「さて、何かヒントでもと思ったんたがな……」
「フッ。お困りのようだね、マイフレンド!!」
「お、お前はジョーン マクガルド!! また俺を付けて来たのか! この、ハイエナが!!」
「おっと、折角、君の為を思ってこれを持ってきたのに、それはツレないんじゃないかな?」
「……」 【エクスプローラズジャム】(2/3)
ゴッ!!
ジョーンの持っている物を見た恭吾は、無言で彼の頭を殴り下ろす。
事も有ろうに彼の持って来た楽器はエレキギター……古代オラクリアではまず間違いなく使われてなど居なかった楽器だったからだ。
「グオ! 悪かった! 君の怒りももっともだ!!」
「チッ、分かって居るなら……」
思いの他、素直に謝ったジョーンに恭吾は舌打ちをする。が、その後の台詞で思わず目を点にした。
「ギターだけじゃ足りないよな! 任せろ!! カモン! マイフレンズ!!」
「は?」
ジョーンの号令で人影が飛び出す。唐突な展開に恭吾は唖然とした。
「ベース、リヒャルト!!」
「Oh! Yeeee!!」
ギュィィィィ――――――ン!!
「ドラムス、牧田!!」
「………」
ドコドコドコドコドコドコドコシャーーン!!
「ギターはオレ!!」
キュラキュラキュラキュラキュラキュラキュラギャ―――ン!!
「そして! ボーカル恭吾!!」
「はあぁ!?」
「早くしろ!! 恭吾!! セッションは始まってるんだぞ!!」
「いや、ちょっと待て! そのドラムセットどっから持って……じゃ、ない!! いやホント待て!!」
気が付けば恭吾を除く三人は既に音楽を奏で始めていた。そして、間を置かず、遺跡が鳴動を始める。
「クソッ! トラップが作動し始めやがった!!」
「ハリー、ハリアップ、恭吾!! メインボーカルが歌わず、どうする!!」
「俺か!? 俺が悪いのか!?」
パラパラと小石が降る。今逃げたとしても、果たして脱出できるか分からなかった。
「ハリー! 恭吾!!」
「あー、クソッ!! それしか…………っ!! てか、この楽譜に歌詞なんか無いんじゃボケエェ!!」
「恭吾!! 音楽はソウルだ!! パッションだ!! ハートに浮かんだ思いをメロディーに乗せろ!!」
そう言っている間に壁にはヒビが入り、振動はさらに大きくなる。
「ぐああぁぁぁ!! やってやんよ!! こんチクショウ!!」 【エクスプローラズジャム】(3/3)
******
はぁはぁと荒い息を吐く。セッションが終わり、皆の周りには、やり切ったと言う達成感と連帯感が漂っている。
いつの間にか振動は止まり、辺りは彼らの呼吸音だけが響いていた。
「良かったぜ、恭吾」
「Nice!!」
「流石はジョーンが認めたヴォーカルだな」
「ああ、ありがとう…………じゃねぇ!! どうにか成ったから良かったが、おまっ、一歩間違えば全員生き埋めだったんだぞ!!」
果たしてそれがどういう作用だったのか、しかし、確かに4人のセッションで神殿のトラップは解除された様だった。
しかし、ジョーンにも確証がなかったであろう事は疑いようは無い。
「恭吾……」
その事で激昂する恭吾だったが、不意に真剣な顔に成ったジョーンに少し怯む。
「考えるな、感じろ!!」
「うるせええぇぇぇ――――――!!」
「Hey! look!!」
恭吾がジョーンに殴りかかろうとした、その瞬間、リヒャルトが指をさして叫んだ。
「と、扉が……」
「開いた」
******
「これは、スコアか?」
神殿の最奥の部屋、そこに収められていたのは粘土板に刻まれた大量の楽譜だった。
「!! そうか、そう言う事か!! 古代オラクリアで神に奉げられていたのは音楽だったな」
「アイシー、確かに、古代オラクリアでは秘宝と言う訳だな! そして、オレ達にとっても!!」
「ああ!」
うず高く積み上げられた粘土板。学術的にも民俗学的にも貴重なお宝を前に、恭吾とジョーン、ついでにリヒャルトと牧田が笑みを漏らした。
******
そして今、恭吾の姿は舞台の上にある。
あの後、古代オラクリアの魂を現代に継承するのは自分達しかいない等と3人によって言いくるめられた恭吾は、あの時見つかった楽譜を現代音楽へと編曲したアルバムをリリースする事となった。
それはたちまちヒットし、こうして全国ツアーをするまでに至ったのだが……
「何でだ、どうしてこうなった」
「恭吾……」
「……ジョーン……」
「考えるな! 感じろ!!」
「うるせえええぇぇぇぇ――――――!!!!」 >>702
ツッコミがボケに負けた話ですね。ボケ三人組、嫌いじゃないw
でもほらあれだ、最終的に仲の良いメンバーと音楽界での名誉っていう最高の宝を手に入れられたんだから、いいじゃないか(目をそらしながら) 感想有難うございます
きっと恭吾のツッコミレベルが足りなかったんだと思います
本職は考古学者ですからw >>700
お題五つにフルチャレンジ! ラブ・ミュジッーック!
さあ物語は『ずっしり』した祖父の遺品で開演〜出てきたのは、『秘宝』惚れ音楽の『楽譜』! 爺ちゃんの気まずい黒歴史だw
見覚えアリの喋り方をする女友達がさっそく試聴〜『フレンズ』は「女友達」で消化ってことか〜
『ハート』の音符で彩られた惚れ音楽の効き目やいかにって、うわ…効かねえし…爺ちゃん恥かき損かよと思ったら
最後の一行でやっぱり効いていた〜って変化のない女友達は!? なるほど、うわっ最初から効いているんだよとかそういうお洒落な感じ!? 女口説きの熟練者700氏が全お題をクリアしつつ華やかに決めたぞー
>>702
続いて全お題に挑戦だ、魂のシャウトIN洞窟〜
さあ主人公の恭吾さんが目にするは、『ずっしり』と重そうな目の前の石扉、手にする『楽譜』はクロッカス教授の遺したオラクリアの『秘宝』だ〜、それっぽい設定だなw
ジョーン マクガルド「カモン! マイ『フレンズ』!!」←うん、一応ジョーン マクガルドで検索したが何も出ねえw
ここで見逃せないのはキラーお題『フレンズ』の消化〜friendは「一人」、friendsは「複数」、自然に使うのが意外に困難! 出題した人はけもフレ的な発想だったと思うが…これに着目したらしき702氏が謎のバンドメンバーを召喚だ〜
『ハート』に浮かんだ想いを恭吾さんが歌い上げて懐かしい感じの崩壊トラップを回避〜あーインディジョーンズ思い出すねアハハって感じでお題をドタバタ・フルクリアだァ! 感想有難うございます
最初は地下遺跡の件だけのつもりだったのですが、気が付けばバンドを結成させていましたw
どうしてこうなったorz 競馬実況さんの感想が見たいから三つ目
使用したお題;『楽譜』『フレンズ』『ハート』
【問題、彼らは何で勝利したのでしょう?】
「いやー、勝ちましたね」
「勝てたねー」
「辛くも勝利ってとこですねー。ビックリしましたもの、間違いなく負けると思ってましたし」
「メンツが悪かったしねー」
「そうなんですよねー、王様。こっちはエースが1人なのに対して、相手はエースが3人もいやがる。対してこっちは10人並みな奴が1人紛れてましたしね」
「そんなこと言うなよ、仲間だろ。でもま、戦力差は歴然だったね」
「いや失礼。ホウ セイ マイフレーンズの精神ですね。それに今冷静に考えると、今回の勝利は彼のおかげでもありますしね。
でもうちらもかなり強いグループだったとはいえ、相手はそのさらに上の存在でしたしね。もう負け以外の何物も見えませんでしたよ」
「ま、そこは私の奥さんのおかげってところかね」
「まったくその通りですね。王妃様が最後に来てくれなかったら確実に終わってましたですね。王妃様仏様! って気持ちでいっぱいですよ。もう感謝の気持ちを込めて自作の歌でも作って演奏会開きたいくらいです」
「ドン引きされるよ、間違いなく」
「じゃあ楽譜を作って送るだけにしときましょう。じゃあ最後に勝利者インタビューをしちゃいましょう。では、今回の勝因はズバリなんでしたか?」
「みんなが揃ったおかげ、そして君のおかげだよ、ジャック君」
「へへ、ありがとうございます。キング」
追記
ヒント(というか言い訳):トランプゲームは基本的に、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの順に強いです。 使用お題:『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』
【フレンズ】
「愛弓、もう一回合わせよう」
「うん」
果奈ちゃんの言葉に、わたしは楽譜を最初までページを戻す。
部活に入った頃から使っている楽譜ファイルは、3年間でパンパンになり、持つとずっしりと重い。
でもそれが、わたしと果奈ちゃんとの時間の積み重ねだと思うと、それはそれで嬉しい。
マウスピースを唇に当て、トランペットを構える。
視線を交わし、タイミングをあわせ曲を奏で始めた。
******
譜面をめくる。
「っ……」
わたしはここの最初スタッカートでいつもつまずく。リズム感が悪いんだ。
でも、果奈ちゃんは「気にしないで」と、視線で促す。曲を最後まで通す事を最優先にしたいらしい。
わたしは頷くとそのまま通した。
******
「果奈ちゃん、ごめん」
「んー、他のスタッカートだと、それほど躓かないんだから、譜面をめくった直後で慌てちゃうんじゃないかな?」
そうなのだろうか? 果奈ちゃんは優しいから気を使ってくれてるのかも。
「譜面をめくるタイミングを前か後ろにずらしてみたら?」
「でも、見てないとわからないよ?」
「う〜ん……そこは、覚えるしか……私も覚えるまで付き合うから」
「うん、ありがとう、ごめん」
「親友でしょ? 気にしない気にしない」
その言葉に私の心がズキンと痛んだ。
親友……わたしと果奈ちゃんは親友だ。
でも……
「愛弓?」
「あ、うん、ごめん」
「へんな愛弓」そう言って果奈ちゃんは笑う。
わたしは曖昧に笑みを浮かべた。
気づかれちゃいけない。わたしはもう一度心に鍵をかける。気づかれたら“親友”では居られなくなる。
これは秘めた宝物。
わたしだけの秘密の宝物。
誰にも気づかれちゃいけない。彼女のと友達で居るために。
わたしは果奈ちゃんの透き通った横顔をチラリと見ながら、切なくていとおしいその思いをハートの奥にしまい込んだ。 >>709
解答は競馬実況さんにまわしますがw
カード達も勝った負けたで一喜一憂していると思うと楽しげですね
時折、夫婦が敵にまわったりと、色々なドラマが起こっているのかな? と、想像を掻き立てますねw お題『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』締め切り
参加作品一覧
>>695【宝探しと一番の宝物】
>>700【タイトルなし】
>>702【エクスプローラズジャム】
>>709【問題、彼らは何で勝利したのでしょう?】 お題安価〜お題安価〜取りますよー
>>714-718 四字熟語
>>710 の【フレンズ】がない、これに投票したいのに……。
理由? 尊いから ☆お題→『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』より一つ以上を選択
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割オーケー
☆締め切り→4/1の22時まで
☆平行して投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。締切3/28の22時 先ほどの〆で一つ漏れたのは完全にミスです、ごめんなさい
☆投票リスト
>>695【宝探しと一番の宝物】
>>700【タイトルなし】
>>702【エクスプローラズジャム】
>>709【問題、彼らは何で勝利したのでしょう?】
>>710【フレンズ】 今回のお題なんか難しいので、早乗り全消化で挑戦します
使用したお題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【バカとバカとシリトリ】
「しりとりのの常識を壊そうかと思う」
「いきなりどうした。とち狂ったか?」
「いいから聞きなさい。聞けばわかる」
「本当か?」
「本当だ。試しにちょっとしりとりをしてみよう。最初はしりとりの『り』からで」
「じゃありんご」
「ゴリ……」
「ラッパ」
「はいストップ。私は『ゴリ……』で止めたのに、なんでラッパと言った?」
「いや、ゴリまできたらその後はラが来るしかないだろう。定番だしな」
「そう、それだ。その定番というのがおかしい。なぜかしりとりを始めると、みな判を押したようにシリトリンゴリラッパと続く。これが今回解明したい謎だ」
「なるほど、言われてみればラッパまでは一気に進むな。そしてそこからが本当の勝負になるイメージがこびりついている。これは確かに謎だ」
「そうだろう? そしてラッパまではテンプレートで行われるのに、『パ』の後から妙に変化するところも謎だ。パンダ、パラシュート、パンツ、パイナップル……。ラッパまでは一息で進むにも関わらず『パ』に関してはバリエーションが多い。理解できないだろう?」
「言われてみればその通りだ。もちろん、シリトリンゴリラッパまで進まなきゃいけない、というルールはない。しかし特に意識していなければ、勝手に途中から変化する勇気もない。意味が分からないな」
「そうだろう? そんな常識はないはずだ。だから壊させてもらおうと思う。どうだろう、協力してもらえないか?」
「わかった、いいだろう。ではまずはどうやって壊すんだ?」
「差しあたって、他のテンプレを作ればいいんじゃないかと思う。そっちが認知し、人々の間で浸透すれば、シリトリンゴリラッパの無間地獄から解放されるはずだ」
「なるほど、いい案だ」
「というわけで最初のしりとりの『り』から始めよう。何か案はないか?」
「では無難に、リスなんてどうだろう?」
「良いな、日本では滅多に見かけない生き物だが耳慣れてる単語でもある」
「ゴリラもそうそう見かけないけどな」
「そう言うな。では次『ス』か……スマホゲームなんてどうだろう?」
「現代人らしくて良いな。では『ム』か……麦わら帽子、とかは?」
「いや、麦わら帽子はないだろう。あまり一般的ではない」
「ラッパは一般的なのか?」
「そういうわけじゃないが、麦わら帽子なんてついぞ見かけないだろう。麦わら帽子を被った美少女なんて漫画の世界以外でお目見えした記憶がない。あまり良い選択ではない気がする」
「ふむ、まあ文字数も多いし、違う方が良いか……ではムシでいいんじゃないかな?」
「ムシか、短くていいな。ただどっちにしろ次は『シ』か……そうだな、ここらで四字熟語なんて洒落てるんじゃないだろうか。獅子奮迅とか」
「それ、最後が『ん』だぞ。ただアイディアは悪くない、それでいこう。最後が『ん』じゃなくてもっとメジャーな四字熟語……」
「四面楚歌、四苦八苦、試行錯誤、色即是空……」
「試行錯誤がいいんじゃないか? 一般的使用頻度も高い四字熟語だし、語呂もいい。それに今の我々の状況も表していて皮肉が効いている」
「じゃあ試行錯誤にしよう。よし、これで決定だ。しりとりの新テンプレはこれでいこう」
「シリトリスマホゲームシコウサクゴか……ん?」
「しりとりスマホゲーム試行錯誤……? なんだ、何か違和感が……」
「普通にアプリの名前みたくなっちゃったな。しかも、あまり面白くなさそうな類の」
「しりとりスマホゲーム試行錯誤……。これは、失敗だな」
「ああ、そうだな。これは控えめに言ってもダメだと思う」
「……我々はいったい何をしていたんだろうな。すごく無為な時間を過ごしてしまった気がする」
「……そうだな。ああ、空は青いな。今日も良い天気だ」
「ああ、全く良い天気だ。帰りにコンビニでも寄ってくか」
「そうだな、レーズンブレッドが食べたい」 使用したお題:『麦わら帽子』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【レーズンブレッド】(1/2)
抜けるような青空。ジリジリとセミの鳴き声が耳を通り抜けていく。
草木の真ん中に無理やりアスファルトを引いたような、そんな道路。
俺はバス停に添えられているベンチに座って、スマホゲームをしていた。
待ち続けているのだ。
画面にでかでかとサイケデリックな色調でGAMEOVERと表示される。
ゲームが一段落して、凝り固まった首をほぐしていると一人の少女と目が合った。
麦わら帽子に純白のワンピース。絵画からそのまま出てきてしまったような、ひまわり畑が似合うような少女だ。
アスファルトから立ちこめる熱気を背に、もしかしたら蜃気楼なのかもしれないと疑ってしまうほど、彼女は可愛らしかった。
「こんにちは。また会いましたね」
「ああどうも。これまた珍しいですね」
「そうですね。フフッ」
そう言って楽しそうに笑う。
俺がバスを待っているように見せかけて、実は彼女を待っていることに気づいているのだろうか。
胸が高鳴る。
気づいているにせよ、いないにせよ、どちらも俺にとっては悪くないことだった。
俺は暇つぶしにしていたスマホゲームのアプリを消す。
ここは田舎だ。万人の誰もが、と言ったら語弊がありそうだが、日本人なら認めてしまうような片田舎。
そんな土地に祖父の墓があった。
本当ならこんな辺鄙な場所、貴重なお盆休みの六連休を消費してまで長居するつもりはなかった。
だけども俺はこうして、普通なら見向きもしないようなアプリをダウンロードしてまで時間を浪費している。
ひとえに彼女に会いたいがためだ。
「それで、今日はどんな話をしてくれるのですか?」
「そうだな……口の悪い同僚の話なんてどう?」
「口が悪いのはいただけませんね」
彼女はいたずらっぽく笑う。
ありきたりな比喩だけど、ひまわりみたいな女の子だった。
「まあまあそう言わずに。コイツがまたいいやつなんだよ」
俺は彼女を楽しませることができるように、精一杯の身振り手振りを交えて話をする。
バスを待つ時間、バスに乗ってから俺が降りるまでの時間、こうして会話するのがここ数日の日課だった。
彼女はころころと表情が変わり、俺の話にいちいち反応してくれる無邪気な女の子だった。
バスの中でも、隣り合わせに座って会話する。
「それでソイツは言ったんだ。『俺は悪くない。全部、口が悪いんだ』って」
「うまいこと言ったつもりなのでしょうか? 責任転嫁も甚だしいですね……」
辛辣なコメントに俺は思わず苦笑した。
ちゃんと失敗をフォローした同僚の話の続きをしようとしたら、無情にもバスのアナウンスが鳴った。
もう降りなければいけない。
バスが停車して俺は立とうとしたら、なぜか彼女も席を立った。
「あれ、ここで降りるの?」
「はい。今日は特別なんですよ」
特別、という言葉に胸がまた高鳴る。
彼女との道すがら、話をする。もちろん同僚についてだ。 【レーズンブレッド】(2/2)
「――これでおしまい。どうだった?」
「むむむ……人の世は難解ですね……」
「あはは」
そんな他愛もないやり取りをしていたら、あっという間に家に着く。祖父が住んでいた家だ。
彼女は玄関先まで来てくれて、俺を見送ってくれる。
「それじゃあ、また明日」
「明日はどうでしょうか……。あ、ところでレーズンブレッドは好きですか?」
「レーズンブレッド?」
「ちなみに私は好きですよ。でも皆は『レーズンとブレッドを別々にしろ!』なんて言いますけどね」
「うーん」
「まあそういうことです」
彼女は俺の返答を聞かずに踵を返す。
「そういうことなんですよね」
何を意図した発言だったのか、俺にはわからなかった。
ただただ、彼女の後ろ姿を眺めるだけしかできなかった。
答えがわからないうちは、声をかけてはいけない気がして。
*
次の日は雨が降っていた。
明日はもう帰らなければならない。
そう思うと、一日さえ無駄にできないと傘を持ってバス停に向かった。
彼女は来なかった。
*
次の日は晴れだった。
しかし待てども待てども、彼女が来るような気配はなかった。
スマホゲームにも飽きた。
だからレーズンブレッド、引いては彼女について考えていた。
セミの鳴き声をBGMにして、抜けるような青空を仰ぎながら。
考え続けた。
やがてバスが来る。
プシューと溜息のような音を立てて停車。
運転手が降りて来た。花束を持っている。
「……それ、どうしたんですか?」
「これかい? 昔、ここで事故があったらしくてね。昨日の日付だったらしいけど、雨だったから。今日持って来たんだ」
「そうですか」
俺はベンチから立って、家に帰ろうとする。
「乗ってかないのかい?」
「はい。待っていても、来なさそうですから」
「?」
ジリジリと日の照る道路を歩く。
俺は独りごちた。
「レーズンブレッド、好きなんだけどなあ」
憎たらしいほどに空は晴れ渡っていた。 >>710【フレンズ】に投票します
百合っていいものですよね 722>>
しりとりの新常識を作ると言う試み
正直な所、しりとりの最初のやり取りに注目した事など無かったので、ハッとさせられました
些細な事にでも疑問を持ち、気付く事が出来るのは、尊敬できると思います
723>>
果たして彼女は何者だったのか?
真夏の幻か、現世に戻った何かなのか?
少し切なくなるお話ですね >>709
前回お題佳境〜『楽譜』『フレンズ』『ハート』にトライアル! 新基軸、クイズ短編だw
場面は王妃に『楽譜』をプレゼントするぜ、などと勝利の美酒に酔うキャラ達で開始〜会話の内容は、どう見てもポーカー擬人化だな〜唐突に挟み込まれる、ホウセイ・マイ『フレンズ』←なぜ山崎邦正(月亭方正)ネタw
さあ手役を推理するぞ〜相手の役はAのスリーカード(同じ数字3枚)もしくはそれを含んだフルハウス(同じ数字3枚&同じ数字2枚)!
キング達の役はエース、K(13)王妃(12)ジャック(11)10人並みな奴(10)ってことで、ストレート(連続した数字)もしくはロイヤルストレートフラッシュ(連続した数字&柄揃い)
むう組み合わせを絞り切れん、しかし最後に「揃った」と言ってるぜ〜なのでキング達の役は『ハート』のフラッシュ(柄揃い)から変化したロイヤルストレートフラッシュか?! 相手役はフラッシュだけでは勝てないフルハウス! これでどうよ709氏、そんなENDw
>>710
前回お題フル選択! 投票が集まる人気作を見よ、ダメッいけないフレンズ!!
さあ物語は『楽譜』をめくる、吹奏楽部らしき愛弓さんと果奈さんの練習風景でスタート〜
三年分の『ずっしり』とした楽譜ファイルがしめすのは、二人の記憶と積み重ねた交友の絆だ〜
『ハート』に押し隠す愛弓さんの想いは二人が『フレンズ』で居続けるための『秘宝』?、愛弓さんが特定箇所で間違ってしまうのは果奈さんの時間を奪うがための故意なのか、いや、人それを恋という〜(うまいこと言ったぜ!)
口には出せぬ心音を楽器に乗せて奏で続ける〜微妙に食い違った710氏の二重奏がお題をすっきりと消化し、スレ民の心をキャッチングして満足ENDォ!! >>727
相変わらず素晴らしい解析能力だぜ、さすが実況者!
しかし一つだけ足りない!! 問題のやつの一番の注目どころは「ハートという単語を使わずにハートのお題をクリアしたところ」だ! さすがにここまでは読み切れなかっただろう!? >>722
高難度お題が出たなw こりゃ修羅場だと見た722氏がフル選択で『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』に速攻着手、メタしりとりだあ!
「シリトリンゴリラッパまで進まなきゃいけない、というルールはない。しかし特に意識していなければ、勝手に途中から変化する勇気もない」←そんなこともないだろワロタ
笑える調子で進む二人の会話〜でもお題消化どこいったと思ってたら、
『スマホゲーム』→『麦わら帽子』→「試行錯誤」(『四字熟語』)と一挙に消化でウデを魅せる〜見事!
ラストは「そうだな、『レーズンブレッド』が食べたい」←こんな会話あるかよって感じで、『青』い空の下を行く爽やかな二人を描写したァ〜書き手の試行錯誤をもメタ的に感じさせる物語だったぜ722氏、高難度お題迅速クリアに敬礼!!
>>723
今回お題は軽々とはいかないな、723氏はお題『麦わら帽子』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』を選択したか〜蜃気楼の少女!!
抜けるような『青』空の下で、本当はどうでもいい『スマホゲーム』に興じる主人公の目の前に現れる、「もしかしたら蜃気楼なのかもしれないと疑ってしまう」少女〜
『麦わら帽子』に純白のワンピースをまとう彼女と、どこか心の温まる会話が描かれ、登場するは二人の別れを象徴する『レーズンブレッド』〜ここまででお題は消化済みィ!
さあどうなるのか、物語は過去の雨天とリンクして少女に花束を手向けてしまった〜うあちゃー(泣
分けられぬ、しかし分けるしか有り得ない二人の生存領域はあの世とこの世の『レーズンブレッド』! しかし、分かれるからこそ完成するものもある!
死者への追悼は、「レーズンブレッド、好きなんだけどなあ」なる言葉に宿り、描かれぬ主人公の涙の中で少女は眠るように名END! >>728
確かにぃ
そこを言ってあげるべきだったあw >>727
感想を有難うございます
お互いの依存度の高い友達関係って、女性の方が多いイメージがあります
もっとも、それ以上に反目もしあうようですが……(遠い目) 日中ずっとお題について考えてたけど、どうも思いつかない・・・
今回のお題、アクが強いのが3つもあって調理しづれぇ お題 『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【変わる物、変わらない物】
青空の広がる暑い夏、俺は久しぶりに故郷の田舎に帰省していた。
「くっそ、暑いなぁ……」
「帰ってきて早々、何言ってるの?」
「暑いもんは暑いんだ……。仕方ないだろ」
そこにいたのは故郷に残った幼馴染の立花葵である。俺の実家の隣の家に住んでおり、こうやって昔からお互いの家を行き来していた。
今ではお互いに年を取り俺は都会で仕事に追われ、彼女は結婚し子供もいる。
昔は彼女に恋をしていた事もある。麦わら帽子に白いワンピースの似合う清楚な女の子だったのだ。おそらく、彼女の方も俺の事を意識していたとは思う。だけど、俺は自分の目標の為に故郷を飛び出して行った。
そんな昔の事に感慨を覚えていると、背後から衝撃が襲う。とはいっても軽いものだが。
「あ、おっちゃん久しぶり!」
「おっちゃん言うな! お兄さんと呼べ!」
「もういい歳なんだからいい加減認めなさいよ」
「そうだぜ、おっちゃん!」
この俺をおっちゃん呼ばわりしてくる子供は葵の息子である立花健太だ。確かもう小学六年生くらいだったか?
「あ、おっちゃんちょっと待ってね!」
「ん? どうしたよ?」
「ちょっとねー!」
そう言って健太はスマホを取り出して、操作し始める。
「お、いっちょ前にスマホ持ってるのか。スマホゲームでもやってるのか?」
「そうだよ! みんなの中で流行ってるしね!」
「そういう時代なんだな。今の子供も大変そうだ」
「私たちの時代には無かったものね」
俺たちの時代といえば、麦わら帽子を被って自然の中で走り回っていたものだ。時代とともに変わっていく。こういうのを有為転変とでも言うのだろうか?
「母ちゃん、腹減った!」
「いきなりだな、健太」
育ち盛りというのもあるのだろう。それに今はおやつ時でもある。いきなりな発言ではあってもおかしな事を言ってる訳ではない。
「……そうね。確か頂き物のレーズンブレットがあったわね。それでいい?」
「いいよ!」
健太は食べれる物があると分かり、台所にすっ飛んでいく。レーズンブレットか……。
「そういえばレーズン、苦手だったよね?」
「あぁ、未だにあれは苦手だよ」
時代とともに変わっていくものもあれば、未来永劫変わらない物もある。俺がレーズンブレットを好きになる事もないだろう。
そして故郷の田舎ののんびりさもあまり変わりはしていない。
久しぶりの帰省も変わったもの、変わらない物を実感させてくれた。
暑い青空を見上げながら、そうしみじみと感じるのであった。 故郷とは、遠くにありて想うもの
ノスタルジーを感じさせるお話ですね
時間はゆっくりと、しかし、確実に過ぎていく……そんな事を感じました >>733
お題全選択に挑戦、チャレンジャーの激闘は実るかッ〜、って、ん? 【変わる物、変わらない物】←このタイトル前スレにもあったけどもしかして733氏か
『青』空の広がる暑い夏、隣の女性に『麦わら帽子』の幼馴染を思い出す〜あの少女は既婚となり、現実が時の経過を伝えるぞ〜ありえた選択も今や昔! 男なら正直喰っときゃよかったのかもと思うことだってある(下品
さあ、あの頃には存在しない『スマホゲーム』が映し出すのは、有為転変(『四字熟語』)のテクノロジ〜おお、テーマに沿った自然な消化だ733氏!!
とどめは!? 頂き物の『レーズンブレッド』できたかァ〜分かる分かるぞ、田舎だとさ、こういう時代から取り残されたお菓子類がさらっと出てくるよねw お題群を全てテーマの中で活かしきった〜見事ー
幼馴染も遊びの風景も、全ては流転! でもレーズンは好きになれない! 田舎の温度も変わらない! 変わるもの、変わらないもの、その狭間に己を見出す人生、その業だけは常に普遍!
733氏が魅せたひとときの語りは、暑い夏空の余情の中で、心の芯を打つ感慨ENDにおちたァ! 初投稿だから、前スレの人は別人ですね。
タイトル被りしてたとは、気を付けないと…… 使用お題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【釣り日和】(1/2)
川は穏やかに流れている。僕は釣糸を垂れるじーちゃんの横でスマホゲームをしていた。
お父さんに言われてじーちゃんの釣りに同行した事を僕は少し後悔し始めている。
……ぶっちゃけ飽きた。
釣竿は最初に投げ入れた時からピクリとも動いていない。じーちゃんも同じ様にピクリとも動かない。
麦わら帽子の下の日に焼けた顔は、何時もの様に目を細めてじっと釣糸を眺めている。
「っと」
僕はスマホを操作する。まだ微動だにしない現実の釣りとは違って、ゲームの方の釣りは既に6回目のヒットをした。
「あっ、レアゲット」
今、僕のハマっているスマホゲームが「ギガントフィッシング」って言う釣りゲーム。
だから、お父さんもじーちゃんに着いていけって言ったんだろうけど……
「……おもしぃか?」
「えっ」
突然じーちゃんに話しかけられて、僕はビクッと体を震わせる。
じーちゃんは不思議そうな顔でこっちを見てた。
「う、うん」
「ほぅけ」 【釣り日和】(2/2)
川は穏やかに流れている。僕は釣糸を垂れるじーちゃんの横でスマホゲームをしていた。
…………そう言ってまた釣竿の方を向くと、傍らにあったビニール袋の中からペットボトルと紙袋を取り出した。
「ほれ」
「あ、うん、ありがとう」
緑茶とレーズンパン。……フランスパンだからレーズンブレッドだろうか?
どうでも良いけど“フランスパン”は“パン”なのに、“レーズンブレッド”は“ブレッド”なのは何でなんだろ?
「? 嫌いじゃたか?」
じーちゃんがこっちを見ながらそう言った。
あ、え? ああ、レーズンの事かな? 僕は首を振る。
「ほぅけ」
僕は何となくスマホの電源を切ると、パンを食べ始めた。
緑茶を飲みながら空を見る。青空に白い雲が浮かんでいる。
うん、時間が止まってるみたいに雲も動かない。まさに浮かんでるって感じかな?
こう言うのって……
「天下泰平……って言ったっけ?」
「……春日遅々……かのう」
「え? 何それ」
じーちゃんは「かかか」って笑った。
「お?」
じーちゃんが竿を引く。と、途端に糸が激しく動き出す。
竿を立て、リールを回す。相変わらず目を細めて、でも口許は笑ってる。
「たもを……」
そう言われ、慌てて網を持つ。水面にバシャバシャと水しぶきが上がった。
僕はそれを網で掬う。驚くほどズッシリとした手応えでギョッとなった。
じーちゃんが一緒に持ってくれなかったら、落としたかも知れない。
そいつは黒々とした真鯉だった。
口をパクパクとさせながらビチビチと跳ねている。
僕が泥臭さと生臭さで顔をしかめると、じーちゃんは「かかか」と笑った。
******
結局、昼過ぎまで居て釣れたのは3匹だけだった。
じーちゃんが「またくるけ?」と聞いてきたけど、僕は首を振った。
じーちゃんは「かかか」って笑った。 ノスタルジックで素敵な小説が多かったから、多少無理やりにでも反逆してみる。反省はしているが後悔はしてない。
使用したお題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【血の理由】
「reason blood」というスマホゲームがある。
和名にすると「血の理由」という。実に重苦しい名称なのだが、裏腹に内容はよくある占いアプリであった。
血液型占いに似ている。生年月日や名前を入力すると、その日の運勢を占ってくれるというのだ。
動物占いというものが流行ったが、それに似ている。入力した個人情報に応じて、その人を何の血筋なのか最初に示してくれるのだ。
例えば「狩人の血」なら目標に向かってひたむきに努力する性格だ、とか。「商売人の血」なら駆け引きが上手で物事を客観視する力に優れているとか。
人間以外にも「飢狼の血」だと貪欲に物事に集中するなどといろいろな性格占いを最初に行ってくれるのだ。そしてその後は、普通の占いソフトよろしく日々の運やどの血筋の人と相性がいいか、なんて当たり障りのないことを占ってくれる。
しかしこの手の占いソフトにはよくありがちなことで、特別に的中するというわけでもなく、格別に面白いというわけでもなく、別格に人気というわけでもない。
どこにでもあるごく普通の占いアプリであり、何もおかしいところはない。そんなスマホゲームだった。
……ただ一点を除いて。
とある噂があった。この「reason blood」にごく稀に「青の血」という診断結果が出るそうだ。
この「青の血」選ばれた人は、ものすごい幸運に恵まれるらしい。仕事は好成績を毎日たたき出し、恋愛は最高の異性と巡り合って純愛ができ、健康は癌すら治るとのとんでもない話だった。
実際はどうだかわからない。しかしただのスマホゲームのアプリのくせに、この「青の血」に関しての的中率だけは100%であると噂ではそうされている。
ただし「青の血」に選ばれた人は、ある義務を負うこととなる。それは占い結果に全面的に従わなければならないということだった。
電車で席を譲りましょうと出たら必ず譲らなければならないのだ。ラッキーアイテムが麦わら帽子と出たら、会社へ満員電車で通勤中でも付けていかねばならない。
献血を今日中に3回行えと書かれていたら街中を巡って献血車両を探す必要が出てくる。
しかし、その全てが幸運になって帰ってくるというのだ。
席を譲った老婆が取引のある大会社の社長夫人であったり、日射病で苦しんでる女性に麦わら帽子を渡して交際へと発展したり、血をたくさん抜いたおかげで内臓腫瘍が早期発見できちゃったりするのだ。
だから強制される義務ではあるが、やる価値のある義務であった。
ただ、気を付けてほしい。この義務は必ず占い結果に従って毎日やらなければならないのだ。
電車で寝こけていたり、恥ずかしがって麦わら帽子をつけなかったり、献血車両が見つからなかった場合、その「青い血」の人は……。 フォークロア的テラー
これが”ノブレスオブリージュ“なのでしょうか(違う) >>738
僕の夏休みがPS4盤で新作が出たら、こんなシーンがありそうだなぁとなんとなく思った 使用したお題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【世界を救え!!】
とあるバカげた噂がある作業系のスマホゲームをダラダラ延々やっていたら、本当に噂通り謎の美少女が画面から飛び出してきた。
そして第一声も噂通りだった。曰く「異世界を救ってくれ」と。
麦わら帽子みたいな幅広の帽子を被った美少女が必至の面持ちで、オレにすがりつくように懇願する。
「お願いします。異世界を悪の手から救うためには、あなたの力が必要なんです! 協力してください!!」
美少女曰く、異世界に危機が迫っているらしい。オレの助けが必要だそうだ。
なのでその美少女は初対面のオレに向かって帽子を取って頭を下げた。曰く「異世界では帽子を脱いで頭を下げる行為は最大限の懇願の証」だそうだ。オレは彼女の必死なその態度にこっそりニヤけてしまった。
オレは上から目線になりそうな態度を頑張って抑えて、謙虚なフリをして頭を下げる美少女に言ってやる。
「わかった、オレが助けてあげ……」
「いたか! 日本全国が君の助けを必要としている! ぜひワシと一緒に来てくれ!」
ドバンといきなり部屋の扉が開いたと思ったら、変な老人が飛び込んできた。僕は驚いて背後に倒れ、パソコンにぶつかる。当たり所が悪かったのか、画面がバグってブルースクリーンになってしまった。
老人曰く、日本に危機が迫っているらしい。オレの助けが必要だそうだ。
なので老人は初対面のオレに向かって惜しげもなく土下座を慣行した。言わずと知れた「日本の最大限の懇願の証」である。
本来だったら年上である人間がオレに頭を下げているこの状況に戸惑いつつも優越感を覚えたところだったろうが、今は困惑しかなかった。
まさかの世界の危機のダブルパンチ。そしてその救世主の勧誘のバッティング。
戸惑うオレとさらに戸惑う美少女と老人。しかし混乱から立ち直るのは二人の方が早かった。
どっちに行くか決めるのはオレ次第ということだからだろう。かくしてオレの薄暗く狭い室内で、大学のサークル勧誘もかくやという激しい勧誘合戦が始まった。
「お願いします! 異世界の戦線は今にも崩壊してしまうかもしれないのです! あなたの助けがないと、私たちは、私たちは!! どうか、どうかっ!!」
美少女は鬼気迫る勢いでオレを異世界へと誘おうとする。帽子を外せば懇願になるとでも思ってるのか、何度も頭の上に帽子を載せては降ろしている。まるでくるみ割り人形のような動きだった。
「キミ! 日本に生きる国民ならば、みなで協力して国の危機に立ち向かうべきではないかね!? 活躍できれば君は一躍ヒーローになれるのだぞ! さあ、我々とともに偉大なる母国、日本を守ろう!!」
老人は一見爽やかに見える笑顔で日本の英雄になろうと言ってくる。馴れ馴れしく肩に手を置き、まるでその先に未来が待っていると言わんばかりに締め切ったカーテンへ手を伸ばしていた。
二人ともうるさいくらいの勢いでオレが必要だと訴えかけてくる。しかし混乱から立ち直ったオレはいろいろ疑問に思うことが出てきたので、まず老人にそれを聞いてみた。
「あの、日本の危機っておっしゃいますが、一体何が危機なんですか? 別に戦争が近いとかそんな話は聞かないですし……」
また、戦争があったとしても一般人のオレが役に立つとは正直思えない。老人はいきなり質問されて「うっ」と呻いた。
「いや、その、き、キミの力が必要なのは本当なんだよ。ちょっと、その……謎の反政府組織が最近行動が酷くて、その対処として一斉検挙をしたいのだけれども人員が足りなくてな……」
ものすごく答えづらそうに老人は答えた。どうやらヒーローだなんだと言っておいて、ただの裏方仕事を任せるつもりだったらしい。
オレの気持ちが異世界側へとグラリと傾いた。美少女は期待した眼差しでこちらを見ている。
しかし僕も美少女側にも疑問があったのだ。質問を直接ぶつけてみる。
「あの、異世界が危機っていうのはわかるんですけど、他にも日本人を誘ったのですか? なんかあなたの存在、結構ネットで有名なんですけど……」
それにネットに書かれているということは断られたということだ。僕が詰問すると美少女は「うっ」と呻いた。 感想有難うございます
この話は田舎を思い出しながら書いたので、僕の夏休みに有りそうなシチュエーションかも知れませんね 【世界を救え!!】2/2
「その、異世界は魔法やレベルのある世界なので、だいたいみんな戦えちゃうんです。
で、誰もが戦えちゃうからこそ、後方支援が不足気味で、前線が食料危機で飢えていたり、戦闘優先で戦地間の連絡が滞り気味だったりとピンチとなっていて……」
ものすごく答えづらそうに美少女は答えた。どうやら英雄だなんだと言っておいて、ただの裏方仕事を任せるつもりだったらしい。
つまり、どっちも頭数が欲しいだけでオレ個人はどうでもいいということだ。途端にオレはやる気がなくなった。
部屋から出て行ってくれ、そう言われて美少女と老人は慌てたらしく、言い訳をしはじめる。
「し、しかしだな。君みたいな家に籠ってばかりのニー……フリーターにできることなど少ないのだ。だがこの仕事を手伝ってもらえば君の評価は鰻登りになるぞ。社会復帰も簡単だ!」
「わ、私も異世界から人を招くので、これでも人を選んでるんですよ? ……どうせ有能な人はこんな怪しい勧誘についてこないですし。
一日中つまらない作業ゲーをやるほど暇なひ……集中力が長続きする方じゃないと後方支援なんてできないんです。お願いします、助けてください!!」
訂正、言い訳を言ってるつもりだが言い訳になっていない。完全にオレを馬鹿にしてやがる。
……異世界や正義のヒーローになれれば、こんなオレだって自分に自信が持てたはずなのに。クソ、クソ。
オレはもう完全にヤケになって、精一杯の強がりを言った。
「オレなんかを二人がかりで勧誘なんてしてないで、日本の不法滞在者を異世界に拉致ってけばいいんじゃないっすか?
そうすりゃ日本は平和になるし、異世界人も力で押さえつければオレなんかより良い奴隷が出来上がるっしょ。一石二鳥じゃん」
「……なるほど、なかなかの妙案じゃな」
「……そ、その考えはありませんでした」
先ほどまで唾まで飛ばしてオレに声をかけていた二人がピタリと止まった。
そして何も言わずに目を合わせて一つ頷くと、僕に「すみません、用事を思い出しました」と言ってソソクサと帰って行ってしまった。
その後、日本の政治が急に安定して経済が好調しだし、異世界から助けを呼ぶ美少女が現れなくなったと噂が流れ始めた。
オレはそんなニュースをテレビやネットで流し見しながら、レーズンブレッドを食べて自室に閉じこもっていた。 お題を消化するだけなら何とかなるけど、それをうまく落とし込むのがすげームズいわ……
他の人すげぇなぁ…… もう一本書けた。
全く違う切り口から行ってみました。
お題 『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【流行りのゲーム】
最近流行のスマホゲームがある。名は『スキャン・ダンジョンズ』
スマホ内蔵のカメラで普通に売っている商品のバーコードを読み取れば、それに準じたアイテムが手に入り、自身のキャラを強化してダンジョンを攻略していくという物である。
高い商品なら良いアイテムで手に入るとは限らず、安い商品でも良いアイテムは手に入る。ただし、同じ商品のバーコードでもある程度ランダム性があって、この商品なら必ず決まったアイテムが手に入るという訳でもない。
一度読み込んだバーコードは一定期間は再び読み込む事も出来ないが、その期間は製品の値段毎に変わってくる。
そして、このスマホゲームには課金アイテムが一切存在しない。噂では広告費を多く出している企業の商品のバーコードほどレアアイテムが出やすくなっているとかなんとか……?
全ての商品のバーコードを自力で集めていく事はほぼ不可能に近い。そんな事をすれば青天井になり、どれだけお金があっても足りないだろう。
実際にあらゆる物を大量に購入して読み込んだ人が、未購入でのバーコードの読み取りと間違われアカウント削除となり阿鼻叫喚な事になっていたりする。
大量購入や未購入でのバーコードの読み取りには非常に厳しいゲームなのだ。あくまでも日常の中で購入した商品で楽しもうというのがこのゲームのスタンスなのである。
学生である俺としても、そんな事に無駄に金を注ぎ込みまくる訳にもいかない。手持ちの物のバーコードは全て試した。いくつかレアアイテムも手に入れたけれど、次が欲しくなるのも人情というものだろう。
だから、毎日の日課として昼休みに昼飯用に買った物のバーコードを読み取る事にしていた。同じ教室にいる友人も同じことをしている。
昨日はメロンパン。一昨日はサンドイッチ。そして今日はレーズンブレッドだ。
「よし、激レア来い!」
そう願いを込めながらレーズンブレッドの包装のバーコードを読み取った。アイテムゲットの演出が始まる。青から金、金から虹へと変われば激レアゲットとなるのだが、画面は青いまま進んでいく。
「あー、外れか……」
手に入ったアイテムは『麦わら帽子』だった。見た目変更用のアイテムであり、特にレアでも何でもない。三日続けて外れだった。明日の昼は何を買おうか。
「よっしゃ! 激レアゲット!!」
がっかりしていたら友人が激レアを当てたらしい。友人が読み取っていたバーコードは俺と同じレーズンブレッドの物。
得意満面なその友人に少しイラッとしても仕方ないんじゃないだろうか。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています