X



安価・お題で短編小説を書こう!3
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/04(水) 00:55:10.74ID:hc7Tm9Ma
安価お題で短編を書くスレです。

■お題について
現在、毎週日曜日の午後22時に前回のお題を締め切り、新しいお題を安価で決める方式を取っています。現時点での募集お題はスレ主によるレスを確認してください。

■投稿方法
投稿する際は、1行目に【】でタイトルを付けてください。決めていなければ【無題】でも可。
作品は3レス以内で。レスが2つ以上に別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。

■「小説家になろう」等への投稿について
同一内容を別サイトへと投稿する行為は認めています。
その際、著作者以外が5ch上から無断で転載したものと区別するため、出来る限り【本スレへ投稿する前に】投稿してください。ご協力よろしくお願いします。

■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/
安価・お題で短編小説を書こう!2
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1511408862/
0088この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/11(水) 19:06:00.90ID:rNxOASQF
感想有り難うございます

え〜と、つまりはこの次の書き出しは

『だけど、そんな僕の願いは、アッサリと裏切られたのである』

にすれば勘弁して貰えるのでしょうか?
0089この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/11(水) 20:20:32.46ID:wbKJ8Z0i
>>81
遺品の整理に一票

今回のお題も書きたいけど、風邪でもひいたのか頭がぼーっとして思考が纏まらん……
0090この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/11(水) 21:06:47.72ID:8EywTfhq
>>88
たった一文でバットエンド直進してもーた。さすがにそれは心が痛い・・・

投票はお題の全消化よか、内容の重視の方が得票率良さそうやね。次から考えてみようかなぁ・・・
0091この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/11(水) 21:09:38.80ID:F2W3oC9s
忍者のエイプリルフール、に一票
シュールな世界観が気に入った。
0092二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/11(水) 22:04:36.69ID:Z8ce8oyD
お題『忍者』『博打』『エイプリルフール』『巨大または極小』『サービス』投票締め切り

【投票結果】

前スレ819【遺品の整理】三票
前スレ828【方舟】一票
>>32【忍者のエイプリルフール】一票
0093この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/11(水) 22:28:17.94ID:wbKJ8Z0i
ふーなんとか一本目。体調悪いとちょっときついねぇ。

お題 『花見』『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』

【計画されたハプニング】

 春休みに入り桜が咲き始めた頃、もう三年になるという事もあり友人達と遊園地に行くことになった。

「よう、お待たせ....…ってお前ら、何その格好……?」

 だが、その待ち合わせ場所で友人二人、庄司と紗佳がいた。ペアルック、しかも庄司の方は男なのにスカートであった。こいつら、いい加減くっつけとは思ってたけど、いざくっつくとこうなるもか……。友人付き合いを考え直したほうが……

「ち、違いわよ!? 私はこいつとペアルックなんて! そ、そんなこと、したいなんて思ってる訳ないじゃない!? この服は有紀さんがーー」
「はいはい、ツンデレどーも。ちっ、バカップルめ……」
「カ、カップルだなんて、そんな事あるわけないじゃないー!?」

 赤面しつつ、どもりながらじゃ説得力ないっての……。さて、からかうのはこのくらいにしておいて。ちょっと目が死んでいる庄司を放置する訳にもいかないか。

「で、庄司。実際のとこ、何があったんだ?」
「……あぁ、花見に行くって言ってた姉貴とな、途中でばったりと出くわしてさ。姉貴の友達の酔っ払い連中に身ぐるみ剥がされて、これを着せられた……」

 あー、有紀さんか。あの人もいい加減、弟が幼馴染と両思いっぽいのにどっちも素直になれずに進展なくて煩わしいとか言ってたなぁ……。紗佳まで同じ服ってことは前々から計画されてたハプニングって訳か。花見も待ち伏せの為の口実かな、これは……。

 つっても、ペアルックにするのは良いとしても、スカートはやり過ぎじゃねぇ? これから遊園地に行くっていくのに、アトラクションの順番待ちでこの二人と一緒は悪目立ちしそうだ。ちょっと勘弁願いたい。
 さては有紀さん、それが狙いか。仕方ない、こいつらにさっさとくっつけというのは俺も同感だ。ちょっと手の上で踊らされてる感があるけども……。

「あ、すまん! 財布と携帯忘れたから、ちょっと取りに戻ってくる。先に行っててくれ!」
「え!? ちょっと!?」
「おい!? 嘘だろ!?」

 二人の返事を待たずに俺は走り出す。もちろん、財布と携帯を忘れたというのは嘘だ。だが、急用で行けないと言えばあいつらは解散するだろう。だから後から合流するという事で強引に二人きりでのデートをさせてやろう。
 まぁ合流はせずに、遠くから見てるけどな。こんなアトラクションより面白そうな状況を見過ごせれるか!


「……行っちゃったね?」
「あいつ、置いて行きやがった……。もう帰るか……」
「……ねぇ、せめてズボンだけでも買いにいかない?」
「……そだな」
「……それとね、私やっぱり二人でも遊園地、行きたいな?」
「……そっか、なら行くか! ズボン買ってからになるけどな」
「うん!」


 普段はツンツンしているくせに喜色満面にデレている紗佳の笑顔と、まんざらでもない庄司の二人はまずはズボンを買いに行くのであった。

「よし、計画通り!」

 その様子を見たそんな声が二人分あったとかなかったとか……?
0094この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/11(水) 22:54:54.90ID:wbKJ8Z0i
>>64
オチが女性同士だという事ですねー。
良い感じのミスリードです!
男だったら一発殴られてそうですねw

>>73
数年前に亡くなった愛猫を思い出しました。
どうしても避けられない別れ、辛く切ないものですが、安らかに生を終えることが出来、猫は幸せだったんでしょうね。

>>77
動物園の動物たちも苦労してますねw
どうやって人間の文化を調査しているのか非常に気になりますがw

>>86
時代と共に色々なものが変わっていくものですね。
そして新たに生まれてくる自身の子供と共に新たな思い出を作っていく未来が浮かんできますね。
0095この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/12(木) 01:48:10.41ID:acj+4tFt
使用お題:アトラクション
【魅力のあるもの】
「あら、あなた、こんなもの前からあったかしら?」
「うーん、いや、見たことないかなあ」
 ある子連れの夫婦がいた。
 彼らはいつものように周囲を散策していると、ふと目前に見慣れない赤い屋根の建物があるのに気づいた。以前まで見かけたことのない建物だった。随分と小さいが、なかなかおしゃれな装いである。
 彼ら親子は何かこの建物に興味を惹かれたようで、遠巻きに周囲を歩き回りながら観察していた。すると、子どもが何かに気付いたらしくその黒い瞳を輝かせながら言った。
「何かすごい良い匂いがするよ!」
 聞いて夫婦は示し合わせたように同時に鼻を効かせる。そして頷いた。なるほど確かになんとも言えない魅力的な香りが家屋の中より漂って来ている。
 父は少し感心した様子で言った。
「なんだろう、今まで嗅いだことのないようないい香りだ。……ははあ、さてはここはレストランという訳だな?」
 母は父の言葉に同意して、「まあ、それは良かったわ。ちょうどお腹も空いてきたことですし、今日はここでご飯にしちゃいましょう」と言うと父は頷く。
「そいつは名案だな。な、お前もそれがいいだろ?」
 聞くと子は喜びを全身で表現したのかあたりを跳ね回る。当然答えはイエスであり、夫婦はその姿を見て朗らかに笑っている。
「じゃあまずはオレが入って全員入れるかどうか聞いてくるよ」
 言って父は悠々と歩き赤い屋根の下に消えていく。母子はそれを見届けるとこれからありつけるであろう食事について話しながら父の帰りを待った。
 そしてそれからしばらくが経つ。なぜか父は戻ってこない。
「あら、何かあったのかしら。流石に遅いわね」
 そう言うと母は子に、ここを動かないように、と告げると建物の中に様子を伺いに行く。後には子どもだけがぽつねんと取り残されていた。
 またしばらく経つ。やはり母は帰ってこない。子どもはだんだんと不安になっていくのを感じた。
 なぜ父さんと母さんは帰ってこないのだろう。子どもは心細さを覚えながらも少し考える。
 そしてもう一度鼻を利かせ、相変わらず良い匂いが漂っているのを確認すると、ある考えが浮かんだ。
 ――そうだ! きっとあの中にはとても美味しい食べ物があって父さん母さんも思わず夢中になっちゃって帰ってこないんだ!
 そう考えれば合点がいく。そしてきっとそうに違いない、自分も早く仲間に入れてもらわなくっちゃ、と子どもは赤い建物へと足を進めた。親にほっとかれたと分かってムッとしない訳でもないが、それは仕方のないことだ、と子どもは思う。
 子どもは改めて目前にの赤い屋根の建物を見やった。
 だってこの建物は、なんていうかすっごい魅力的で、引き寄せられちゃうんだもん。とても良い匂いがする。
 子どもは心細く思っていたことなど忘れたように意気揚々と建物の中へと入っていく。
 そしてしばらく経ち、やはり子どもが出てくることはなかった。
 子どもが入った建物の屋根には文字が書かれていた。

 ごき◯りホイホイ、と。
0096この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/12(木) 07:44:15.95ID:8if/bNPU
>>86
ノスタルジー溢れる86氏のお題フルチャレンジが行くぞ、過去と未来のインタールード〜
物語は故郷の『花見』だ〜、屋台、ぼんぼり、零れ桜を目にした主人公が移動遊園地のチープさを懐かしく思い出す〜、少年たちと衝突寸前の『ハプニング』を経由して、今や妻となった『ツンデレ』彼女が描かれ〜って、蹴られとる蹴られとるw
移動遊園地の代わりに置かれたバルーン『アトラクション』が、フラッシュバックさせる幼少の時分〜
僕らが立っているのは、少年だったあのころの未来…、歩き続ける主人公の中に去来する、過去の時間、そして彼女の『スカート』押し上げ宿る未来の時間〜
過去と未来を同時視しながら旅をする〜、それ即ち人生よって感じで、全お題を攻略した86氏の語りが、過去を懐かしみ、そして今と未来を約束で結ぶ、絶対だよENDを決めたァ!

>>93
雨にもまけず…風にもまけず…お題を全選択、そういうものに私はなりたい…、って言ってる場合かw 無理は禁物だ93氏〜、キューピッド×キューピッド〜
さあ、舞台はカップル未満の二人を含んだ三人で向かう遊園地だ〜、庄司くんが『花見』行くって言ってた姉貴に捕まって、なるほどペアルックを着せられ、って、ス、『スカート』!?
これはいいスコットランド人ですね、とか言ってる場合じゃねえ、百年の恋も冷ましかねない凶悪なる『ハプニング』〜、しかしこれに対し紗佳さん、テンプレ通りの『ツンデレ』を発動〜、おお、セーフだ、そんなに引いてはない
古来より、デレを発動させるには男女を二人にせよというのが自然の理である〜、空気を読んだ主人公が、適当な感じで場を脱出〜
ラスト、スカート姿の庄司くんが女子をエスコートするとかいう『アトラクション』より面白い状況に、二重音声「計画通り!」がこだまして、お題全消化の物語は、ダブルキューピッドENDで落ちたァ!
0097この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/12(木) 07:54:53.14ID:8if/bNPU
>>95
95氏がお題『アトラクション』に絞って投稿、注文の少ない料理店〜!
さあ物語は、食欲で行動する一家を描写していくぞ〜、目の前にそびえるは、見かけたことのない赤い屋根の建物だ〜
「なんだろう、今まで嗅いだことのないようないい香りだ」「何かすごい良い匂いがするよ!」←トラップ感が凄まじいなw
ラスト、子供の黒い瞳、跳ね回って表す喜び、一家の鋭敏な嗅覚、すべて伏線! やっぱりこうきた、残念無念ねばねばオチだァ〜w
ここで補足しておこう、お題『アトラクション』の意味には「引き付けるもの、引き付けること、催し物、呼び物」がある〜
ね、言葉通りでしょうとニヤリする95氏の顔が見える〜、お題宣言がアトラクションの語意を開拓し、物語はなるほどENDに収束だ、合掌!
0098この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/12(木) 10:48:15.61ID:uR4+LcUQ
>>93
計画的誘導
皆に祝福され、約束されたカップル成立w
後は気を使いすぎない様にしませんとね

>>95
デッドハウスですね
その内、その界隈では恐怖の館として語られそうですw

>>94 >>96
感想有難うございます
こうして次世代、次世代と繋がって行くのだと思います

>>90
そしてまた、ひっくり返します
『産まれてきたのは双子だったからだ』
0099この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/12(木) 20:05:12.07ID:uPVSrWcc
>>95
こういうの好き。でもこのご家族はしょうじき……>()))) カサカサ

関係ないけど競馬実況さん相変わらずよくネタ拾えるなぁ……。いつもお世話になっとります
0100この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/12(木) 22:39:25.72ID:N/5u9PLR
なんか>>93の関連作になっちゃった

お題 『花見』『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』

【遊園地にて】

「きゃー!」
「ぎゃぁぁぁああ! 怖い、怖い、怖い!!!」

 おや、久しぶりの遊園地に来てみたらジェットコースターの方から悲鳴が聞こえてきますね。他のアトラクションからは特にこれと言って変な声も聞こえませんか。
 では私の仕事はあちらでしょうか?

 おやおや、ジェットコースターは随分と人気なようですね。これは少し骨が折れるかもしれません。少しだけでも仕事を減らしてみましょうか?
 おや、あそこにペアルックのカップルがいますね。なにやら後をつけている人も二名いる様子。あの方のカバンの中から見え隠れしているのはなんでしょうか? 
 あ、落ちましたね。……スカート? 何故そんなものが男性のカバンの中に……?

「あの、落ちましたよ……?」
「え? あっ!?」
「ちょっと、庄司! なんで、よりにもよってそれを落とすのよ!?」
「悪い、紗佳。……あれ? ちゃんと奥に突っ込んだ筈なのに……?」

 何やら、背後の方で笑いを堪えている女性がいますね。この方の仕業でしょうか? まぁそれはどうでもいいでしょう。私には関係のないことです。

「お二方、今日はジェットコースターは避けた方が宜しいですよ?」
「……え?」
「……どういう事ですか?」
「若いお二人の事を考えての事ですよ。まぁ戯言として切り捨てて貰っても構いませんが。それでは」

 言うことだけは言って立ち去ります。後は当人の問題ですからね。まぁ二人くらいなら、仕事には差し支えはありませんしね。

「変な事、言う人ね! 楽しみが減っちゃうじゃない!」
「……つってもなぁ。ジェットコースター、やめとくか?」
「ビビッてんの、庄司!? ……でもあんたがやめとこうって言うなら、私は……」
「紗佳……」

 あーツンデレですか。そうですか。いちゃつき始めましたね、あのペアルックのカップル。隠れてる二人がなんだかガッツポーズをしているようですね。……まぁ関係ないのでいいでしょう。
 まだ予定時刻には時間がありますね。せっかく桜が綺麗に咲いているので、時間潰しに花見と洒落込みましょうか。


 さて、そろそろ仕事の時間ですね。ジェットコースターへと向かいましょう。

「ぎゃぁぁぁああ!? もうやめてくれ! 俺は誰も殺したくーーあっ……」

 ガキン、ガッシャーン、ガラガラ

 とても言葉では言い表せないほどの激音と共に、ジェットコースターが盛大にコースから外れ大惨事のハプニングが起こりました。死人は数名出ていますが、あのカップルはいないと言うことは、まだ死ぬ運命ではなかったということですね。

「……俺は、俺は何度も訴えたんだ、整備不良だって! 俺は安全である事に誇りを持ってたのに、なんでこんな事に……」
「ジェットコースターさん、気に病まないで下さい。これは運命で決まっている事なのです」
「……あなたは?」
「私は死神です。あなたと、この事故で亡くなった方の魂の迎えに来ましたよ」
「……そうなのか」

 ジェットコースターさんも己の運命を受け入れたのか、すんなりと私の言葉に従ってくれました。さて、これで私の仕事も終わりです。
 生者に助言をするというのも私としては珍しいハプニングですが、未来あふれる若者を見たらつい口が出てしまいましたんね。これからの人生に幸があらんことを。
0101この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/13(金) 07:26:13.88ID:skRam6x5
>>100
>>93の続編で、お題全消化・二杯目に挑戦だ、キューピッド・キューピッド・キューピッド〜
遊園地で悲鳴轟く『アトラクション』、どうなったって感じのあの二人、『スカート』男子の庄司くん&『ツンデレ』女子の紗佳さんの前に、謎の紳士が現れる〜
紗佳さん「ビビッてんの、庄司!? ……でもあんたがやめとこうって言うなら、私は……」←乗り物どうするって言うだけでこのツンデレ、発動頻度やばいw
いちゃつく二人と隠れる二人を目の端で補足した紳士が、時間潰しに『花見』と洒落込み…、って、ええっ、ぶちかまされた血みどろの『ハプニング』! 恋バナが惨劇なったんだが、って思ってたら「ジェットコースターさん、気に病まないで下さい」←コースターと会話ァ!?w
もはや前衛芸術の色濃い物語は死神視点だったのねオチを経由して、幸運のカップルにウインク〜、同じお題で連作・10個消化の快挙を成し遂げた100氏が、第三のキューピッド・死神の冷たい笑みを描いて、ねえ見守る人がまた増えたよENDォ!
0102この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/13(金) 07:41:16.61ID:1MQPu0zs
>>100
まさかのクロスオーバーw
死神にまで祝福されたカップルとは
もう向かうところ敵無しですねw
0103この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/13(金) 08:57:34.56ID:IO1cu5eA
>>101
>>102
感想ありがとうございます。
お題全選択以外でやろうとしたら何故か登場したカップルですw
あれ? ジェットコースターの絶叫と大事故のミスリードの予定が何故こうなった……?
0104この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/14(土) 11:17:15.32ID:KFtVvj+g
使用お題:『花見』『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』

【僕のVRMMO事情】(1/3)


 アミューズメントパークの前に立って、僕は呆けて口をポカンと開けた。

 フロアぶち抜きの黒を基調としたその室内施設は色んな意味で僕の予想の埒外で、結局はゲームセンターの延長だろうしなんて言う僕の想像は、大きく裏切られた形だ。

「おい! 愛宕!!」

 同僚の磯橋の声で我に返る。僕の名前は愛宕 敬冶。アラサーのサラリーマン。僕達が男2人で、こんな室内アミューズメントパークに来たのは、ここにあるアトラクションに用が有ったから。

 体感型VRマシン。
 即ち、実際に体を動かすタイプのヴァーチャルリアリティーマシンをプレイする為だ。

 ******

「え? マジで!? 丁度いいや、手伝えよ! イベント限定アイテムが欲しいんだよ!!」

 僕が自分と同じVRMMORPGをやっていると知った磯橋はそう言った。
 今行われている春コラボ「お花見会場であいまSHOW」のクリアボーナスの限定アイテムが欲しいんだとか。
 このイベント、ふざけた名前の割に結構難易度の高い討伐系クエストの為、戦闘が苦手なボッチプレイヤーの磯橋は、どうにかして手に入れられないかと考えていた所だったらしい。

「いやー。ネットオークションとかでデータを買えないものかって、本気で悩んだよ」
「やめれ、それ、違法だと思うから……」

 そんな訳で、会社から最も近いVRマシンの有るアミューズメントパークにやって来たのだ。
 一旦家に帰ってからログインだと、ちょっと翌日辛いからね。

 ******

 専用台に上がり、モーションキャプチャー用のポインタを装着してヘッドセットを被る。いつもはコントローラーでキャラを動かしているから流石に違和感がある。

 僕は、自分のアバターのキャラクターIDを入力し、いつもプレイしている“ポンタ”ってキャラクターに成る。と言っても、リアルの自分に似せたキャラクターなんで、外見はそんなに変わらない。

「うわ、やっぱり勝手が違うなぁ」

 体を動かして、軽く技のモーションを発動して見てそう思う。
 いつもの家の据え置き機ならコントローラーでのコマンド入力に成る所が、体感型だとモーションコマンド……技に入る為の動きを実際に行う事で発動する訳だから、全く別のゲームと言っても過言じゃない。

「ちょっと練習しておかないとダメだなぁ、これ……」

 そう呟きながら、待ち合わせ場所であるイベント受付の会場まで足を運ぶ。隣でプレイしてるのにゲームの中では遠い場所にいる……なんか不思議な感覚。
0105この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/14(土) 11:20:49.33ID:KFtVvj+g
【僕のVRMMO事情】(2/3)


「……これは、凄いな……」

 お花見会場に入って、僕は思わず感嘆の声を上げた。
 視界いっぱいに広がるのは、世界樹の桜……何を言っているか分からないとは思うけど、都市が丸々一つ入る程のでっかい桜がそこにあったのだ。

 そんな風に桜に見とれていると、見慣れないアバターが僕の方に向かって歩いて来る。
 最初は磯橋かと思ったんだけど、そのアバターを見て、一目で違うと……

「なぜ、叔父さんがここに居るんですか? 平日は会社帰りで遅くなるから遊べないって言ってませんでしたか? 言ってましたよね? ウソだったんですか? 良心の呵責は無いんですか? わたしに悪いと思ったのならデスソースでも飲んでください。60億スコビル位の!」

 うん、チーちゃんだ。チーちゃん……智恵ちゃんは僕の姪っ子で、最初にこのゲームに誘ってくれた、言わばゲームの先輩でもある。
 いつも僕とゲームをする時は、大きな本を持った9歳くらいの女の子のアバターで、支援系のクラスをやっている。
 けど今は、フルプレートメイルに大きなカイトシールドを装備した女性キャラクターの姿。
 何で女性だってわかるかと言えば、口元が開いていて女の子っぽいリップを塗った口許が見えているし、兜の後ろからはストレートの黒髪が出ている。
 そして上半身こそ普通の鎧に見えるけど、腰から下は、アーマーの付いた膝上のスカートにレガースと言う格好だからだ。

「あ、いや、まだ会社近くで、同僚と一緒でね?」
「同僚? 女性……では無いでしょうから、男友達? と言うか、友達居たんですか? 驚きです。あ、でもどちらに? あぁ、イマジナリーな? すみません余計な事を聞きました。忘れますね」

 あ、あれ? 何時もより辛辣な気がする。

「いや、まだ待ち合わせをしてるところで……」
「いえいえ、何もおっしゃらないで下さい。分かってます。分かってますから……」

 おおう、完全に可哀想な人扱いだ。

「いや、あのね? チーちゃん……」
「すまないが、私にも紹介してくれるか? チィ」
「ああ、ヤンバル、ごめんなさい」

 チーちゃんの後ろから別のアバターが話しかけてくる。
0106この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/14(土) 11:25:01.93ID:KFtVvj+g
【僕のVRMMO事情】(3/3)


「……どなた?」
「パーティーメンバーです。わたしの」
「お、おう」

 そう言って近づいて来たのは全員女性キャラのパーティー。チーちゃん含めて総勢6人か。

「え〜と、初めまして、ポンタって言います。チーちゃんの叔父……っぶ!!」

 シールドバッシュされた!? 戦闘禁止エリアだよね!? ここ!

「叔父さん、ネットリテラシーって知ってますよね? 勝手に人のプライバシーをぺらぺらと話さないで貰えませんか? それと、うちのパーティーメンバーにあまり近付かないで貰えますか? ハラスメント警告で運営さんを呼びますよ?」
「えぇ〜……」

 チーちゃんだって僕の事“叔父さん”って呼んでるのに!?
 いつも以上に理不尽なチーちゃんに僕が困惑していると、ヤンバルって呼ばれていた子が、いかにも抑えきれなかったと言う様な感じで「っぷ」っと噴き出す。と、そのままお腹を抱えて大笑いをし出した。
 何事かと思い、キョロキョロと周りを見てみるけど、彼女以外のパーティーメンバーも大なり小なり同じ様な感じ。
 例外が居るとすれば、僕と同じ様に困惑しているチーちゃん位?

「ど、どうしたのですか? みんな」
「ああ、ごめんごめん、普段感情を出さない君が、その人の前だと、こんなに可愛くなるとは思わなかったからね」
「な!!」

 可愛い? 子供らしいと言えばそうかも知れないけど、普段のチーちゃんは、そんなにクールなのかな?
 その事でへそを曲げたチーちゃんを宥めつつ、ヤンバルさん達は去って行った。
 彼女達もイベントに参加するらしく、「お互い頑張りましょう」と言われた……去り際のチーちゃんの放つオーラがちょっと怖かったけど……

 後で絶対言及されるな、あれ……

「……そう言えば磯橋遅いなぁ」

 そんな風に思って周囲を見回すと、何かこっちを柱陰から見ているアバターが居る。

「…………磯橋?」
「くっそう!! リア充め!! もげろ! 朽ち果ててしまえ!! 裏切者がぁ!!」
「ちょ、おまっ、何処に!!」

 磯橋、走って行っちゃったよ……何で!?
0107この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/15(日) 08:40:37.29ID:LUeBXt42
>>104
104氏がキケンな関係の叔父と姪をお供に、お題全選択〜、フルプレートハート!
紹介しよう、体感型『アトラクション』VRにやってきたのは、短編スレ初期からレギュラー、そのニブさ、もはや無神経こと愛宕さんだ〜
さあ愛宕さんがゲーム内『花見』イベントにて遭遇したのは、フルプレート鎧と『スカート』装着の『ツンデレ』姪こと、いつもよりゴツいチーちゃん〜、乙女のアバター使い分けが露見ッ、しかし愛宕さんは当然何も察しない〜
思わぬラブ『ハプニング』に昂ぶったかチーちゃんが繰り出す、痛恨の口撃、さらには盾の物理アタック、しかし愛宕さんは彼女の行動メカニズムを一向に解しない〜だから殴られるのにw
ラスト、嫉妬した同僚が泣き叫ぶが愛宕さんには何のことやら通じることなく、難攻不落だぜw 104氏が魅せた強ツン微デレの物語はお題を全消化し、デレ要素? 次回をお楽しみにって感じでEND〜!
0108この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/15(日) 12:42:59.50ID:sLBp+Bz4
感想有難うございます
チーちゃんがデレられるかは、もはや誰にも分かりませんw
0109この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/15(日) 21:48:00.05ID:Xu2xHCHy
アカン、最後に思いついたけど形にならなかった・・・
次のお題をまとう、全裸で
0110二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/15(日) 22:01:10.47ID:GRy3ec3X
お題『花見』『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』締切

参加作品一覧(1/2)
>>64【一幕】
>>73【ある猫の話】
>>77【Revolution ZOO】
>>86【桜舞う下で君と】
0113この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/15(日) 22:03:18.44ID:MxxKH5xq
伝説
0117この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/15(日) 22:25:39.42ID:xKVZ8HbW
柳眉
0118二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/15(日) 22:32:45.67ID:GRy3ec3X
☆お題→『伝説』『五七五』『呂律の回らない酔っ払いが登場する』『出不精』『柳眉』より一つ以上を選択

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割オーケー

☆締め切り→4/22の22時まで

☆平行して投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。締切4/15の22時
※新ルール
【見逃し防止のため、このレスに安価してください。】
0119この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/15(日) 22:36:42.61ID:CCvyracb
>>104
4話目だっけ?
いい感じに増えていってて楽しみ
忘れた頃にまた安価するから何のお題なら書くか指定してくださ!
0122この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/16(月) 00:06:07.02ID:tA6ELjLP
>>118
【遊園地にて】に一票。
作者の予定すら狂わしてくれたバカップルに一票と言うことでw

それにしても今回のお題、全選択はきつそうだけど頑張って考えてみよ。
0123この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/16(月) 03:09:58.28ID:cnXqLLI2
今回お題がバラけたからなぁ……
いつもは2000文字以下目指してたけど今回は長めのやつに挑戦かな
0124二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/18(水) 22:01:29.75ID:g1N5d6f1
お題『花見』『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』締切


>>93【計画されたハプニング】一票
>>118【遊園地にて】一票
0126この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/18(水) 23:31:32.85ID:TA3sGgfH
進行さんお疲れ様
投票件数少ないなぁ……

今回のお題、全然思いつかないや。
そして新連載を始めたら、短編書く余裕がなくなってしまったよ……
0127この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/19(木) 09:43:13.50ID:c2LjWT1G
今回ムズすぎて辛い
お題全盛りするとオチが見つからず、お題少数にするとインパクトがない・・・
0128この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/20(金) 00:10:28.75ID:btiDP/Fd
なんとか書けたー!

使用お題 『伝説』『五七五』『呂律の回らない酔っ払いが登場する』『出不精』『柳眉』

【過ぎ去ったブーム】

 伝説の五七五使いと呼ばれた大物も今は昔のものである。

 五七五と言えば俳句や川柳が思いつくだろう。かつて一世風靡したその流行も今や見る影もない。

「今はもう かつての伝説 出不精に」
「なんでぇ!? おめぇ、おえにけんかうっえんのかよ!?」

 かつて俺の父親は数年前に大流行した川柳ブームでは伝説とまで言われていたが、今やその見る影もない。ただのアル中の酔っ払いである。
 ついイラッとして五七五風に嫌味を言ってみたが、酔っ払いにそんな事を言うだけ無駄だろう。

「親父、いい加減にあの頃の事は忘れろ。ブームなんて過ぎてしまえばこんなもんだ」
「うっえぇ! おえは、まだあれるんだおぉ!」
「お父さん、いい加減にしてよ! せっかく私がプロポーズされたのにお父さんがそんなんじゃ、挨拶も出来ないじゃない!」

 俺の妹が柳眉を逆立てながら、親父に食ってかかる。妹の気持ちはよく分かる。折角の晴れ舞台のチャンスなのに父親がこのざまではうまく行くものもうまく行かなくなってしまう。

 大ブームの時に親父は大金を得た事がそもそもの間違いだったのかもしれない。川柳のプロとしてサラリーマンをやめてしまった親父は、相当な財を得た。それも今や出不精になる原因でしかない。
 一生何もせずに生活できるほどの大金は得ているのだ。それは親父の努力の成果ではあるから否定する気もない。ただ、ブームは過ぎてかつての伝説とまで呼ばれた栄光に未だにしがみつくのをやめて欲しいだけなのだ。

 いや、親父も本心では気付いているのだろう。だけどそれを認めたくなくて、酒に逃げてしまっている。下手すればこのまま家庭崩壊してしまうかもしれない。

「あのーすみません!」
「あ、はーい。って裕二さん? なんで家に!?」
「急に来てごめんね、美咲さん。親父さんの話を聞いちゃってね」
「!? そんな……」

 訪ねて来たのは妹の美咲にプロポーズした裕二という男だ。俺も何度か会ったことがあるが好印象で良い人だとは思う。

「親父さんと話しさせてくれないかな?」
「……それは」
「大丈夫、俺を信じて!」
「……うん、分かった」

 何か策があるようである。俺ら家族にはもう手に負えない。彼に任せてみるのもありかもしれないな。

「初めまして、娘さんとお付き合いさせていただいています、斉藤裕二と申します。私は実は新聞の編集部に勤めておりまして、伝説の五七五使いと呼ばれたお父様に一つご相談がありまして……」
「……なに? おひ! ひょっとみす持ってこひ!」
「へいへい」

 とりあえず目の色が変わった親父の酔い覚ましの水を用意しに行くことにする。さてどうなる事やら。



 後日、とある新聞にて新コーナーが始まった。
 その内容は読者投稿型の川柳を扱ったものである。そしてその審査員には伝説の五七五使いが行う事となった。それが決まってからは親父はすっぱりと酒を止め、妹も無事に結婚する事が出来たのだった。
0129この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/20(金) 07:33:37.56ID:bap/67r+
盛者必衰。諸行無常
在りし日の栄光は忘れ難く、でもそれに、しがみつくだけでは、亡霊と同じ
男前な彼氏さんのお陰で、立ち直って良かったですねw
0130この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/20(金) 08:30:37.43ID:Uo8Co9DZ
>>128
アルコール依存症連合会には祈りの言葉がある…主よ、変えられることを変える強さを、変えられないことを受け入れる穏やかさを、それを見分ける知恵を与えたまえ〜、128氏がハチャメチャお題を全選択〜! 五七五・アル中奇譚〜
さあ物語は『伝説』の『五七五』使い・『呂律の回らない酔っ払い』こと『出不精』の親父を描くぞ〜
黄金時代もいまや過去〜、川柳ブームに翻弄された親父が晒すブザマな姿〜、家族にふざけた五七五で馬鹿にされて辛すぎるw
『柳眉』を逆立てる怒りの娘、彼女が連れてきたキーパーソン・彼氏の申し出は、いざ結婚…、ではなく、スカウトォ!?
禍福はあざなえる縄の如し! 川柳に育てられた娘が川柳で恩返し〜、128氏の描き出した川柳一家が、アクの強いお題群を全消化して、日本語すらままならなかった親父の、回らない呂律がリズムを刻み始める、リハビリテーションEND!!
0131この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/20(金) 22:37:08.74ID:btiDP/Fd
感想ありがとうございます。
今回のお題は難しかった。

一番得をしているのは彼氏だったりもするんですよね。
まぁ誰も不幸になってないので良いでしょう!
0132この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/21(土) 14:37:23.94ID:QOHyY7s1
使用お題:『伝説』『五七五』『呂律の回らない酔っ払いが登場する』『出不精』『柳眉』

【アルレリナ戦記】(1/3)


 ここ、アルセリナ大陸では、魔族の侵攻が本格化してから数年が経ち、各地では小競り合いの様な戦争が今も続いていた。
 一進一退の長き戦争で、各国の国力は次第に低下しつつあり、人類側も戦争を終結させる為、様々な方策を練ってはいるが、それのどれも決定打にはなっていなかった。

 ******

 メイズ・コルセイアは、行きつけのバーのカウンターでギムレットをチビチビと口にしながら、ブチブチとくだを巻いている同僚に対し溜息を吐いた。

「気持ちは分かるけど、もう、飲むのは控えなさいよ……」
「あ〜? らいひょ〜!! わきゃうあら、ほまへあはいお〜!!」

 そう言ってレモンハートをお代わりする、呂律も回っていない酔っ払いこそ、アルセリナ士官学校の導教員であるラナイヤ・シズンだった。

(……また説得に失敗したのね)

 普段は柳眉の整った美貌を誇り、男子士官候補生の憧れの的であるラナイヤの、ちょっと生徒には見せられない醜態具合に、メイズは彼女から目線を外すとギムレットを飲み干した。
 この日、ラナイヤはある人物を訊ねた帰りだった。メイズとも旧知であり、先の戦場での負傷により軍から離れた男である。
 この様子を見れば、話し合いは上手くいかなかったのだろう事は想像に難くない。

「う〜……あんれ、わきゃっへくえあいおよぉ……」
「うんうん、セウス君は分かって無いよね」

 バタンッとバーテーブルに突っ伏し、そのまま寝息を立てるラナイヤを見ながら、メイズの脳裏に一人の男の姿が思い浮かぶ。
 セウス・アルティアナ……彼は優秀な男だった。
 勇猛果敢と言うタイプでは無かったが、冷静で知略に優れていた。
 ラナイヤやメイズ、そしてセウスの居た中隊は、指揮官のミスにより魔族の挟撃を受けた。撤退する敵に乗せられ、突っ込み過ぎたのが原因である。
 その時もセウスは、いち早く違和感に気付き進言をしたのだが、しかしそれは指揮官に受け入れられる事は無かった。
 孤立する味方。支離滅裂な命令を発し、挙句負傷して意識を失う指揮官。ラナイヤとメイズでさえ、全滅が頭を過った。

「安心しろ、この作戦を十全に全うできれば、僕達は勝てる」

 誰もが絶望に染まった中、唯一人勝利を見据えていたのがセウスだった。
0133この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/21(土) 14:41:07.34ID:QOHyY7s1
【アルレリナ戦記】(2/3)


 結果から言えば、彼の作戦は成功した。生き延びるどころか包囲した魔族の4割近くを打倒せしめての大金星だった。彼の言葉は本物だったのである。
 だがその時、殿を引き受けた彼は重傷を負い、その後遺症の為、戦線に復帰する事は叶わなかった。
 そして皮肉な事に、この戦果によってラナイヤ達は昇進し、後進の育成に回される事に成ったのである。

「気持ちは分かるんだけどねぇ」

 その贖罪だけではないラナイヤの気持ちに気付いているメイズは、複雑な思いで同僚の寝姿を見守った。

 ******

「僕は教諭に成る気は無いよ? やる事が有るんだ」

 そう言いながらも杖をついたセウスはメイズを迎え入れた。
 メイズは苦笑する。退役をしたセウスは下町にあるアパートに半ば引き籠って居た。本人の言葉通りであれば、読書三昧の優雅な余生と言うヤツである。
 だが、ラナイヤにはそれが我慢できなかったのだ。セウスの才能は、こんな所で無為に消費されるべき物では無いと思っていたからである。
 その為、彼女は何度も彼の元を訪れては士官学校の教職員へと誘っていたのだ。

「ラナイヤじゃあるまいし、それは無いわね。わたしは出不精なセウス君に差し入れよ」
「うん? あー食料の差し入れはありがたいね」

 頭を掻きながらセウスはそれを受け取った。彼の部屋の中は何冊もの伝承や物語の本が積み重なっている。だが、メイズはあちこちに散乱しているメモらしき走り書きを見逃さなかった。
 セウスは、テーブルの本をどかすと、メイズをそこに招く。
 メイズは「ちょっと台所を借りるわよ」と言って、持参した紅茶を淹れた。

「わたしはセウス君が何をしていたとしても構わないとは思うけどね、でもラナイヤは……」
「……気にする事は無いと思うんだけどなぁ、僕の怪我は自己責任の内だ」
「助けられた方はそうは思わないものなのよ」

 セウスの怪我はラナイヤをかばった為の物だった。彼女の中では、優秀なセウスの未来を奪ってしまったと言う自責の念が渦巻いているのだろう。

「……ところで、セウス君は何を研究しているの?」

 しばらく世間話に花を咲かせた後、メイズはそう切り出した。

「……驚いたな、分かるのかい?」
「余人の暇つぶしにしては専門的過ぎる本が幾つも混じっている、それに、このメモもね……これは……魔法学かな?」

 トントンと走り書きを突くメイズに、降参という意思表示でセウスは手を上げると、溜息交じりに話を始めた。

「魔法の威力は言葉の組み合わせによる……それが今の常識だ」
「そうね、研究者は、その中で効率の良い組み合わせを発見しようと躍起になってる」
「でも、その前提が間違っているとしたら?」
0134この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/21(土) 14:45:17.17ID:QOHyY7s1
【アルレリナ戦記】(3/3)


「それは有り得ないわ、事実、それによって威力が違うんだし……」
「でもね、伝承や伝説を紐解いてみると、明らかにその当時の方が威力の高い呪文が見受けられるんだ」
「そう言うのは、言い方は悪いけど、所詮お話の事でしょ?」

 眉根を寄せるメイズに、セウスは不敵な笑みを浮かべた。

「え? まさか……」
「そう、そのまさかだよ。僕は様々な文献を調べて、呪文の基本テンプレートと言うべきモノが存在している事を突き止めた」
「え?」
「一つの語彙に込められる魔力の量は決まっている。だからこそ、効率よく魔力を込められる組み合わせを探す訳なんだけど、もし、その単語数そのものを増やせるとしたら?」
「……単純に一つの魔法に込める事の出来る魔力量が増える……」

 今使われている呪文は、3単語+呪文名という形で構成されている。この時、単語数が増えたとしてもまともに魔法が発動しないのが現在の常識であり、だからこそ、その単語の組み合わせを効率化するのが今の魔法学だった。

「呪文は、呪文名なんて関係なく、五文字、七文字、五文字と言うテンプレートで有れば発動するんだ」

 そう言われ、メイズも呪文の文字数を確認する。今まで、単語の数とそこに込められる魔力量とが問題だと思っていたのにも拘らず、実は文字数の方が重要だったと言う。
 だとすれば、これまではとんだ思い違いをしていたと言う事に成るだろう。
 アパートの中庭に2人は出る。そこには魔法用の的が立って居た。

「火炎爆ぜ、灼熱巻て、燃え荒べ!!」
「!! 6単語呪文!!」

 メイズが驚くと同時に今まで見た事の無い程の威力の魔法が発動する。
 当たり前だろう。単純に込められる魔力量が倍に成るのだ。

「凄い! でも、なんで? この事、何でラナイヤには……」
「……まだ研究は完全じゃない……それに、何か恥ずかしいじゃないか……」

 自分が魔法について研究している事が知られれば、未だに軍に未練がある様に見られるだろう。そうなれば原因を作ったラナイヤは今以上に気に病む事に成る。
 だからこそ、セウスは「未練なんてありませんよ」と言うポーズを取らなければならなかったのだ。

 ……ラナイヤの為に……

 まるで拗ねた子供の様なセウスの言葉に、メイズは「プッ」と噴き出したのだった。
0135この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/21(土) 15:34:27.89ID:QOHyY7s1
おおお……
タイトルを書き間違うとはorz

×【アルレリナ戦記】
○【アルセリナ戦記】
0136この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 06:54:57.00ID:pGAiTGwW
>>132
132氏も呂律が微妙なってるじゃねえかw さあ今回バラバラのお題群は連結力が求められる、全選択の戦果はどうか? テンプレート・アップデート・アルセリナ!
舞台は戦乱の大陸、さっそく『呂律の回らない酔っ払い』となったラナイヤさんが、ある戦士へのご不満で『柳眉』の美貌を取り乱すぞ〜、えっ、いやごめん、何言ってるのか全然わからんw
場面は負傷によって戦いを降りたかに見えた『出不精』セウスさん宅に移り、『伝説』を紐解いた彼が『五七五』による川柳詠唱を開発だ〜、川柳詠唱、季語は不要かw 超必は和歌詠唱だろうな
ラスト、132氏が見事、音楽性バラバラのお題群をドッキングさせて微笑ましオチに落とす〜おお! オチ完成までよく成し遂げたァ
物語は「うれしはずかし相思相愛」と「魔術革新」という二戦局のアップデートを予告し、高難度お題全消化、更新・更新・更新ENDォ!
0137この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 11:35:54.69ID:haCh8D//
感想有難うございます
この話を書いていて
百人一首大会の様に、詠唱の確定点で魔法を読みきって、カウンターを叩き込むとか
それを読んで詠唱をあえて変えて裏をかくとか言う駆け引きが出来そうだなぁ
等と妄想してましたw
0139この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 20:03:48.89ID:Wlc9DW0e
過疎化が酷いねぇ
もうちょい初心者にも参加しやすくする企画でも立てる?
無理か
0140この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 20:07:04.46ID:t9FvlF0Z
まあ前回は8作ありますし。一人が何作投稿してるかはわからんけど
今回はお題が難しいから・・・
0141この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 20:21:59.76ID:mbLd5lKj
前回3で今回0ですん
まあ過疎っていうより、元からそれほど人がいなかったんだと思うで。誰かに読まれることより大喜利で遊びたい人向けのスレだし・・・
0142この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 20:35:52.85ID:haCh8D//
今回は一作で力尽きました
お題がと言うよりも、残業や仕事で時間が作れなかった事が大きいのですが……
0143この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 20:56:06.02ID:mbLd5lKj
いくつか思いついたんだけど、どれもオチが微妙すぎた・・・
今回お題書けた人凄いわ、マジで
0144二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/22(日) 21:42:01.22ID:gCdYMAzt
企画とか、もしいい案があれば積極的にやるつもりだよー!
アイデアがあれば教えてください!
俺も出したいけど、難しいお題が多い……というかお題全部取り込みたい欲が逆に投稿を阻むよねw
0146この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 21:58:35.18ID:U4Na/iTe
そうだ1日ごとにお題を1個ずつ増やすのはどうだ
7日目には7お題で阿鼻叫喚
0147二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/22(日) 22:01:47.78ID:gCdYMAzt
お題『伝説』『五七五』『呂律の回らない酔っ払いが登場する』『出不精』『柳眉』締切

参加作品一覧
>>128【過ぎ去ったブーム】
>>132【アルセリナ戦記】
0148二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/22(日) 22:04:15.89ID:gCdYMAzt
さて……どうしようか?
三お題でもよし、七お題に増やしてもよし
投票行っとくか
投票結果を元にして、今回のお題安価で実験的に導入する単発企画ということで
@現状維持
A三お題
B一日ごとに+1お題

みなさんの意見を教えてください、23時まで
0149この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:06:43.67ID:Dljq3pGg
物は試しでBをやってみましょうか
0150この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:06:56.76ID:RcoNxzOA
一日ごとに+1お題
ってそれぞれの個数で投稿できるのは1日しか猶予無いって解釈でいいの?
お題3個で投稿できるのは3日目だけみたいな
0152二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/22(日) 22:09:51.55ID:gCdYMAzt
>>150
やるとしたら、先に七つお題安価して、「三個のお題の日は三個全部使う」にすると思う
先に全部公開しておけば、何日後に投稿予定って形で書くこともできるはず
参加者増えるかといわれれば疑問だけどw催しとしてはありかもしれないと思ってる
0153この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:14:19.29ID:Dljq3pGg
別にお題は全部使わなくていいはずだったのに…
いつの間にか全部使わなきゃいけないみたいな風潮あるよな…
0154この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:14:37.00ID:mbLd5lKj
>>152 さんの案面白そうだけど、やっぱり進行さんの負担大きくないかな・・・? 複雑にすればその分やること増えるし・・・
個人的には>>148 @現状維持でいいと思います。前回はなんかキツかっただけだし
0155この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:15:47.36ID:RcoNxzOA
最初に全部わかってたらいけるか
けどまあ参加者はむしろ減りそうよねw
0156この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:17:39.49ID:mbLd5lKj
お題全消化ってわかりやすいポイントゲットだし、やりたがる人は増えちゃうよね。で、結果投稿が減っちゃう・・・
いっそお題を3つ強制ってことにして、その代わり「安価4つ目は絶対使っちゃダメ」みたいな感じにするとかダメかな? 複雑か?
0157この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:22:04.80ID:cgNcm0Yf
お題が多いと想像力をあまり使わなくてパズルゲームみたいになるから楽ってのもある
0158この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:24:23.21ID:Dljq3pGg
お題をたくさん安価してその中から強制で3つか
0161二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/22(日) 22:39:11.38ID:gCdYMAzt
書けるお題のときって、お題見た瞬間に半分くらい完成するよね
参加者してたときはそうだった
0162この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 22:41:22.85ID:RzkVkth7
思いつく時は一瞬で思いついて書く事自体は対して手間取らないんだよね
今回のは中々思いつかなかったけど
0163二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/22(日) 23:00:58.75ID:gCdYMAzt
時間になったけどあんまりまとまってない……

統合して「七お題から三つ強制」という形もアリかとは思いますが、いかが?
0164この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 23:06:14.70ID:Dljq3pGg
いいよ
0165この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 23:07:27.11ID:mbLd5lKj
7お題にすると、7つ全部消化しようとする輩が出るんじゃないか?
それでいいならまあいいけど・・・
0166二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/22(日) 23:11:15.54ID:gCdYMAzt
「三つ強制」は四つ以上も不可、ということで

……とりあえずこのまま安価取りますね、もし反対者が多くても一週限定ということで勘弁願います。
>>167-173
0167この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 23:12:25.18ID:mbLd5lKj
まあ物は試しってやつだね
じゃああやかってお題も『7』ってことで
0168この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/22(日) 23:14:33.47ID:Dljq3pGg
実験
0172この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/23(月) 00:47:45.91ID:qEuoQ6xl
爆発
0173この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/23(月) 00:51:32.10ID:sqhCedvt
マジレス
0175二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/23(月) 01:57:58.88ID:tMTHyqvL
☆お題→『7』『実験』『スマホ』『池袋』『美人上司』『爆発』『マジレス』より三つを選択
※二つ以下、四つ以上は不可

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→4/29の22時まで

☆平行して投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。締切4/25の22時
【見逃し防止のため、このレスに安価してください。】
0178二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/23(月) 11:28:17.99ID:aTwkDFqA
久々にぱって思いついたお話
前のお話を覚えてる人、いるかなぁ

【爆発! 可哀想な者倶楽部】(1/2)
「トコロテン後輩、トコロテン後輩」
 春から夏へと徐々に気候が移り変わりつつある、何気ない一日。徐々に女子の制服から下着が透け始めるのを心待ちにするある日、チカン先輩──智寛(ともひろ)という名前であるが──は僕にこう切り出した。
 僕こと中川心太(しんた)、もといトコロテン後輩は、窓際からぼんやりとグラウンドを眺めていた視線を、そっと先輩に戻す。
「何ですか」
「僕はね、体育祭が憎いんだ。なにが悲しくて身体なんかを動かさないといけないのか、僕にはとても理解できない」
「はぁ、まあ、暑いですよね」
 秋に体育祭をする高校よりは恵まれているような気もするが、チカン先輩に言っても栓のないことである。
「だが、僕程度の人間が──それこそ生徒会長ほどの人間であれば話は別なんだろうけど、たかだか会計委員が中止にしようって言ったってそうはいかない」
「生徒会長でも無理だと思いますけど」
 僕の突っ込みは尽く無視され、ほぼ一方的にチカン先輩のターンが続く。
「でさぁ、僕は見つけてしまったんだよ。体育祭という呪いのような行事を中止する、画期的な方法を!」
「……どうせくだらない話なんでしょうけど、一応聞いてあげますよ」
 冷ややかな目を送る僕に、チカン先輩は気付きもしない。
「ほら、見て! この記事だよ」
 チカン先輩に差し出されたスマートフォンの画面を見ると、そこには「スマホ爆発! 原因はリチウムバッテリーか」という記事が表示されている。
「……何企んでるんすか」
 だんだん敬語が雑になる僕の対応を気にするでもなく、チカン先輩は続ける。
「このニュースのスマホ、僕のと同機種なんだよ! 小規模でも校内で爆発が起これば体育祭なんて中止になる……!」
「アホっすか」
 ここ「可哀想な者倶楽部」……通称カワクラが学内から馬鹿揃いという烙印を押される原因の一つは、間違いなく先輩にある。
 もう一つの原因、河合海月(みづき)ことクラゲ後輩のことをふと思い出したとき、足元に猫がすり寄って来た。
「にゃあ」
「あ、蒼(そう)ちゃんにご飯の時間。今日クラゲ後輩は来てないんですかねぇ」
 校内放送で、クラゲ後輩が猫をこっそりかくまっていたことをばらしてしまった事件──ここでは突っ込まないが──以来、カワクラの部室(という名の会計役員の部屋である)で飼うことは黙認されている。が、責任を持って飼うと宣言したクラゲ後輩の姿がない。
0179二代目進行 ◆rZF28D1ulBTo
垢版 |
2018/04/23(月) 11:28:41.15ID:aTwkDFqA
【爆発! 可哀想な者倶楽部】(2/2)
 僕が「にゃおちゅるる」と書かれたチューブ状の餌を与え始めると、チカン先輩はこの猫・河合蒼(かわいそう)に与える水を用意するために立つ──ミネラルウォーターである。僕が普段水筒に入れるのは、水道水で作った麦茶なのに!
「ああ、クラゲ後輩はクラス対抗リレーのアンカーなんだよ。練習してから来るってさ」
「運動嫌いのチカン先輩とは、えらい違いですよね」
「そういう君はどうなのさ? そもそも、生徒会を希望して自ら入った活発なクラゲ後輩と、じゃん負けで押しつけられて仕方なく入った僕には、クラスのヒエラルキーに大きな隔たりがだね」
「はいはい、わかりましたってば。で、体育祭を中止するプランの続きはまだですか」
「……ふふん。記事によれば、このスマホのバッテリーは過充電を行った際に爆発が起こるとある」
「ふんふん……で、どうするんですか」
「だが、所詮はスマホ程度……独りでに教室で爆発しても、大した騒ぎにはならないのだ……」
 だんだん悪役めいた顔をするチカン先輩は、イケメンなのにオタク臭がすごくてもったいないなと思う。
「だから僕は考えた! 騒ぎになる場所で爆発を起こせばいいのだと! それは……校長室!」
「校長室で先輩のスマホを充電するんすか」
「そう! 体育祭当日にスマホ爆弾で校長のカツラごと吹き飛ばす爆発を起こせば、校長はきっと開会式に姿を現さず、開会式は中止! よって体育祭も中止!」
 鼻の穴を膨らませながら言うチカン先輩に、僕はおやつに買ってきた黒蜜掛けのところてんを開封する。
「先輩、そのプランには大きな欠陥があります」
「何だい」
「まず、どうやって校長室でスマホを充電するんですか」
「そこはトコロテン後輩、甘いよ。僕たちの役員は何だ? 生徒会会計だ。前年度の各部活動の収支を取りまとめた書類を校長に提出する締切は、確か体育祭の後だったね。体育祭当日の朝に書類を渡しに行き、隙を見てスマホをコンセントにブスっと」
「校長室のコンセントプラグの位置、把握してるんですか?」
「……もしわからなくても、校長室中央のデスクトップPCにUSBで電源を取れば良いだろう」
「パソコンに『新しいデバイスの選択』とか通知出ますよ」
「データ通信のできない、充電専用のコードを用いれば回避可能だよ」
 懲りない。今日のチカン先輩は、本当に懲りない。それだけ、運動嫌いも筋金入りなのだろうが。
「先輩、マジレス良いですか」
「どうぞ」
「爆発した後、先輩はそのスマホを失いますよね」
「尊い犠牲だね」
「……アニメイコの握手会抽選、確かそのスマホと結びついてますよね」
「あっ!?」
「だから、体育祭を中止にできたとして──」
 がらがらと言う引き戸の音とともに、クラゲ後輩がやってくる。
「先輩方、なに馬鹿なこと話してるんですか」
「いやあ、困ったものだよクラゲ後輩。トコロテン後輩ったらさぁ、スマホを爆発させるだなんて言い始めて」
 その後、チカン先輩の巧妙な罠により、体育祭を心待ちにするクラゲ後輩の手によって僕だけが正座の上で会計の仕事に取り掛かる羽目になったのは、未だに納得がいっていない。
0182この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/23(月) 12:15:35.10ID:fDcsFrBh
お題が多すぎて悩むわ、これ
なんか頑張って考えよう・・・
0183この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/23(月) 12:52:05.91ID:fDcsFrBh
>>175
自由度が高くて逆に難しい。きっと自分は縛られるのが好きなんだろう(ドM並感

使用したお題:『7』『実験』『爆発』

【宇宙の地図】

北斗七星の一等星、北極星は常に北の夜空に浮いている。

 北極星へ向かえば、地球の北極のその先に何があるかわかるのではないか。そして宇宙にも地図が作れるのではないか。
 きっかけはそんな突拍子もない発想で、ある地球人が壮大な実験を始めた。宇宙船を作ってひたすらに宇宙の北へ向かおうと。
 地球を南とし、北極星を北として地図を描きながら、彼は宇宙へと旅立ったのだ。

 宇宙船は何もないはずの宇宙で何かにぶつかって大爆発を起こし、船長は死んでしまった。




 宇宙船は何もないはずの宇宙で何かにぶつかって大爆発を起こし、船長は死んでしまった。

 チッキューを北とし、南極星を南として地図を描きながら、彼は宇宙へと旅立ったのだ。
 きっかけはある突拍子もない発想で、チッキュー人が壮大な実験を始めた。宇宙船を作ってひたすらに宇宙の南へ向かおうと。
 南極星へ向かえば、チッキューの南極のその先に何があるのかわかるのではないか。そして宇宙にも地図が作れるのではないか。

 南斗七星の一等星、南極星は常に南の夜空に浮いている。
0184この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/23(月) 12:56:23.03ID:0ddTLIMB
>>178
妹さんはどうなったのでしょうか?
体育祭中止以前に傷害ですよねw
塀の向こうでは強制的に運動もさせられるので、今より辛い状況になりそうな?
0186この名無しがすごい!
垢版 |
2018/04/24(火) 00:58:23.49ID:yY3Kfd4J
第一日曜 5お題
第二日曜 ジャンル+お題
第三日曜 ○○○○
第四日曜 7お題から3つ強制
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況