安価・お題で短編小説を書こう!4
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安価お題で短編を書くスレです。
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■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/
安価・お題で短編小説を書こう!2
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1511408862/
安価・お題で短編小説を書こう!3
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1522770910/ >>423
秋の難問お題5、423氏が散らばる題の収斂こころみ、果敢、全選択を宣言だ! ゲートは月下に開かれる!
さあ、ひふみよと、死者蘇生の言霊ひびく物語のなかで、満月が『秋』の草原に映え、男とスケルトンが酒宴に座している〜
弟は『伊丹市昆虫館の蜂』の模型が好きだったと語るしみじみ型スケルトンw その正体は、異世界冒険者のアンデッド〜、小さなドクロと化した弟とともに、彷徨える魂となっている〜
帰りたい、そう悲痛に漏らしたスケルトンの言葉を聞いて、『では、そろそろ始めましょうか』と語る男が、塔形をなす『月見』団子に呪力を宿し、盃にゲートを招来していく〜、
非業の死をとげた『スケルトン兄弟』を、月のゲートが送り出す〜、バックに流れる祓詞は、魂清めるクリアランスソングとなって、うん読後感きよらか! 解決職人423氏、怨念となった難題五つを昇天させて、明鏡止水のきわみEND! さて、今回のお題どうしよう。・・・どうしよ(・ω・;) >>434 意外とさくっと思いついた。
使用したお題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
【あなたの望みはなんですか?】
あなたの望みは何ですか?
「え? うーん、あ、おもちゃがほしい、です! あたらしくてカッコイイやつ!」
〜〜〜
あなたの望みは何ですか?
「えっと、今度のテストで100点取りたいです。最近おもちゃ買ってくれないけど、100点取ったら何でも買ってくれるって……」
〜〜〜
あなたの望みはなんですか?
「あー、いつもの人かー。えっとさー、オレバカだから今スポーツマジ頑張っててさー。ほら、あれだ。オレの右手の封印を解いて、ホームラン打ち放題になるようにしてくんね?
水平線にまでかっ飛ばせるくらい。頼むよー」
〜〜〜
あなたの望みはなんですか?
「あ、おひさしー。体力ないから代打打者扱いだけどさ、オレのおかげで甲子園優勝して、今ちょーモテモテなんだよね。で、さ。ちょっと面倒な奴がいてさ。
いや、一回生でヤっただけなのに彼女面してるメンヘラがいてさ……あいつを、ちょっと、な? 上手い事やっといてくれよ。頼むぜ?」
〜〜〜
あなたの望みはなんですか?
「あ、金! かねかねかねかね寄越せ金だ金金金!! もう女はコリゴリだし、頭もわりーし体動かすのもダメだからバイトも無理!
クソ親にも見捨てられたし、海苔とコンビーフしか食うものがねぇ……でも金は嘘つかねー! 金さえあれば人類みな幸せだ! ほら、いつもみたいにオレに大量の金をくれ! 早く!!」
〜〜〜
あなたの望みはなんですか?
「……ようやっと気づいたよ、お前が悪魔だってことに……。お前、オレの願いを叶えるたびに、オレから何かを奪っていきやがったな?
冷静に過去を思い返すと、何か願うたびにどんどん失っていってる……。今のオレは……なんにもねぇよ。お前のせいだ。お前が悪い。そうだ、全部、全部お前が悪いんだ! 死ね! 死んでオレに謝れ!!
早く消え……いや、やめろ! 願いを叶えるな!! お前がもし消えたら、次はオレが消され なんか似たようなものを前にも見た気がする
ただの気のせいかもしれないけど マジか、引き出しの少なさを露呈した気分。
私のボキャブラリーはリカちゃんハウスの本棚レベルだ >>435
感想有難うございます
最初はギャグにしようと捏ねくり回して居たのですが、出来上がると真逆な物にw
>>437
人の欲望は底知れず……と、言った所でしょうか?
疑問も持たず、安易に欲望を叶えた代償は自滅と言う、有る意味、因果応報ですね >>437
さっそくお題制覇に乗り出した437氏が提出だ、>>408外伝か? 地獄の釜のフタの封をとくのは貴方!
さあ、『あなたの望みは何ですか?』とこだまする天の声に、無邪気な子供がおもちゃを願う〜! さらに繰り返される天の声、
おもちゃを買ってもらえなくなった少年が、テストで100点のご要望〜、次のターンでは、少年が声に対して封印の右手の解放求める『厨二』を見せるw 勉強は苦手だけども『野球』では、『水平線』までかっ飛ばせるくらいのバッターになりたい!
『同じセリフ3回』クリア〜、さらに成長し青年となった彼が言う、メンヘラ彼女を始末してくれ、『コンビーフ』と海苔しかないから金をくれw
ラスト! 天の声は悪魔の囁き〜、おもちゃ・智力・体力と、目先の欲望を叶えるごとに、問題解決能力を喪失していく負のトラップ、天に任せる人生など無きも同じよと、437氏がついでに語り手ごと消し去って、転げる地獄坂ENDでお題制覇だァ! 競馬実況さんの何がすごいって、作品に差が出ないように文字数計算してるところよな。
いつもお世話になっとりますm(_ _)m そんな大したもんではないw
こちらこそどうぞよろしく m(_ _ )m >>434
使用お題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
>>52の続編
【夕焼けに染まる砂浜】
誰もいない小さな島に私と幼馴染の庄司の二人きりで取り残されてしまっていた。
とはいっても満潮の関係で今は歩いて移動が出来ないだけで、泊まっていた貸し別荘は海を挟んで歩いていける距離にある島にある。……どうしてこうなった。
もう1人の幼馴染の達也と庄司のお姉さんの4人で一緒に泊まりの旅行へ出発したのが昨日の話。
そして達也とお姉さんの急用で庄司と2人になって海開き行ったのが先週の事。その時には熱中症で倒れてしまい、思ったように遊ぶ事は出来なかった。
それを不憫に思ったのか、お姉さんの伝手でこの小さな島の貸し別荘を借りてきてくれたのが今回の事の始まりである。
正直なところ、お姉さんに庄司への恋心を打ち明けたのは失敗だったと思う。
「ふぁーはっはっは! この地は既に我が手中にある!」
「何をバカな事やってるの……?」
「見るがいい。あの赤く燃える海を! 我が前世よりのパートナーよ!」
「……うるさいわよ!」
「あ、痛!? ちょ!? もうやらないから勘弁!? 紗佳、ストップ! 悪かったって!?」
太陽の沈んでいく水平線に向かって手を伸ばし、厨二病全開のバカな発言をしている幼馴染の庄司に向かって砂浜に流れ着いていた野球のボールを投げつける。ついでに砂もぶつけてしまえ!
中学生の頃は厨二病が酷かったけど、高校生になって落ち着いたと思ったんだけどね。まぁ凄い綺麗な夕焼けだけどさ。
……それに、その……パートナーとかはね、もっと他の機会に言って欲しいというか……。
しばらくそういったやり取りが続いた後、砂浜に座り込んだ庄司の隣に私も腰を下ろす。……お姉さん、ついでに達也、2人きりにしてくれるのは嬉しいんだけど、毎回露骨過ぎる!
絶対あの2人、もうすぐ満潮で渡れなくなるのをわかってて、この小島に連れてきたよね。……いつの間にか居ないんだもん。
「誰もいねぇ……」
「……そうだね。2人きりね」
「早く戻りてぇ……」
「……うるさいわよ!」
「あ、痛!? え、今のはなんで!?」
「……うるさいわよ」
「わ、悪い……」
二人きりなのを少し喜んでる私の気持ちも考えて欲しいものだ。ここぞとばかりに庄司の肩に体重を預ければ、庄司も静かになった。うん、こういう時間もいいとは思う。
少し顔が熱くなってる気がするのはきっと気のせいだよね。……この前はカップルと呼ばれて、庄司は否定していなかったけど私の事どう思ってるんだろう?
「あーなんか腹減った」
「……そういえば私も。ご飯食べる前だったもんね」
ぼんやりと砂浜で2人並んで座り、夕暮れの景色を眺めていく。お姉さんと達也の故意の行動だろうから、このまま潮が引いて歩けるようになるまで放置という事はないと思う。多分、迎えに来てくれるはず。
そう考えていたら、何やら島の反対側の方からガチャガチャと音が聞こえてきた。
「ん? なんか物音しなかったか?」
「うん、確かに聞こえたね」
「……見に行ってみるか」
「……うん」
小島の反対側へ見に行って見れば、そこには何やらコンビーフやシーチキン、トマト、コーン、ミカンやモモ等など多種多様な缶詰が置いてあり、多少の調理が出来るように鍋と卓上コンロ、そしてテントがあった。……え? もしかしてこっちで2人で泊まれって事!?
ちょっと、そこのボートに乗って離れていくあからさまに荷物を置いていった達也、待ちなさい! 流石にその覚悟はまだ出来てないから!?
「……とりあえず飯作るか?」
「……うん、そうだね」
緊張で心臓が爆発しそうになりながら料理をしたけど味なんて分からなかった。……まぁ食べ終わった頃を見計らってお姉さんが達也を叱りながら迎えにきたけどね。うん、今回はこれで良かったって事にしておこう。 >>444
あれやこれやの計略でふたりが露骨に引っ付けられていくイチャシリーズ続編! 444氏がお題全選択で描く、キューピッド・シーズン4の登場だァ〜
今回の舞台は満潮の島! 庄司くんと紗佳さんが孤立し(させられ)二人きり! さあ、おもむろに、『水平線』に向かって手を伸ばし、この地は既に我が手中にあると、イタい発言をする『厨二』の庄司くん〜、
ハイハイうるさいと、紗佳さんが『野球』ボールや砂などを投げつけ、イチャコラ空間を作り上げている〜
早く戻りてえと感想を漏らす庄司くんに、紗佳さんがうるさい×2を投げつけ『同じセリフ』カウント3! ラスト、二人を島に置き去りにした悪友が、『コンビーフ』やシーチキンを輸送し逃げていく〜w
周囲がだんだん業を煮やし始めたか、進展せぬならさせてしまえと、なりふり構わなくなってきたシリーズは、なかば嫌がらせの域に近づきつつも、次の計略に望みをたくすw 444氏、お題フルクリア! >>445
いつも感想ありがとうございます。
確かにもう嫌がらせに域に近いですね。
でもどう見てもカップルに見えるのに付き合ってないところに、業を煮やした周囲ですw >>444
周囲から祝福され過ぎるカップルw
全力で成立させられようとする二人ですが、庄司くんが、その幸福に気が付く日は来るのでしょうか? >>447
感想ありがとうございます。
この2人がどうなるかは正直分かりませんw
何か思いつくお題の組み合わせがあれば、また続きがあるかも。 一つ思いついたけど野球に詳しくなかったから書けなかったツライ
次のお題をまつべ。 >>434
使用お題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
【終末の俺伝説】(1/2)
少し小高い山の間、遠くに見えるのは海だろうか? 内陸にも近い場所なのにも拘らず水平線が見えるのは余程の奇跡が積み重なった結果だろう。
「山に来たにも拘らず、母なる海を見届ける事が出来るとはな……フッ……かの海すらも、この俺の成長を見守ってくれている……と言う訳か……」
誰に聞かせる訳でも無いのに、そんな気障な言葉が口を突く。
だが、そんな事をしている場合ではないと思い直し、改めて登山用の大きなバックパックを担ぎ直して俺は山道を進む。
「“刻”は近い……」
急がねばならない。
道と言うには心許ない藪の合間。獣道と言って良い道なき道を俺は進む。
より、本当の冒険に近いと言える。だからこそ、自分の鍛錬には持ってこいとも言えた。
「この辺で良いかな?」
早朝から動いたおかげで、まだまだ時間は早い。山頂に近いなだらかな斜面に草の生い茂る空地を見つけると、俺はそこで準備を始める。
バックパックを下ろし腰元に手を遣ると、腰から特殊警棒を抜き放つ。
一振りされたそれが本来の長さを取り戻し、手に心地良い重さを感じさせた。
踏み込み、横に薙ぐ。返す刀で振り上げ、そのまま振り下ろす。
「……技と技の合間に隙が多いか……フッ、俺もまだまだだな」
呟き、俺は自嘲した。腰まである草が足元を不安定にさせていると言う事も有るだろうが、“敵”が襲ってくる場所が、常に安定した場所であるとは限らない。
「つまり、より実践的……と言う事でもある」
草を踏みしめながら警棒を振り回す。片手で、両手で、そしてまた片手で……
つぅっと俺の頬に汗が流れる。気が付けば、日が中天に届きそうな位置にあった。
「……動きっぱなしと言うのも、効率が悪いしな……それに、冒険者たるもの休める時には休んでおかねば……」
多少空腹を覚え始めた腹をさすりながら、そう呟く。火を熾しても平気な様に、十得ナイフで2m四方程度の草を刈ると、林の中に取って返って木の枝を拾い集める。
だが、思ったよりも時間が掛かった。 【終末の俺伝説】(2/2)
俺は急いで火を熾す。この鍛錬を始めた当初は、木の板と枝をこすり合わせて火を付けようとしていたが、今はそんな事に時間を消費しているのも馬鹿らしいと思い直し、虫眼鏡を使って火を着けている。
マッチやライター等は、マッチそのものやガスが尽きてしまえばそれまでだが、虫眼鏡で有ればいくらでも使えるからだ。
フッ、これで異次元に召喚されたとしても野営で苦労する事は無いだろう。
だがそんな事はどうでも良い。今は現実の問題だ。
「“刻”は近い……」
太陽を眺めながら俺はそう呟く。
ともあれ、今は昼飯を作らねば。
俺はミックスベジタブルの缶詰とコンビーフの缶詰、そして道々で採取した食べられる野草を飯ごうに入れ、火にかける。
ミックスベジタブルは水煮に成っている事も有って、余計な飲み水を用意しなくて良いから助かる。それに、缶詰ならば日持ちもする為、その“刻”が来た時にも重宝するだろう。
だが缶詰だけではビタミンが足りなくなるかもしれない為、気を付けないといけない。
だからこそ、俺は食べられる野草の事をネットで調べておいたのだ。
沸騰し、良い匂いが立ち始めたそれをお椀に移す。
……うーん、ミックスベジタブルとコンビーフは良い出汁も出ていて美味しいと思うのだが、野草から青臭さと苦みが出ている。食べられなくはないのだが……俺は少し眉を顰めた。
だが、来るべき“刻”には、生鮮野菜など手に入らないだろう。なら、この味にも慣れておかねばならない……
「……鍛錬を再開するか……」
昼食を終え、少し休憩した俺は、飯ごうやお椀を片付けると立ち上がった。
そして再び、俺は警棒を振り回す。全ては“約束の刻”の為に……
******
「オーライ! オーライ!」
「……野球場か?」
日も傾いた事も有り、鍛錬を中止し山を下りた俺が出て来たのは、山城公園にある野球場だった。
藪を掻き分け、林の中から出て来た俺の事を野球をしていた男達は、奇妙な物に出くわしたかの様な顔で見て来た。
まぁ、仕方が無いだろう。安寧にどっぷり漬かり、平和と言う毒で目の曇った者達には、“刻”の到来を予見する術など無いのだから。
だが、その平穏な日々が破られる時は、すぐそこまで迫っている。そう思うと、今、この日常を謳歌するのも大切なのかもしれない。
「“刻”は近い……」
何も知らぬ一般人に多少の憐れみを感じながら、俺は呟き、拠点でもある現世の家へと歩みを進めたのだった。 >>450
来るべき“刻”に我も参戦だ、と乗り込んできた450氏がお題全選択で続くぜ、俺の黙示文学!
さあ、山に来たにも拘らず、母なる海に見守られることになるとは〜と、大時代的なもの言いで『水平線』に臨む俺くんが、山頂付近に到着だ〜
「“刻”は近い」と一人ごち、腰から抜くは特殊警棒、一人で警棒ヨコに振っては、タテに振り下ろす単純な練習〜、『厨二』の重い症状だ〜
警棒ふって疲れた俺くん火おこし始め、文明の産物、虫眼鏡と缶詰に頼り始める〜、これはいけない、中途半端! 中途半端サバイバル! 「“刻”は近い」と言いつつも、野草と『コンビーフ』に顔を歪めラスト、
『野球』場でギョッとされ、悔し紛れに「“刻”は近い」と『セリフ3回』をこなした俺くんは、傷ついた身体を休めに、帰路についたのだったァ! うん、おつかれw 450氏がお題フルクリアで笑わせてくれた! >>452
感想有難うございます
おそらく数年後には黒歴史確定だと思いますw お題『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』締切
【参加作品一覧】
>>437【あなたの望みはなんですか?】
>>444【夕焼けに染まる砂浜】
>>450【終末の俺伝説】 将棋か囲碁 ただし「将棋」「囲碁」という言葉だけではなく、その戦略や勝負についての何か具体的な知識
(格言や、序盤はこういう風に指す、または打つ、あるいはタイトル戦の真剣勝負の時はこの棋士は○○を食べる、など。
あるいは、囲碁や将棋の戦略を会社の経営に応用する、また逆に孫子の兵法が将棋や囲碁に通用する、などと語ってもよい。
とにかくゲームの内容について言及すること。)
将棋と囲碁は好きな方、あるいは可能なら両方 なんでお題って聞くと自分の知識をひけらかしたい感じのが混ざるんだろ・・・
そんな複雑なお題笑点で見たことあるのかっていう。 将棋って基本的なルールしか知らないし、囲碁に至ってはルールすら知らないんだけど、縛りきつ過ぎ……。
色々調べてからじゃないとどうしようもならん。
調べたからって思いつくとも限らんし……。 こういう難題は無視でいいんじゃないか
お前らも無理に全消化しようとしなくていいんだよ ☆お題→『影法師』『囲碁か将棋』(『』『』『』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→10/14の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>454より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 ☆お題→『影法師』『将棋か囲碁(詳細は>>457)』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→10/14の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>454より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 朝から寝ぼけて書き込みボタンうっかり押しちゃったよ
正しくは>>468でお願いします。 >>468
使用お題:『影法師』『将棋か囲碁』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
これで『将棋か囲碁』のお題クリアになってるかは自信はないですが……。
【影法師と文学少女】
図書室の一角にある机で一人の文学少女が本を読み耽っていた。いつもの日課で本であれば何でも読むという彼女が今読んでいるのは『将棋入門』という本である。彼女は将棋の事はろくに知りはしないからだ。
そんな彼女の前に人影が現れる。……影だけが。
「やぁ、また本を読んでいるんだね」
「……またあなた? ……なんでいつも影だけなの?」
「いやいや、つれないねぇ。何度も言うけど、僕の事は影法師とでも呼んでおくれ」
図書室の壁に影だけで現れるから影法師なのだろう。それはどう見ても影だけで動く謎の存在だ。そろそろ日が暮れ始め、昼と夜が混ざる時間帯になってきた。
そんな時にその影法師はいつも現れる。ただただ彼女と雑談をする為だけに。
「いつもは小説とかを読んでいるのに今日に限ってなんで将棋なんだい?」
「……あなたに教える気は無いよ」
「あれま、これは嫌われたものだね。……僕はそれなりに将棋には詳しいつもりなんだけどね」
「……ほんと?」
影法師はいつも彼女が興味を持つように、その時に読んでいる本に関わる知識を混ぜるようにして雑談を持ちかけてくる。影法師はどんな本に対しても同じ様に沢山の知識を持っている。それはそれは不気味な程に。
「どうしてもというのなら、将棋の事を教えてあげるけど?」
「……あなたに教わるのは何か嫌」
「あらま、つれないねぇ。例えるなら今の君は『ヘボ将棋王より飛車を可愛がり』かな?」
「……それはどういう意味なの?」
「将棋の格言さ。将棋において一番大事なのものは『王』なんだ。でも、それを忘れて必要以上に『飛車』を大事にしてしまっている状態の事だよ。今の君にとっての『王』と『飛車』はなんだい?」
「……私にとっての『王』と『飛車』? 今の私の一番大事なもの……」
彼女にとっての『飛車』とはこの影法師から教えを拒む事。そして一番大事な『王』は『将棋入門』の本を読んでいた理由。……大好きな祖父が入院してしまい、今は退屈を持て余している。だからこそ彼女は祖父の大好きな将棋を覚えようとした。
祖父は強がってはいるが、彼女と彼女の両親は医者からもう祖父は長くはないと聞かされている。その前に祖父との思い出を作りたかったのである。そう、祖父の大好きな将棋で。
 「……分かった。影法師、将棋を教えて」
「そうこなくっちゃね。あぁ、でもごめん。僕は将棋盤には触れないから、駒を置くのは君に任せるよ」
「……それくらいは問題ないよ」
彼女は安物ではあるけども持ち運びのできる簡単な将棋盤を持っていた。それを使って、影法師から将棋を教わっていく。
不気味な影法師ではあるけども、そこに悪意はなくただ純粋に将棋を教えてくれたのであった。
しばらくの後、彼女の祖父は息を引き取った。しかし、その最期の間際には孫と大好きな将棋を打って、最後の楽しい思い出に満足した笑みを浮かべる老人の姿があったそうだ。
そしてそれ以来、彼女が図書室で影法師を見る事はなくなった。 >>470
影法師は、さしずめ図書室の妖精といったところでしょうか?
心温まるお話で面白かったです >>471
感想ありがとうございます。
影法師は祖父と孫の関係を影で支えた何かですね。
その正体は妖精かもしれません。
どこかでまた誰かを影から支えているのでしょう。 >>470
進行氏も寝ぼけまなこな秋の夜長に470氏がおくる、和みの全選択作品〜、黄昏の一手!
さあ、昼夜が『混ざる』逢魔がときの図書室で、さし込む夕陽に形どられ、なにやら教則本を読み耽る、ひっそりとした姿の『文学少女』〜、目前に登場するは、『影法師』!?
彼女と『雑談』するために現れた、歩く図書館、知識の妖精、鶴は千年亀は万年、謎の影があらわれて、なんで『将棋』の教本なんかをと、少女に真意を問いただす〜
想いを秘める少女の様子に、ヘボ将棋・王より飛車を可愛がりと、何もかも見透かしているよな影法師が格言弄して実技指導w ラスト〜、将棋を覚えし文学少女とコミュニケーションした祖父の大往生だ〜
心と心をつないで見せた、テレパスのごとき影法師は470氏の現し身か〜、さっそく全お題をすり抜けた身のこなし、見事! バチッと駒音ひびかせて、即詰みENDだ! >>473
いつも感想ありがとうございます。
見透かしている影法師は、どこかでまた誰かを影から支えていくでしょう。
今回は格言を調べて使えそうなのから逆算して書いたけど、元々自分の中にない知識を題材に使うのはキツいですねぇ……。 >>468 うーん、恋愛物は上手く書けん。
使用したお題:『影法師』『将棋か囲碁』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
【裏側にあるモノ】
「将棋の駒って、どうして裏返しになると強くなるのかしら?」
私はふとそう呟いた。たまたま目を落としていた文庫本に将棋のシーンが出ていたからだ。
同じ部屋で一緒に本を読んでいた彼もまた、本から目を離さずに答えた。
「単純に強くなる表現の一環だろ。敵陣深く食い込んだ兵隊って、敵からすれば相当厄介だろうし。
だからと言って新しく駒を用意するわけにはいかないから、裏返しで強くなる表現をしたかっただけなんじゃないかな」
「確かにゲームの手法という観点から見ればそうだけど、裏返しというのがすごく意味深に思えない? その駒には裏の顔があって、敵の王の近くにいると本性を現す、みたいな」
私の言い分に「ふむ」と相槌が返ってきた。チラリと顔を下に向けたまま目線だけを彼に向けると、彼は本を見ながら眉間に皺を寄せて少し考えていた。
「言われればそう思えなくもないけど……でもそれだと変じゃないか? 一般的に裏側というものは弱いとされている。
ジキルとハイド然り、影法師然り、古今和歌集然り。だいたい裏側扱いされてる者は負ける定めじゃないか。強いとは思えないよ」
「そんな古典文学や純文学の裏の意味と、戦争疑似体験ゲームの将棋の裏返しをごちゃまぜにしなくても……」
私は呆れつつクスリと笑った。思考のベースが小説である彼は、何かと考えがズレている。だけど、それが嫌じゃない。
彼はまた「ふむ」と一息おいて、本から顔をあげて私の方を見た。私は逆に急いで本に視線を戻す。目が合わなかっただろうか、こっそり見ていたことがバレなかっただろうかとドキドキする。
だが彼は一切気づかなかったらしい。冷静に自分の考えを述べる。
「確かに。でもやはり納得はいかない。裏側というものは悪しきもので消え去るもの、消し去るものという認識が日本古来のものだ。
大昔に発明された将棋にその考えが生きていないという考えは納得できない。やはりそこまで深い意味はなく、単純に駒を有効利用しようとした結果なんじゃないかと思うけど……」
「まあ無難に考えたらそうよね。深く考えるほどのことじゃないのかもしれないわ。でもね」
ここで一呼吸。本題はここからだ。本から目をあげて、初めて彼の顔を真っすぐに見つめた。
私はせめて事前に考えていた台詞を噛まないように神に祈った。
「人の一番強い思いみたいなのは、その人の裏側に隠されてる、って考えることもできるんじゃない?」
「ふむ……」
彼は再び熟考する。私は彼がまた思考の渦に潜っていった様子を見て、安堵したような落胆したような複雑な気持ちになった。
小説が好きで、文学的な物言いが好きで、洒落た表現が好きなくせに、私の台詞の真の意味をいつも理解してくれない彼の真剣な表情を困ったように見た。
私の裏側にある気持ちはいつ彼に伝わるのだろうか、そんなことを思いながら、何かを考えてる彼を少しだけ赤らんだ顔で見つめていた。 >>475
475氏が恋愛物は上手く書けんといいながら複雑模様を書いてきた、駆け引き上手は恋上手!
さあ、物語は『文学少女』と小説オタの男女が二人、本読みながら『雑談』交わすシーンよりはじまった〜
文学少女が主張する、『将棋』の駒が成駒になって強くなるのは、駒に裏の顔があり敵陣深くで本性を現すからだと〜、対する小説オタの反論は、
成駒は単に盤の都合で、一般に裏側というものは弱くて負ける定めであるからして裏が強いという法則はない、そう、すなわちジキルとハイド然り、『影法師』然りw 例え強引だw
文学少女、このひと小説と将棋をごちゃ『混ぜ』にしてるとややウケで、でもやっぱり裏には何かがあるんだよと頬赤らめて自説をゴリ押しィ! なんてことない言葉の裏には触れなば落ちんのラブトーク、475氏がお題貫徹! リバーシブルENDをじりじりきめたッ >>475
「言わなくとも分かってほしい」そう言う想いがある……と言う事ですね
果たして理屈屋の彼が、その情動に気がつく日は来るのでしょうか? >>468
使用お題:『影法師』『囲碁か将棋』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
【ホーカゴ・コーシャ】(1/2)
橋立 結は、大きな溜息を吐きながら文学部の部室に向かっていた。彼女の半歩斜め後ろには同じ部活の春日野 圭章が苦笑しながら着いて来ている。
本日の部長会の予算決めでは、活動実績に応じた予算が決められたのだが、その会に於いて、文学部の来年度予算は実に200円と言うものだったのだ。
実際、文学部の活動は部室に寄り集まって、各々で本を読んだり雑談をしたりしているだけなのだから予算自体は無くても構わない。
だが……
「まぁ、正論だよね」
「私の所為じゃないもん」
部員では有っても、部長や、まして副部長でも無い結は、部長連の先輩方にこれでもかと嫌味と注意と説教を受けて来たのだ。
これもそれも、全ては現部長と副部長の所為である。部連会長、小湊 宮子のお言葉によれば「予算決めの様な重要な話し合いに、部の長たる部長が来ない等、あり得ないでしょう?」との、事である。
その意見には、結も全く同意の為、反対意見など口にする気にもなれなかったのだ。
結は何度目かの大きな溜息を吐くと、文学部の部室の扉に手を掛けた。
******
「ん? んん?」
「えっと、これで矢倉の完成かな? なぁ、合ってるか? これで合ってるか?」
「…………」
扉を開けた結は、そのまま床に崩れ落ちた。眼前では、全ての元凶たる先輩である所の部長、竹橋 実乃里と副部長の新井 大志が、一つの盤上で将棋と囲碁をチャンポンにしてゲームを行っていた。
おそらく、何某かの本の影響を受けたのだろう。
この二人は物語に感化されると、とりあえず真似をしたがるのだ。
ベースは将棋盤なのだろうが、そこには態々マジックで囲碁盤の線が引いてあると言う、無駄な力の入れようだった。
「外す事の出来ない用事が有る為」と、結を部長会に送り出した二人が、こうして部室で遊んでいるのを見れば、結ならずとも崩れ落ちるのも致し方ないだろう。
実乃里は囲碁のルールがそもそも分かって居ないのか、石で囲い“地”も作らず、盤上にひたすら碁石の塊を作り続け、大志の方はと言えば、定跡のページと睨めっこをしながら、兎も角、将棋の守りの戦法である“矢倉囲い”を作っていた。
「何を……」
「ん?」
「ああ、橋立、御苦労」
「何をしているんですか! あなた方は!!」
声を荒立てる結に対し二人は……
「囲碁?」
「将棋だ」
と、当たり前の様に返したのだった。 【ホーカゴ・コーシャ】(2/2)
******
「先輩たちのせいで物凄く怒られたんですよ!?」
「へー……」
「それもまた経験だぞ? 橋立」
確かに最終的に部長会に出る事を決めたのは結だが、しかし、部室に着いた途端に「外す事の出来ない用事が有るから、部長会ヨロ〜」と走り去り、問答無用で彼女が行かなくてはいけない状況を作ったのは、この二人である。
そんな部長たちに、ここまで他人事の様な態度を取られた結は、怒りのあまり絶句し、口をパクパクとさせる事しか出来なかった。
「まぁ、落ち着きなよ結ちゃん。部長たちがこんなんだって事は、最初から分かってたでしょ?」
「で、でも! 圭章くん!!」
半ば涙目になる結に、圭章は穏やかな笑みを浮かべながら「でも確かに」と呟く。
「今回の事は、流石に無責任すぎですよ? 部長連の小湊さんも随分おかんむりでした」
「うえ、宮子怒ってたか……」
そこは既に3年もの付き合いがあると言う事だろう。般若と化した宮子の顔を思い出し表情を歪める実乃里。
大志のほうは、それでも我関せずと言った様子で「振り飛車とゴキゲン中飛車ってのは何が違うんだ?」と、定跡の本を見ながら首を傾げている。
因みに“ゴキゲン中飛車”とは、飛車を王、又は玉の前に置き、角筋が開いた状態で戦う“振り飛車”の一種であり、まったく別の指し筋を表す名前では無い。
「まぁ、来年の部長は結ちゃんなんだから、ここは一つ予行練習だったって事で……」
「そう言う問題児では無くて!! …………はい?」
「ねぇ、圭章、囲碁ってこんなんだったけ?」
「ちょ、ちょっと部長!?」
「……囲碁は囲った交点が自分の領土なるんですから、それだと全くの打ち損ですよ?」
「マジか……」
「マジです」
「ちょ、部長! 話を聞いて下さい!!」
圭章に指摘され項垂れる実乃里。しかし結の頭の中は、先程の実乃里の言葉でパニックに成っていた。
「なぁ、圭章、これってどうやったら俺の勝ちに成るんだ?」
すでにカオス状態の盤上だが、良く分かって居ない大志は、それでもこのゲームが成立するのだと思っているらしく、真顔で圭章にそんな事を聞いて来る。
圭章は若干の呆れを含ませた溜息を飲み込んで、彼の質問に答える。
「…………リバーシが混ざって来るのを防げば勝ちじゃないですか?」
「ん? そうなのか? なら、リバーシも買ってこなくてはいけなかったのでは無いか!?」
「あ、あたし、チェスの方が良い」
「ちょ、部長ォ〜!!」
放課後の部室。夕映えの日の入るその場所に伸びる影法師は、いささかの不協和音を奏でながらも、しかし、楽しそうに重なっていたのだった。 お題『影法師』『将棋か囲碁(詳細は>>457)』『雑談』『文学少女』『混ぜる』締切
【参加作品一覧】
>>470【影法師と文学少女】
>>475【裏側にあるモノ】
>>479【ホーカゴ・コーシャ】 遅れて申し訳ない。
ではお題安価>>483-487 >>479
一周年だと……戦慄とともに確認したら、パート1は2017年10月17日に立っていたァ、線路は続くよどこまでも、野を越え山越え谷越えて、それでもお題はやってくるゆえ〜、479氏の全選択! ミックスマックス文芸部!
さあ、文学部所属、『文学少女』の結さんが、部長会で勝ち取った予算200円とともに涙の凱旋〜、『雑談』と読書しかすることのない部室では、
『囲碁と将棋』をチャンポンにしたゲームが行われているw 床に崩れ落ちる結さんの前で、将棋と囲碁が入念なルール説明とともに火花を散らす〜、見事なる『囲碁と将棋』のクリアー!
しかし、どうなれば勝ちなのか見えない戦い、観戦者の部員くんが、リバーシ『混ざ』ってくるのを阻止すれば勝ちだとよく分からないことを言い、ラスト!
ハチャメチャ部室に夕日が伸び入り、踊って重なる『影法師』、ライトな展開は影法師のビジュアルにより遠きに感じる懐かしさへと変転し、479氏のお題全制覇は思ひでになった的ENDだ! ☆お題→『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→10/21の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>481より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 一応確認ですが、全年齢向け作品でお願いします。
もうすぐ一周年か……来週は一周年版でお題特殊なのにしよう >>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
死神とサブミッション母のコラボ続編です。
【臨時の仕事】
「……今年もこの季節がやってきましたか。やれやれ、なぜ日本でこのような事態に……」
ここ数年で急激に広まったハロウィンの季節がやってきました。そしてそのどさくさに紛れてこの世ならざる異世界からの来訪者が現れるようになってしまったのです。……なぜ他の文化圏の祭りを混ぜてしまったのでしょうか。
おかげであの世という異世界へ続く扉の設計を組み直す事になってしまっているではないですか。本来は先祖が一時的にこの世へ帰ってくるための仕組みだったのですが悪用されてしまっては困るんですよ。
まだ設計の組み直しも途中なので数年はこの状況が続くため、こうして本来の仕事以外にも駆り出される始末。……おや、あそこの母娘に話しかけている少年のような者は……。
「トリックオアトリート?」
「……あんた、この世の者じゃないね?」
「お母さん、一体何と話してるの?」
「彩花は気にしなくていいの。……ほら、あっち行きなさい」
「ふふっ、イタズラだね?」
やれやれ、早くも異世界の者が出ましたか。少年のような身体ですが、その頭部はカボチャをくり抜いた空洞で、暖色の灯りが灯っています。
この手のイタズラ好きの者が多く紛れているので対処が大変です。本来、このような仕事は死神の私のものではないんですけどね……。
それにしても、この中年の女性は只者ではありませんね。娘と思われる方も中々の霊力をお持ちのようで。
「……失礼。これの対処は私の方で請け負いますよ」
「……何者だい? 人間じゃないね?」
「あっさりと見破りますか。まぁご心配には及びません。ただの死神ですので」
「へぇ、あんた死神なのかい。初めて見たよ」
「え、お母さん!? この人って死神なの!?」
「……嘘じゃみたいだね。私じゃどうやったって敵いそうもないさ」
まぁ、死の予定にない者には何もしませんけどね。私の基本的な仕事はただ死者の案内をするだけですし。……今日の仕事は例外ですが。
ですが、そちらの娘さんの背後霊は少し無視は出来ませんね。悪霊化の兆しは欠片もありませんが、どうしたものでしょうか。
「あー、これはウチの旦那だよ。……万が一の時は私が成仏させるから見逃しちゃ貰えないかね?」
「……あなた程の力があれば問題なさそうですね。悪霊化の兆しもありませんし、守護霊へとなりかけているので見なかった事にしておきますよ」
「そうかい。ありがとね」
そのような簡単なやり取りをして、カボチャ頭の異世界の者を引き剥がして行きます。……地味に面倒なんですよね、これ。
「あんた、何邪魔してくれてんだよ!? 折角、イタズラを仕掛けようと思ってたのに!」
「……異世界から来て、勝手な事をされまくっても困るのですよ。……ちなみにお聞きしますが、どのようなイタズラをするつもりだったのですか?」
「あの若い娘の方にあれこれやって、アヘ顔ダブルピースでもさせようかなと……痛い!?」
「即座にあなたは送り返します! 公衆の面前で何をやらかす気ですか!?」
「えー別に良いだろー!」
「良い訳ないでしょう! 即座に帰ってもらいますよ!」
「あー!? 今回まだ何も出来てないのに!?」
設定し直した異世界への扉を開き、カボチャ頭を送り返します。……こんな変態的なイタズラなどされてたまりますか!
それから何人もの異世界の者を捕まえては送り返しましたが、今年の者達は変態ばかりでした。……去年より遥かに疲れてしまいましたよ……。何なんですか、今年の連中は! >>488
感想有難をいつもうございます
本格的な将棋のさし方やら囲碁の打ち方なんかを書こうと思うと、短編ではまるで文字数が足りないと判明し、こんな形にorz うわぁ
下げそびれました
>>491
死者の活動日は、死神の活動日出もあるんですねw
某、高校生死神の様に娘さんの職業に死神が追加されなくて良かったw >>493
感想ありがとうございます。
近年急に起こるようになった事態に苦労している死神さんです。
娘の方に死神の職業追加は全然考えてなかったですねw >>491
あれから〜♪ ぼくたちは、何かを信じてこれたかなあ〜♪ って夜空の向こうに映し出された一年前のスレパート1初お題はハロウィン! なお出題者は俺w 491氏が全選択だ、サブミッション・グリムリーパー、ハロウィンズ!
さあ、他文化を貪欲に取り込みすぎたジャパンにて、開放されし『異世界』の扉を『設計』しなおさんとする死神が、頭を抱えて登場だ〜
目前の中年女性が、トリックオアトリートを仕掛ける少年を、あんたこの世の者じゃないねと喝破している〜、霊体にサブミッションをかける霊能母が再登場、守護霊の旦那といっしょに身構えるぞ〜
よくよく見れば少年は、頭部は『カボチャ』で空洞の、『暖色』ともした異界の住人! 何をする気だと聞かれれば、女子に『アヘ顔ダブルピース』をさせるのだと答える最低なやつ、死神がすみやかに強制送還だw
今年は変態ばかりと呟く死神〜、ってかちょうど一年前の投稿にも死神ネタあったけど…いやまさか、って感じで491氏、抜く手も見せぬ題即斬! ノルマ瞬殺END〜w >>495
いつも感想ありがとうございます。
季節毎に何かしらのトラブルがあって大変な死神ですw
お題がお題だったので、余計に大変な事になりました。
1スレ目の時にはまだ来てなかったから別人かと。 >>489 このお題で全年齢向けを書くとか……余裕さ!
使用したお題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【転生方法改善会議、資料】
・表題「地球の人間を異世界に招致する際の手順と、それに際する問題点およびその改善策」
・概要
……異世界における深刻な人材不足、および社会の文化・技術・経済の停滞を解消するために文明レベルの高い地球の人間を転生させることにより解消をしようとしました。
しかし、その際の転生方法の設計に難があったため、様々なアプローチでその問題点を改善しようとしました。以下のレポートはそのまとめになります。
・実際試行した転生方法、およびその問題点
A、トラックに轢かれた人を転生させる。
採用理由・最も単純で試行が容易であったこと。また事故があった場合、高度な社会維持に重要な交通事情および運送業務を著しく害する可能性があったため、事故そのものをなくしてしまうという地球側への配慮を主目的とする。
問題点・転生対象者が多すぎた(具体数:1日に約200人〜500人)
・トラックとその他の車種の区別がつかなかった(異世界には自動車が存在しないため、大きな乗り物と小さな乗り物という区別しかできない)
・転生対象者の種類が不安定で使い物にならない場合が多々あった(最年少0歳、最高齢97歳)
B、地球の高度情報処理端末「インターネット」を利用した転生法
採用理由・上記の問題点の解消のため。インターネットを最も使用しているのが転生において希望する年代に近かったことと、ある程度こちらからの取捨選択ができることが可能であったため。
問題点・インターネットの利用自体に時間を要した(高度な文明の最先端技術なんて使えるわけがない)
・ある種の詐欺サイトであると疑われ、刑事告訴された
・個人間での情報共有がなされ、「アクセスすると消されるサイト」と都市伝説扱いされて誰もクリックしなくなった。
C、異世界転生専門教育機関の設置
採用理由・上記の問題点の解消のため。社会福祉法人の一つとして地球側に正式に登録し、異世界へ転移をする旨を事前に告知、転生希望のため加入してきた人の教育、試験、選別を行う。
問題点・転生方法に疑義が持たれたらしく、やはり刑事告訴された。
・組織自体が怪しがられたようで、加入者はごく少数であり(昨年24人、今年47人)、しかも適格者がいなかった(元無職、犯罪者など)。
・ある種の悪質な宗教団体と認識され、転生者1名の親族に訴訟された。
「あー、うん。なるほどね。こんな問題だらけだったのか……」
「はい、地球から転生してもらうにしても、人選が必要だったためなかなか進展が難しく……。また地球自体高度な情報共有システムがなされており、なかなかうまく馴染めないのです……」
「そうか、考案したときは名案だと思ったが、異世界人である地球人を連れてくるのは難しそうだな。ちなみに今はどういう手法を取っているんだ? Cの次のDがないようだが」
「はい、今はむやみに転生してきてもらうわけにはいかず、しかし上からの命令で誰も転生できない状況にするわけにはいかず、やむなくこちらの方法を設定しております」
「ん、なんで資料を別にしているんだ? まあいいか、どれどれ……なんだこれは、『ワインレッドのドレスを着てアヘ顔ダブルピースをしながらカボチャを齧りつつ「スイカうめー!」と叫ぶ』って?」
「はい、次の良作が浮かぶまでは誰一人転生させたくないので、これで状況を凌いでおります。これなら誰一人転生してこないでしょう?」
「……万が一転生してきた者が一人でもいたら最悪だぞ。私は嫌だぞ、こんな勇者候補……」 インターネットは端末ではないな。
スマホとかパソコンとかが端末。 >>497
確かにこの条件で転生してくる奴は嫌ですねw
これ、異世界人が地球側にもやってきてるのかな? >>497
雨にも負けずエロにも負けず、497氏の挑戦は誘惑に負けぬストイックなるお題・全選択となるか〜、勇者はうまく引き抜けない!
さあ、作品は会議の資料形式! 『異世界』の人材不足に対応するべく、転生方法の『設計』を試みるスタッフのレポートを追っていくこととしよう〜
まずはトラックで轢き殺された人を転移させる案、車種が特定できず没! 次はネット案、闇サイト扱いで刑事告訴! 最後の法人案〜、新興宗教扱いで刑事告訴! って感じで失敗続き、
代案が出るまでの時間稼ぎにと考え出された転生条件、ワインレッド(『暖色』)のドレスで『アヘ顔ダブルピース』をしながら『カボチャ』を齧りつつ「スイカうめー!」と叫ぶ人w
おい万が一を考えろよヤバイだろ…と、会議出席者がアヘ顔ダブルピースなまだ見ぬ勇者に恐れをなしてオチが決まるw 497氏、笑いの全制覇、軽やかEND! ここでいろいろ短編書いてたらなんか連載書いてみようって気になってきたわ・・・
これも競馬実況さんや進行さんや感想くれた人のおかげやで。ありがとな・・・ >>497
異世界転生させる側にも色々苦労が有るのですねw
元々、勇者の適性ある人だと、早々死なない気がしますし…… ここでいろいろ短編書いてたらなんか連載書いてみようって気になってきたわ・・・
これも競馬実況さんや進行さんや感想くれた人のおかげやで。ありがとな・・・ >>489 なんか短編もう一つアップしようとしたら前のレス連投してしまった。クソ恥ずかしい///
使用したお題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【森の中の崖の木】(1/2)
はい、これは僕の経験した実体験です。
僕は建設会社に勤めていまして、入社直後は色々なところに派遣されていました。使いっパシリってやつです。
本当は設計や企画の方をやりたかったのですが、入社直後のペーペーにそういう責任のある仕事なんて当然やらせてもらえませんでした。本当に最初のうちは挨拶回りとか、荷物持ちとかそういうのばっかりだったです。
その仕事も僕が最初やらされていた仕事でした。燃料の給油です。
鉱山を崩すために設置されていた重機がありまして、その重機に定期的に燃料を供給する仕事でした。3日に一度、ポリタンク10杯のガソリンを軽トラで運んで給油していました。
山に登るまでの間は森でした。グネグネ曲がった狭い道で、他に車は一台も通らないようなところでした。
昼に行っても薄暗いほど、鬱蒼と樹が茂った森でした。右手が森で、左手が崖。今考えても結構怖い道だったと思います。雨の日とかは滑って落ちないように十分注意していました。
ただ、その道不思議でして。左手の崖の方に一本だけ、やたら突っ張った木があったんです。
その木は他の木より一回り細いくせに、妙に背丈が高くて一本だけ目立っていました。途中からぐねりと曲がっていて、夏でも葉が少なくて枯れかけていた木でした。
おかしいというのは車のハンドルでして、その木の近くを通るとき、妙に左側に引っ張られるんです。
右手が山に面していて、左手が崖になっていたら、普通の人なら右側に車を寄らせると思うんです。うっかり落ちたら最悪ですからね。
もちろん僕もそうしていました。なのにその妙な木の近くに来ると、まるで磁石に引かれるかのように左側に車が寄っていくんです。崖が近くなるのがすごく怖かったですよ。
しかも一回や二回じゃないんです。毎回、行きと帰り、その木の近くを通ろうとするとやっぱり木の方に車体が寄っていくんです。
まあハンドルを少し多めに傾ければ簡単に元の路線に戻れるんですが、ずっと気になっていたんですよ。妙に引っ張られるなぁって。
職場の人にそのことを聞いてもまともに答えてくれる人がいないので、ちょっとその山の地主の方に話をする機会があったときに聞いてみたんです。
妙に引っ張ってくる木があるんだって。そこだけ道路がゆがんでるのかなぁ、って笑いながら。
地主のお婆さんは「そうか、やはりか……」とだけ答えてくれました。
「そうか」はなんとなくわかったのですが、「やはりか」の一言が引っかかりました。当然ですよね、意味深な言い方ですもの。
でも地主のお婆さんはそれ以上何も答えてくれなかったので、地道に近所で聞いてみました。別に急いでなかったのでゆっくり調べたので、聞き込みだけで半年近くもかかってしまいましたけど。
結論を言いますと、その木の下で首つり自殺をした女性がいたらしいです。
まあ、薄々感づいていたので「怖い!」というより「やっぱりかぁ」という感想でした。地主のお婆さんと同じ反応ですね。
それ以来その木の下を通るときちょっと怖いなぁって思うようになりましたが、基本的に霊感なんてない僕なので、気にせず3日おきに燃料給油を続けていました。
給油の仕事を始めて1年ほど、もう慣れて例の木のことも気にならなくなり始めたころ、あるイタズラを仕掛けました。
彼女の友達に自称霊感少女がいるらしいのです。なので、僕と彼女はその女の子のことを騙して例の木の真横を通り抜けようとしました。
本当に霊感があるなら首つり自殺の女性が見えるだろう、嘘だったら何も見えないでただドライブを楽しむだけだろうというイタズラを。
「まるで違う世界に来たみたいね……」
予想外なことに、その霊感少女は気づいた様子でした。山に登る直前に急に震えてそう言いました。
どうせ霊感なんて嘘だろう、と思っていた僕と彼女は結構驚きました。本当にわかるんだ、と僕と彼女は驚いてその霊感少女のことを褒めました。
「いや、わざと連れてきたのこんなところに? 結構ヤバイところじゃない? ねぇ、早く引き返しましょうよ!」 【森の中の崖の木】(2/2)
僕たちが褒める言葉なんて全く無視して、早く帰ろうと促す霊感少女。後ろの席から僕の運転席をぐらぐら揺らす。危ないのでやめてほしい。
隣で座る彼女が霊感少女をおし宥めるけれど、霊感少女は全く聞きはしない。その鬼気迫る表情に、僕は割と本気でヤバイのかもしれないと思い始めた。
しかしここは狭い一本道、もうちょっと先の車体交差用の脇道があるところまでいかないと引き返すことも難しい。
それに霊感少女が怖がっているとはいえ、いつも通っていて特に何も問題なかった道だ。今更無理に戻らなくても……。
「ひぃっ、やっぱりここ幽霊の出るところじゃん! く、首つりの女の人が何か言いながらこっちを手招きしてたわよ!?」
あらぬ虚空を指さし悲鳴をあげる霊感少女。イタズラを仕掛けようとしていたのだ、当然幽霊の話なんてしていない。
そのことを見抜いた霊感少女に僕の彼女は「よくわかったわね、本当に霊感あるのね」と素直に称賛する。僕も称賛しようとしてふと違和感に気づいてしまい、少し戸惑った。
霊感少女は、右側の木を指さしていた。
しかもよくよく考えてみると、まだ例の木は見えていない。まだ少し距離がある。だというのに首つり女性の霊がもう見えたという。なんで、どうして?
もう1年近く通った道だ、ただの山道でも今自分がどこら辺にいるのかわかる。霊感少女が騒いでほんの10秒ほど運転したあと、例の引っ張ってくる木の見える場所まで来た。僕はハンドルをいつものように少し右に曲げる。
直後、悲鳴が上がった。
僕は運転していたので何が起こったのかわからなかった。ただ、霊感少女が何かとんでもない悲鳴をあげた、と思ったらその後急に静かになった。
僕の彼女が涙目になりながら必死に気絶しているらしき彼女を揺さぶっていることと、鼻をつんざく異臭がすることだけがわかった。
そして、その時の僕は実を言うとそれどころではなかった。いつもより左側に引っ張ってくる力が強い。ハンドルをほぼ右に全力で回しているのだが、それでも車体が崖の方へ寄っていくのだ。何が何だか全く分からない。
ガードレールと例の曲がった木がフロントガラスに近づいてくる。
危ない!
……しかし幸運なことに、僕たちは崖から落ちずに済んだ。すんでのところでハンドルから妙な力が消えて、車体は普通に真っすぐ走るようになったのだ。
その後、山の頂上にある広場になっているところで車を止めて、ようやく後部座席の惨状がわかった。
霊感少女が気絶していて、ほら、エロ本とかでたまにあるような見事な白目を見せて気絶していた。あのダブルピースをしているようなあれだ。
白目をむいて泡を吹いている女性というのは、エロさより気持ち悪さの方が先だった。
それに彼女は盛大に嘔吐していた。お昼に食べたカボチャパイの綺麗なオレンジ色が床に広がっている。いったい何が彼女にそうさせたのか、よくわからなかった。
パニックに陥りつつも、吐しゃ物が喉に詰まらないように懸命に吐き出させていた僕の彼女の冷静な医療行為に尊敬した。
僕はこのことがあって、あの道はマズイということにようやく気付いて、職場に配置換えを要求した。そうしたら上司が「よく1年ももったな」と結構多額のボーナスと好きな部署への転属を約束してくれた。
やっぱり前例があるほどにヤバイところだったらしい。いくら何でも酷いと思ったので、転職先が見つけてからすぐにやめた。
また、後に霊感少女に会うことがあって、彼女と話をしてみた。彼女は良いことを教えてくれた。
道中にいた首つり女性の霊が手招きしながらブツブツ呟いていたそうだが、それが「そっちへ行っては危ない、戻りなさい」という内容だったそうだ。なんというか、そういうことなら先に教えてくれと思わなくもない。
イタズラを仕掛けた僕が言うのもなんだけど。 >>506
本当に遇った怖い話ですね
イタズラを仕掛けて、取り返しのつかない事に成ることもあるそうですから、気を付けないといけませんね >>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【くっころさんが通る】 途中でアップしてしまいましたorz
>>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【くっころさんが通る】
「クッ! 殺せ!!」
テンプレートな台詞を吐きながら、豪奢な鎧を着こんだライトブラウンの長髪に鳶色の瞳の美女騎士さんがこちらを睨みつけてくる。
僕は溜め息を1つ飲み込んで、どうしたものかと思考を巡らした。
(誤解が解ければ1番なんだけどなぁ……)
誤解……そう、全ては誤解なんだ。
まずは僕の事を話しておきたい。
僕の名前は室戸 康。何処にでもいる高校生……だった、んだけど、つい三ヶ月ほど前にいわゆる“異世界召喚”で、剣と魔法の世界、『ホーラス』に召喚されてしまったんだ……勇者として。
そしてこれまたテンプレートなお約束として、魔王を倒せば元の世界に帰れるって事らしくて、唐突に呼び出されてしまった僕としては、それを信じて魔王を討伐するしかなかった。
確かにこの世界の人達、魔物や魔族の襲撃の被害に遭っているみたいだったしね。
さて、これまでの事は置いておいて、今の自分がどんな状況かと言えば……これがまた、再び召喚されてしまったのだ……魔族の魔導士に、召喚獣として……いや、悪魔召喚に近いのかな? 送還術とセットみたいだし。
で、カボチャ頭の悪霊、ジャック・ザ・ランタンと一緒に召喚されてしまった直後は少し混乱したけど、女騎士さんの鎧に刻まれた紋章。
それが僕を召喚した国の友好国のものだったし、命令して来た術師はあからさまに魔族だったから、僕がソイツごとランタン達を倒す事に全く躊躇は無かった。
だけど、彼女達からしたら、召喚された使い魔が唐突に主や仲間といさかいを起こし始めた様にしか見えなかっただろう。
当然の事だけど「敵を裏切ったんだから味方だ!」なんてお花畑な思考はしていなかったらしく、女騎士さん達12名は、僕を倒そうと攻撃を仕掛けて来た。
僕の人生設計にこんな所で死ぬなんて……と言うか、初めに召喚された事からこっち、僕の人生設計には無かった事ばっかりだけどさ。
地方公務員に成って、安定した生活を送る筈だったのに、どうしてこうなったんだろ? ともかく死にたくは無かったから、返り討ちにして全員縛り上げたまでは良いんだけど……
「魔族の……その召喚獣に辱めを受ける位なら、いっその事殺せ!」
「いや、僕は、魔族でも召喚獣でも無いんだけど……」
「クッ! なんて嫌らしい目だ! そうやって視姦しながら、私をどう凌辱するか考えているのだな? クッ殺せ!!」
この女騎士さん、全く話を聞いてくれない。
確かに女騎士さんも、その部下さんも結構な美人さんが揃ってるから、ある程度自意識過剰になるのも分からなくはない。
だけど、全く話を聞いてくれないってのは酷く面倒に成る。
(もう、このまま放置して帰ろうかなぁ……)
そんな事、実際には出来ないけどさ。
でも、僕が召喚されてしまった理由も調べないといけないから、こんな所で時間を取られてる場合じゃ無いんだよなぁ。
「クッ! 縛るのか? 私の事を荒縄で亀甲縛りにしたり、M字開脚で吊るすんだな!! クッ殺せ!!」
「いや、しないよ? しないからね?」
「これでも、誇り高きゼールフィァア家の娘! アヘ顔タブルピースなぞ、絶対にせんぞぉ!! クッ殺せ!! いっその事殺すが良い!!」
いや、本当、何言ってんの? てか、あるのか? 異世界に『アヘ顔ダブルピース』! お題『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』締切
【参加作品一覧】
>>491【臨時の仕事】
>>497【転生方法改善会議、資料】
>>506【森の中の崖の木】
>>510【くっころさんが通る】 一年も続けられたのは、前進行氏と皆さんのお陰です。ありがとうございます&これからもよろしくお願いします!
ということで……一周年ということで変わったお題を試してみたいね
今回は進行からのお題として『一年』を必ず入れるとしたいんだけど、他におもしろいお題が思い付かなかった……どうしようか とはいえ他に案が無いと言えば無いので……やる?よく考えたら前進行氏の時にお題にはなったね、主人公指定は無かったけども ではお題「一年」と「進行が主人公」ということで一周年スペシャルやってみましょう……一番胸に沁みた作品を選びますということで…… ☆お題→『一年』『進行が主人公』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→11/28の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>511より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 よし、進行さんをいじり倒すか。
起承転結がまだだけど、すでに4つほどネタが浮かんだ。 >>506
前回お題全選択のリレーゲームと化した短編スレにて、506氏も全チョイス! 亡魂のゴーストロード〜
さあ、職場でほんとは『設計』や企画をやりたかった主人公が、使い走りで駆け抜ける、鬱蒼とした山道を〜、その道には崖下へと手招く恐怖の木が生えるという〜、
聞けば首を吊った女性がいるといういわくつき! 何も言わずに騙してつれた、霊感少女が道すがら、「まるで違う世界に来たみたいね」と話し、山道が『異世界』の様相を呈していく〜
で、キター! 霊感少女がついに指差す〜、ってくだんの木とは逆方向!? 場の霊圧で限界超えたか、少女は『アヘ顔ダブルピース』状態で、オレンジ色(『暖色』)の『カボチャ』を吐き散らすw きたねえw
ラスト〜、逆サイにいた幽霊の手招きは、崖が危ないよと教えるためのものだったオチw 崖に引き寄せられたのは幽霊への無意識の恐れかw お題を全攻略した506氏が、寒空の下で人の世話焼く、幽霊ほんのり描き出し、ぬくぬくENDがきまったァ!
>>510
続く前回お題の全選択リレー、繋いで繋いでオオトリの、510氏がタスキを受け継ぎキラーお題『アヘ顔ダブルピース』から組み立てる、クッコロ☆戦記!
さあ、召喚により、剣と魔法の『異世界』に飛ばされてきた室戸くん〜、二重の召喚によって『カボチャ』頭の悪霊、ジャック・ザ・ランタン側に立つも、
即座に裏切り、ライトブラウン髪(『暖色』)の美しき女騎士を救う〜、が事態のみ込めぬ女騎士がモンスター側と思い込んで襲い掛かり、そんな死に方は人生『設計』にないと縛り上げる室戸くん!
ところがこの騎士、クッ殺せと言いながらエロ妄想を口走る〜、くっころ女騎士w 亀甲縛りにされたり、M字開脚で吊るされるのを明らかに夢見ていながら否定するw
めんどくさw 『アヘ顔ダブルピース』なぞ、絶対にせんぞぉと、する気マンマンの女騎士を見て、「いや全年齢向けなんで」と室戸くん! ってか、アヘ顔とかいう言葉があるんだな異世界、そんなオチ構築で510氏が全選択リレーをゴールインだァ! >>519 まずは1いじり……
使用したお題:『1年』『進行が主人公』
【シンコウさんの物語】(1/2)
僕の妹は精神の病を患っている。
詳しい病名は忘れた。ただ「妹の精神年齢は通常の人の3分の1か4分の1くらいの速度でしか成長しない」というお医者様の言葉だけは幼いながらも良く覚えている。
その時の妹の無邪気な顔と、両親の青ざめた顔も。
妹は普通ならそろそろ高校受験を考える年齢だというのに、その精神年齢は5歳児並みなのである。
「ねぇ、お兄ちゃん。お話聞かせて?」
妹の行動範囲は狭い。肉体は大人の女性で、精神が子供のままの妹の独り歩きは危険極まりないからだ。
だから妹は家と障害者用の学校と病院以外には連れて行ってもらえず、だから妹は僕の話を聞きたがる。僕のありきたりな日常の話を。
最初のうちはそれでも喜んでくれた。放課後の友達とのやりとりを一緒になって楽しんだり、学校のムカツク先生の話で一緒に怒ったり、猫が車に轢かれた可哀そうな姿を想像して二人で涙した。
学校から帰るとすぐに妹は僕にしがみつき、いつも今日は何があったのかと話をねだった。背丈はそれほど変わらないのに中身は子供の頃のままで少し複雑な気分がした。でも妹の求めるがままに何でも話した。
「……ねぇ、他にないの?」
しばらくして、妹は僕の話に飽きた。当たり前の話であった。
精神年齢は5歳児並みだけど、記憶力は普通の女の子と変わらない。だから僕が昔した話を覚えている。
「それ前に聞いた」「そこの話面白くない」「ねぇ、違うお話を聞かせて?」と注文が増えるようになった。とはいえ、一般の男子校生の話なんてそんな飛躍した物語を作れるはずがない。
なので、僕は小説を読むことにした。
漫画は止められていた。妹には刺激が強すぎるとのこと。また、自分の異常性に気付いてしまう可能性があったからだ。
なので僕は小説を読んで、そのあらすじを妹に聞かせるようにした。僕の友人がこんな奴で、こんなことをしていたんだよーって。
妹はそれを大層楽しんだ。
小説には人生が詰まっていると言ったのは誰だったか。よくわからないがその通りだと思った。
妹はその作り話の主人公たちの一喜一憂に心を動かし、僕の話ではなく僕の架空の友人の話を求めるようになった。
ただ、これには問題があった。僕が小説を読むのが苦行だったことだ。
文章を読むこと自体は苦痛ではない。でも、僕だって健康な一男児なのだ。友達とも遊びたいし、家でのんびりしたい。ゲームだってしたい。勉強はしたくないけどしなきゃいけない。
そんな中で小説を読んで、そのあらすじを考えて、妹に害がないように内容にフィルターをかける作業は困難を極めた。僕はしばらく悪戦苦闘の毎日だった。
……そんな中、あるサイトを見つけた。『安価・お題で短編小説を書こう』というネットのスレッドだった。
ここは5つくらいのお題をアンカーで募集し、そのお題に即した短編小説を書くというサイトだった。
正直盛り上がりにかけるし、そこまで名作ぞろいというわけでもなかった。でも、短編と言うのがすごくよかった。僕はそのサイトに書かれていた物語を読んだ。
妹からは好評だった。
精神年齢が低いから物語の深浅は考慮されない。そして短編小説だから起承転結が短くて妹にも理解しやすい。
何より話し手である僕がすぐ理解して読み聞かせやすいというメリットがあった。僕はそのスレッドに常駐しはじめた。
「お兄ちゃん、今日もシンコウさんのお話ある?」
シンコウさんというのは僕が作った架空の人物だ。スレッドに投稿された短編は僕が書いたものではないので、勝手に自分や友達の名前を当てるのは気が引けた。だけど、人物名がないと妹に話しづらかった。
だからその時のスレッドのまとめ役である進行さんから名前をとって、シンコウさんの物語と名付けた。妹はシンコウさんのいろんな角度からの物語を楽しんでくれた。
……ただ、ここで困った事が起こった。初代進行役の人が進行役を辞任したのだ。これではこの短編を書こうスレが機能しなくなる。妹に聞かせる話がなくなってしまう。
だから……僕は2代目の進行役を買って出た。全ては妹のために。そして僕自身のために。 【シンコウさんの物語】(2/2)
……あれから一年、いろいろなことがあった。
短編スレは相変わらず低空飛行だし、書かれる短編も少なくなってきた。だから僕も彼らの努力を真似て、ちょっとした短編を考えてそれを妹に聞かせることも多くなった。
……僕が作った短編だと妹に妙に不評なのは気に食わないが。
ただ、ちょっと嬉しいこともあった。妹があるとき手紙を書いてきて僕に渡したのだ。
妹は真っ赤になってこう言った。
「お兄ちゃんは絶対見ちゃダメだよ。これもしシンコウさんに会ったら渡して? でもお兄ちゃんは中身を絶対見ないでね、絶対だよ!」
もちろん見るに決まっていた。だってシンコウさんは架空の人物にすぎず、2代目の進行役は僕自身なのだ。見ないわけがなかった。
全力でバレないように細心の注意を払ったのは言うまでもない。そして誰も見ていないところで手紙の中味を読み、その中身を見て僕は嬉しくなり、丁寧に仕舞い直してからある事を決めた。
僕が初めて短編スレに書く短編は、妹の手紙の内容にしよう、と。
…………
525この名無しがすごい!2018/10/21(日) 23:58:14.18
>>519
使用したお題:『一年』『進行が主人公』
【妹の手紙より】
シンコウさん、いつもおもしろいおはなしありがとうです。だいすきです。 >>523
二代目進行さん秘話と言ったところでしょうか?
しかし、進行さんへの激励に見せかけてスレ民皆への激励と言うw
ですが、有り難い事ですね
>>522
ギリギリまで、タカシの冒険シリーズにしようか迷いましたが、そう言えば前衛は既に飽和状態だったなとw >>523
ハッピバースデー、トウユー、ハッピバースデー、トウユー♪ なんだかんだで短編スレも満一歳! 今回お題は進行氏へのありがとうを乗せた感謝祭〜、523氏がお手紙を投函だッ
さあ、主人公が語り出すのは、体は大人・心は子供、精神年齢じつに五歳、無邪気で愛しき妹さんとの物語〜、学校と病院以外に現実を知らぬ、狭き世界の彼女を楽しませる使命を帯びて、
主人公はものがたる! 友達との会話、先生の愚痴からはじまり、轢かれた猫の悲しき話、はては小説と、読み聞かせのネタが広がり、ついにここ、短編スレへと辿り着く〜!
スレの司会役を承継し、二代目となった主人公こと『進行』氏、投下作品を妹さんに読んで聞かせて、あれから『一年』、彼女から届いた手紙を作品に書き直して投稿だァ〜、妹さんから進行氏とスレ民あてに届いた手紙、なんてなんて?
おいおい、だいすきです、だってよ! おいこれどうする、まいったまいったw 浮かれ喜ぶ短編スレ民、書くひとあれば読むひとあり! ひそかに読むひとだって感謝を伝えたいと、熱きラブのお手紙が、進行氏と皆にサンクスギビングだ! >>519 そして2いじり目。そういえば競馬実況さんはいじらなくていいのか?
使用したお題:『1年』『進行が主人公』
【情報過多】
人間と動物の違いってなんだかわかるかい?
二足歩行? 火を使う? 道具を作ることができる? どれも違うね。全部一辺にできるのは人間だけかもしれないけれど、できる動物はたくさんいる。
人間は情報を食うことができるんだ。
食う、という言葉が気に入らないのなら、こう言い換えてもいい。情報に飢え、情報を求め、情報を得ることができ、情報を加工し、情報を生かすことができる。古い情報を捨てることもできる。
これは人間にしかできないことだ。動物は肉や草を食べることはできるが、情報は食わない。
ん? 情報を食うと何が起こるのかだって?
そんなの日常に実例がいくらでも転がってるじゃないか。傘を持っていくかどうかの判断のために朝のニュースを見るだろう?
話題のラーメン屋のラーメンが自分の好みにあわなくても、つい美味しいと言ってしまうだろう?
ツイッターを見るのはなぜだい? 他人の情報が知りたいからだろう?
そして……これ以上生きるのが辛いと感じたら首を吊るだろう? どれも動物はやらない行動だ。人間にしかできないことなんだよ、情報を食うことは。
もし私の言っていることを否定したかったら、目や耳を塞いだ状態で1日過ごしてみてくれ。
目隠しをして、耳栓をして、鼻を塞いで、両手両足を縛って、その状態で24時間耐えることができたら私の意見を否定していいよ。素晴らしい忍耐力だ。
私だったら10時間はなんとか耐えれても、20時間は無理だね。発狂する。
閑話休題、人間は情報を食べることができる。では食べ過ぎたらどうなってしまうか、知っているかい?
肉を食べすぎると太る。砂糖を取りすぎると糖尿病になる。水を飲みすぎると過水症になって死ぬ。
何事も過ぎたるはなお及ばざるは如し。足りないのもよくないが取りすぎるのもよくない。では、人間が生きるために必要とする情報を取りすぎると、その人間はどうなるか。
情報を食べすぎた人間は、その人自体が情報になってしまう。
言ってる意味がわからないって? まあ普通の人はわからないだろう。情報過多となったその存在はまとめて情報となってしまうのだ。うん、わかりづらいかな?
そうだな、都市伝説や幽霊と言ったらわかりやすいだろうか。情報を取り過ぎた人は、生きたまま幽霊になってしまう。
誰もが知る、だが誰もが実態が見たことなく、そしてその生態が意味不明で、そんな存在になり下がってしまうのだ。口裂け女やデイダラボッチ、八尺様なんてのも元は普通の人間だったのかもしれない。
情報を集めすぎると、その集めすぎた情報を基に個人の人格が分離され、新しい人格として独り歩きしてしまうのだ。逆に言えば、世間を騒がせたかったら情報を大量に集めれば良い。
もっとも効率よく情報を集める方法は物語だ。物語は情報の宝庫である。たくさんの物語を簡易に集めることができるシステムを生み出せば、誰より早く幽霊になれる。
……これで私のやっていることの意味はわかったかね? 伊達に1年もつまらない進行役なんてやっていないよ。
これはつまり現代版の百物語だ。怪談話を一つするたびにろうそくを消していき、その数が100に達すると幽霊がやってくる。
では、一般で周知されている物語の場合は、どうなる?
……そろそろ1年だ。物語の数は……百物語の倍ほどか。ならば十分かもしれない。
フフフ、一体何が起こるだろうか。楽しみだ、ああ楽しみだ……。 >>519
使用したお題:『1年』『進行氏が主人公』
【スマイル】(1/2)
男は両のこめかみを親指で押さえながら、チェアの背もたれに寄りかかった。
ディスプレイの光が照らす眉間には悩ましげな皺が刻まれている。
――どうしてこうなった……なんで――
一週間前。
某掲示板上に存在する掌編小説の投稿スレッド、通称・短編スレで、進行役を務める彼は次のお題を募集していた。
その冷静ながらも大らかな司会、かつクレバーな差配は参加者の信頼を集めており、
開幕から無事に一周年を向かえたスレッドでは、労をねぎらい、男を主人公とした短編を投稿しようと、誰ともなしに話は盛り上がっていた。
「進行氏を主人公にする縛りw」「ムズすぎるだろww」「一番胸に沁みた作品を進行さんに最後きめてもらおう」
画面の向こうで楽しそうに騒ぐ住民達を見て、男は照れくさくも好意に気圧される形で「仕方ないね、いいよ」と承知したのだった。
しかしいざ作品の募集を開始してみると、投稿は一切なく、あれほど騒いでいたスレ民らは死んだようにおとなしくなった。
男の心に懸念がよぎる。
――な、なあに、期限は一週間ある。構想を練っているんだろう。愛いのう、愛いのう――
だが、期限まで二日を残して金曜を迎えるにいたっても、スレッドにはまったく動きがなかった。
こうなると鷹揚に構えていた男にもふつふつと焦りが生じ始める。
キーボードを叩き、「投稿まだかな」「ワクテカ」などと書き込むが、住民達は石像にでもなったかのようにビクともしない。
――えっ何で?? あんなに盛り上がってたのに、何で誰も投稿しないの……俺が主役ってそんなにやりにくいか? いやいや……どうすればいいんだこれじゃ一周年が、俺が微妙なために失敗みたいだ――
土曜。
何も動きがないスレッドの画面を虚ろな目でじっと見ている自分に気づき、男は慌てて顔を洗った。
日曜。時刻は二十時。
タイムリミットが二十二時なので残り時間は二時間だが、投稿はない。 【スマイル】(2/2)
差し迫った刻限を前にして、男は逃げ場のない窮地に追い込まれていた。
寝起きのままの髪の合間に血走った目を光らせて、うろうろと室内を歩く。
投稿はない。更新ボタンを連打するが投稿はない。何も変わらない画面が歪んでいく。
――……俺のせいじゃない、俺のせいじゃない、俺のせいじゃない――
スレッドに書き込みが一件あり、飛びついてみてみるが情報商材の釣り広告だった。投げつけた携帯がベッドの上を跳ねて、床に落ちた。
男は鼻息を荒くしてPCでタイプをはじめる。最後の手段に出るのだ。
自分のおもしろ話を自分で創作するという暴挙。
自分が笑い、自分が泣く、自分が苦しみみ、叫ぶ、その悲喜こもごも、カタルシスを自分で書いて、投稿ゼロを防ぐ。凶行である。
男を主人公とした短編をお題にしようと話が出たとき、「そんなのムズムズするわww」と恥じらってみせたのだった。
住民に気圧される形で苦笑しながら「仕方ないね、僕をいじりなよ」と承知したのだった。エンターキーに指を叩きつける。
ずいぶん遠いところまできてしまった。
――ちきしょう、よ、よし、これでいく、ちきしょう――
正気を失いかけた男の目に、書き込み新着のアラームが飛び込んだ。
――!?――
525 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:28:14.18
【妹の手紙より】
シンコウさん、いつもおもしろいおはなしありがとうです。だいすきです。
男は言葉を失った。目の前の稚拙な文体には何の飾り気もなく、それどころかお題を遵守しようとしようという気概が感じられなかった。
子供がメッセージとして打ち込んだとしか思えない無邪気な文章である。
おそらくはどこかの幼い読み手が、男に感謝の念を伝えたくて、暴発するように書き込んだものと思われた。
数分間、彼の頭は真っ白になったあと、頬にはひとすじの涙が伝い、「ありがとう、ありがとう」と声が出ていた。
――もはや、これだけでいい。いや、これだけが、いい――
涙は止まらず、震える手で、途中まで作った自分の泣き笑い冒険譚を消していく。
喉を震わせて、しゃくりあげていると感動のフィナーレこと刻限が数分後に近づいてくる。
――!?!?――
すると、書き込み新着のアラームが続く。
529 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:55:29.77
【あの進行さんがアヘ顔ダブルピース!?】
……
530 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:58:12.33
【いけ、アヘ顔ダブルピースだ、進行氏】
……
二個、三個、四個、五個……。投稿されるシモネタの重複、重複、恐ろしいことにすべてネタが重複している。
住民らは前回のお題、アヘ顔ダブルピースと男を何とか組み合わせよう、それを間に合わせようと、我を忘れて四苦八苦していたのだった。
「…………」
いま、進行と呼ばれる男は画面の前で硬直している。
涙はシモネタによってすっかり乾燥し、住民らの意味不明な情熱を前に口の端が引きつっている。
それは笑顔である。進行役をこなす、彼にしかできない唯一無二の笑顔である。
ネタがシンクロした奇跡、純粋な感動がシモネタに汚されたショック、虚脱した責任感の入り混じった複雑な、しかし笑顔なのであった。 >>527
ノンノン、進行氏に花束の回だぜ527氏? で、一夜毎に一作とは、すばらしい回転能力だなw ってことで二作目に挑戦だ〜、人外なりゆく人間の、人間による、人間を超えるためのスレ活用〜!
さあ、短編スレ一周年、物事を振り返るいい機会だ、ここはひとつ人間の人間たるとは何か皆で考えてみよう〜、火を使う? いやいやそんな鳥がいるって聞いたことあるし、道具を使う? サルがいるし〜
うーん、答えは? 情報を使う! なるほど、ラーメン屋の評価に合わせて自分の意見を修正したり、SNSを漁ったり、追い込まれれば自死すら選択できる情報嗜好者、それが人間だと〜確かに〜
じゃあ情報を食べ過ぎるとどうなるか〜、たとえば物語が集積される短編スレで、『一年』ほど投稿される作品を喰らい続けたら、人は人外になれるのでは、
ってそうニヤリと語るのが、何を隠そう、語り手となった『進行』氏だァ! 楽しみだ、ああ楽しみだと人間の範疇を超えゆく進行氏に527氏がエールを送ってお題をクリアw 人類超越ENDで二発目をキメた!!
>>528
自作!
進行氏、いじりすぎてたらすまんw 相変わらず自作には謙虚な競馬実況さんに草
というか、そうか。あえて書かない方が進行さんイジリとしては上級だったのか。そこまで考えつかなかったは うん、あえてシリアスにして動揺させる、という手もあるかもw 競馬実況氏の目論見通り、読んでてイロイロ動揺しまくってるw
日曜にまとめて全部感想書きますが、なんかこう、恥ずかしいけどどれも凄く嬉しいね……不甲斐ない進行ですがこれからも頑張ります! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています