>>938
読みました。
かなり書き慣れていらっしゃるようにお見受けしました。
文章表現の細かいところはほぼ言うことが無いです。
一点だけ少し気になったのは、冒頭、
>連中、こちらの様子に目ざとく気付いて一斉にライトを浴びせてきた
>逃げるように廃墟の暗闇へと引っ込んでいく、この悲しい少年の名は、阿孫
最初の文は主人公の視点で描かれていますが、その直後に、外から主人公を見る赤首たちの視点になっています。ここが少し混乱を招くかなと思いました。
冒頭ということもあって地の文がどの視点で描かれるかも分からない段階でしたので、余計に気になりました。

また、冒頭で廃墟を進むシーンは、本当に肝試しをさせられているものだと思って読んでいたので、突然現れた少年に驚きもしない主人公にあれ?と思ってしまいました。
物語の先で何が起こるかは分からなくとも、いま何をしているのかは読者にズレなく伝わると良いのかなと思いました。

第一章ということで、なかなかの文字数になりますが、これといって盛り上がる場面がなかったように感じます。
入れ替わりで赤首を欺くシーンなどは、もっと緊迫した状況にすることも可能だと思いましたので(赤首を引き付けて逃げるなど)、少し物足りなさを覚えました。

最後に、これは自分の好みでしかないですが、
この話のラストは『僕の血は爆ぜるんだ』で終わっても良いかなと思いました。
読んでいて、なるほどそう来たか!と思わされた面白いシーンだったので、その一番面白いところでスパッと切ると、もっと続きが気になる終わり方になるんじゃないかな、と。
ユナボマーの能力は見事に隠されていたと思います。主人公の能力を出す前にライターの伏線を置いておくのは見事ですね。そうすれば血が爆発物になるという発想に至れるはずがありませんから。

全体的に読みにくさを全く感じさせない巧みな文章でした。
掴みという点では少し弱いかなとも思いましたが、
能力の内容も面白く、個人的にはこの先が気になるお話でした。