>>655続き)

こんなことを言っちゃうと、出版社さんにメチャクチャ怒られるけど、
次に作る絵本『えんとつ町のプペル』は、もう一冊も売れなくてもいいんです。
#嘘です #1000冊ぐらいは売れて欲しい

そのかわり、何の宣伝(チラシ)でもない、他の何の為でもない、
「ああ、僕はこれを作り上げたんだな」と自分を納得させる為だけの一冊である必要がある。 
その仕事をやり遂げるまでは、気持ちよく次に進めないんです。

なので、誰からも求められていないのに、今僕は絵本『えんとつ町のプペル』を作っています。

絵本として作って、映画化した作品を、再び、絵本として再構築する作業というのは、
過去の僕が出した答えを片っ端から否定していく作業でもあるので、苦行でしかありません。
しかも、その仕事をやり遂げたところで、何にもならない。
ただ、自分に決着をつける為だけの作業が、これから2~3年ほど続きます。

自分のペースは崩れ、人生は蝕まれ、こんなに振り回された作品は初めてです。
作家としては『えんとつ町のプペル』は「呪い」でしかなくて………
筆の進みは遅いし、かと言って抜け出せないし、
この1週間で1万回ぐらい溜息をこぼして、5万回ぐらいハゲました。

時々、夜中にYouTubeの生配信をしているのですが……あれ、作品から逃げてるんです。
まったく、みっともない話ですが、人肌に触れたいだけなんです。
たいして喋りもせず、黙ってコメント欄を見ている理由は、それです。
あれを挟まないと、気が狂いそうになるんです。

…誰が共感できるんですか、こんな話(笑)

とにかく、呪われたら最期。
賽の河原の石積みが如く、終わらないんです。
やってもやってもやっても、終わらない。終わりがない。