夫婦別姓に反対するもう一つの理由は、これが多様な価値観を制限するからである。

「姓」には少なくとも2つの考え方がある。
「姓とは家族名である」か、「姓には個人名としての意味しかない」か。

現行制度なら両者ともに価値観を尊重される(姓とは個人名の一部であると同時に家族名でもあるからである。)が、夫婦別姓が導入されたら、例えそれが選択的夫婦別姓だったとしても、「姓とは家族名だ」という価値観は完全に否定される。
(別姓夫婦が1組でも誕生すれば、「姓の違う家族」が存在するからである)

夫婦別姓を望む人々は自分の価値観が通れば他人のそれはどうでも良いのかも知れないが、反対派はそうではないのだ。
互いに異なる価値観を尊重しようとしているのは別姓反対派のほうである。