【タイトル】 ヘルターズ
【作者】 ケケー
【投稿場所】 コンテスト
【プレイ時間】測定ミス
【クリア済/未クリア】クリア済
【レビュー】
前作?をやった際にわざわざ返事をもらったこともあり、個人的にプレイ。

アドベンチャー風?の画面構成が特徴の作品。作者がこの画面構成を続けてきた為か、OPからこなれた様にフックのある演出が光る。自分のアンテナ上ではこの画面手法を最も使いこなせているのではないかと感じる。

内容はタグ通りのノベルゲーム。基本見る。しかし見るだけながら、ハッとさせられたり、うおお!という気になるのは文章力の賜物か。

少し早い展開があるのは熱くなっているから、とは言えないが、物語としての魅力は衰えない。プレイヤーを駆け抜けさせるパワーがある。

しかし難点もある。ひとつは何故に戦闘に類するものをつけなかったのかなという思いが強い。今は無くなっているが「おれが魔王だ!」という作品でも戦闘は良い刺激になっていた。好きな部分だった。刺激は欲しい。

あと娯楽物ではデリケートな部類だが、名称そのままに現実的な政治話が入ってくると一気に現実に戻される。
現代設定で貫いている辺り、こだわりなのかもしれないが、割とこの熱い文章で導かれる物語の中にいたいプレイヤーは多いのではないだろうか?せめて物語上の政治話に変換してくれると教訓として味が出るが…

一方的な主張を入れている訳でもなく、それができないとは思えぬ構成力もあるため、自分はこだわりと受け取った。

そんな事を述べた後でなんだが、日本とアメリカのキャラは個人的に好きな野郎だった。基本この作者はプレイヤーを熱い気持ちで駆け抜けさせる力はあるので、読後感が良い。これはとても羨ましがられる力だと思っている。

極端に受け取られやすい作品だろう、でも熱くなれることは確かだった。それは読み物として大きいと思う。

総評は以上だが、個人的にこの作者の文章で書かれた完全オリジナル物で、メタ発言やキャラ崩壊台詞もなく、その世界に浸れる作品であればとてつもない熱量が生まれそうだなぁとか思う。

同作者の物を二作やると余計な事まで考えてしまうが、それもプレイヤーの性でしょう。そして二作ともに強い魅力を感じたのはきっと俺だけではないでしょう。

ひとつ面白い作品を作れる人はやっぱり強いなぁ、と思い知らされたよ。