◆評価(レビュー)
【タイトル】俺は魔王だ!!ver.2
【作者ID】ケケー/7944
【ジャンル】ファンタジー/現代/ノベル/王道
【プレイ時間】50分
【クリア済/未クリア】クリア済
【レビュー】
Lv.99の勇者に攻め込まれる魔王のお話。
レビューで散見して興味があったので、更新版が出たこの機会にプレイ。
面白いとの評判だったが、結論から言うと少しガッカリな作品だった。というのも別につまらなかったわけではなく、惜しいところが多かったという意味で。

基本的には読み進めるだけで間に何回かデフォ戦が入るゲーム構成。
メインであるストーリー部分は面白かった。かなり熱い。
促音や感嘆符が多く使われ、過剰なくらいにSEがあって勢いがある。正直、所々うっとうしく感じたのは否めないが、まあ憎めないし、この作品の特徴を表していると思ったら楽しめた。
話の構成もしっかりまとまっていて、キャラも立っていたのでストーリーの完成度は申し分ない。

ただ、先に述べた通りがっかりする点として、間にあるデフォ戦がストーリーへの没入感を大きく阻害しているように思えた。
例えば、戦闘で全滅しても何事もなくピンピンしていたり、チートアイテムが簡単に使えたり。
前者は死への扱いが軽く感じるので、力の差を見せつけるシーンや、ラスボスが仲間を痛ぶってくるシーンがいまいち映えてなかった。
そして後者は特にガッカリポイント。この作品でデフォ戦が採用されているのは強敵に立ち向かう緊迫した戦いを体感させるためだと踏んでるが、チートアイテムがあるせいで全て台無し。
これで勝ったあとに魔王が「仲間のおかげで〜」とか言ってたのはさすがに冷めた。
簡単に相手を殲滅できるアイテムを持ってる魔王が仲間捨てて逃げるのもおかしいし、ストーリーとの整合性を無視して中途半端にデフォ戦入れるならむしろない方が良かった。
というか戦闘バランスにおいても、何度もリトライできるわりにはパターン行動が少なかったり、全体麻痺をぽんぽん打ってきたりと運要素が強かったので、お世辞にもいいとは言えない。特技やアイテムのフレーバーテキストが適当なのも目につく。
ストーリーの面白さを助長する要素がひとつもなかったので、正直こんな中途半端というかむしろおざなりなデフォ戦は入れなくてよかったのではと思った。

ストーリーは完成度高かったので、ノベルゲーに徹してれば☆4〜☆5で入れてたのだが、デフォ戦のある作品としてゲーム性の観点も含めると☆3。
個人的に惜しい作品だった。