ま、誤解を恐れずにいえば、
人里離れた古いお城やお屋敷を舞台にした、
おどろおどろしい雰囲気の怪奇小説+恋愛小説。
ゴシック小説ってのは、そんなものではないでしょうか。

なぜ恋愛?と言われるかもしれないけど、
もともとはゴシック小説ってのはロマンス色がとても強いのが特徴なので。
そして、主人公は女性であることがとても多い。

身寄りのない孤独で薄倖なヒロインが、不気味な古いお城に連れて来られて、
もっとも頼りにしている男性、
つまり夫とか恋人とか足長おじさん的後見人が、
実は自分の敵なのかもしれないと、恐怖と疑惑に震える。
そういうのが典型的なゴシック小説じゃないでしょうか。
誤解を恐れずにいえば。

『ジェイン・エア』
『レベッカ』
とかね。
『嵐が丘』もそうだろうし。

日本でいったら
綾辻行人の『暗黒館の殺人』なんかはまさにそうでしょう。
ただ、女主人公が男ってところが日本的なのかもしれない。
これ、欧米の作家なら主人公を女性にするんじゃないでしょうか?