作家別爆発音スレ
小説
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚きながら振り返った。」
ラノベ
「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁ、とか そういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにしたのである」
山田悠介
「後ろで大きな爆発音の音がした。俺はびっくりして驚いた。振り返った。」
司馬遼太郎
「(爆発−−)であった。余談だが、日本に初めて兵器としての火薬がもたらされたのは元寇の頃である…」
村上龍
「後ろで爆発音がした、汚い猫が逃げる、乞食の老婆が嘔吐して吐瀉物が足にかかる、俺はその中のトマトを思い切り踏み潰し、振り返った。」
奈須きのこ
「――突如、背後から爆発音が鳴り響いた。その刹那、俺はダレよりも疾く振り返る―――ッ!」
京極夏彦
「凄まじい音とともに地面が揺れる。――爆発、ですか?私が問うと、彼は白湯とさして変わらぬ出涸らしをすすり、 ――だから何だと言うのか。と答えた。りん、と、何処かで風鈴の音がした。」
西村京太郎
「後ろで、大きな、爆発音が、した。十津川は、驚いて、振り返った。」
馳星周
「爆発音――偶然にしてはタイミングが良すぎだ――頭の中で警報ベルがけたたましく鳴り響く――舌打ちしたいのをこらえながら後ろを振り返った。」
村上春樹
「やれやれ、そして僕は爆発した。」
「後ろで大きな爆発音がした。あるいは気のせいかもしれない。とりあえず今は驚いて振り返る前に、まずパスタをゆでようと思った。」 / / //
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ゞニニ二 -(/∂-‐// ――で。
俺はその時唖然としていた。
まさに口を「あ」の形に開いたまま、まるで阿呆の様に固まっていたのである。
開いた口が塞がらないとは昔の人は良く云ったものだなぁ――などと、今更改めて
しかもまったく意味のない感心などしていたりもした。
唖然としていた理由は云うまでも無かろう。
俺の後ろから突如地響きを伴って鳴り響いた大音声ゆえだ。
そしてその発信源におわすのは誰であろう、本邦唯一の雷管にして
丸々と肥えた珪藻土にグリセリンをみっちりと染み込ませたダイナマイトによる
大ハクハツであることは、振り返って見るまでもなく明らかだった。
ちなみにこのバクハツ。漢字で表すなら当然「爆発」の二文字になるわけであるが
俺の中の印象ではあくまでも「バクハツ」と片仮名で表記するのが正しい。
ただしこれは別に馬鹿にしているわけではない。
馬鹿にしているわけではないのだが、それでも斯様に街中でいきなりボンボンと
破裂されては、こちらだって堪ったものではない。明瞭り云って迷惑である。
そうは云っても、本人はそんな世間の迷惑などどこ吹く風といった態度だから始末が悪い。
まさに出物腫物所構わずを地で行く勢いである。後始末をする俺なんかは出物も腫物も
所構ってくれと言いたい気分なのだが。
京極夏彦(沼上文) 「ほら、爆発しちゃったじゃないですかあ」
そう云って、探偵助手の益田龍一は僕の前に廻り込むと
まるで人の体を盾にする様な体勢を取った。
やけに長い前髪がしなりと顔に掛かり情けない雰囲気を醸し出している。
手には何故か布テエプで補強した箒を持っていた。
事務所に入るなりこれでは何がなんだかさっぱり分からない。
――神田、榎木津ビルヂング
薔薇十字探偵社の事務所である。
「何なんですか益田さん、藪から棒に」
僕がそう云うと探偵助手はうけけっなどという珍妙な感嘆符を発し
「あれ?本島さんじゃないですか?貴方こそ何で?」などと無茶苦茶な質問を口にした。
「何ではないでしょう。こう見えても僕は客――依頼人ですよ」
「うわあ、依頼ですかあ。選りにも選ってこんな時にねえ」
そう云って益田は情けない顔を事務所の奥に向けた。
其処に目を向けると、丁度窓から差し込む光を受け全身が陰になる様な形で
この部屋の主が立っていた。
「やはりお前は大馬鹿か!大馬鹿だな、この泣き下僕!」
部屋の主はいきなり大声でそんな暴言を吐いたと思うと、
さらに輪を掛けて訳の分からない誹謗とも中傷ともつかない言葉を捲し立てた。
「これじゃあどかーんにぼかーんの大爆発だ!木端微塵のプランクトンだ!」
「おや?君は何時か何処かで会って僕に大層な恩を受けた事のある、確か爆発五郎くんじゃないか!」
京極夏彦(本島文) >>184
まともな感覚
「驚いて振り返った」だよな、人並みの文章力があれば 魔夜峰央
爆発音がした。
ロンドン大使館の決算報告書をチェックしていた若手武官が、操作していたPCのキーボードに突っ伏しながら、恐る恐る首をねじ曲げ音の聞こえた方向を振り返った。
「1号!6号!」
この部屋のもっとも奥まった位置にある少しばかり大きなデスクで、並んで決済待ちの書類の山と向かい合っている二人の武官に震え声で呼び掛けた。
「うん?」
1号と呼ばれた年長の方がおもむろに顔を上げた。
年齢と威厳と、何よりこの部隊のリーダーを長年勤めてきたことによる心労の深さがそのまま目尻の皺となって刻まれている。
「なんだ新入り君。下読みは終わったのか?」
爆発音など皆目意に介していない落ち着きぶりである。
「いや、だって今の音!」
「6号」
1号が傍らに座って黙々と書類に目を通している、やや年下らしい同僚に声をかけた。
「なんだい」
「いま殿下は何をやってる?最近古巣の陸軍に出張ってたから顔を見てないんだが」
嘆息しながら彼らの主人の動向について尋ねた。
「最近は…そうそう、例の“20ミニッツ”か、あれを改良したいらしい」
「改良?」
「と言ってもスペックダウンしたいらしいけど。今のままじゃ使いづらいからってね」
「確かにあのままじゃ殿下も含めて誰も得しないしな。せめて7デイズくらいにしないと話にならん」
新入りの恐慌をよそに話し込んでいる。
「あ、あの!」
「なんだい」
1号6号が声を合わせステレオで応えた。
「その、さっきからおっしゃってる20ミニッツって何なんですか?それが爆発したんでしょうか?」
「大丈夫だろう」
もはや爆発音そのものには何の関心も持たない様子で、書類に視線を戻して1号が答えた。
「全人類を20分で滅亡させる大量殺戮兵器だ。それが爆発していたらこうやって仕事はしてない」