>>648
清張の本来の小説の良さが分かるのは
十代じゃとても無理だよ
読んでる読書の数も知れてるし、だかだか人生経験も知れてる

清張の良さはミステリーの概念だけでなく
そこに社会派として金と名声にまみれて転落していく様
女の情念、女との不倫の末に身を滅ぼす男
金と政治と汚職 定められた運命に逆らうかの如く人間の真っ当さ、ずるさ
そういうのが全部ミステリーの中に交差していくところが真髄

そういうのは、働いた事もなく狂うほど人を好きになった経験もない
十代や若い時には、しっくりこなくて当たり前 
言葉の紡ぎ方も、細かい絶妙なトリックも、話の深さも正直読みこなせないと思う

清張の小説の良さが本当に味をしめて理解し分かってくるのは
40代以降〜それまでの概念がくつがえされる程、清張のトリック、人間の書き方の極みが分かる
だから、時を超えても、色褪せない 時代設定は古くなっても人間の底に潜むものは変わらない
宮部みゆき始め、今のそうそうたるミステリー作家がみんな清張をリスペクトしてるも納得なんだ