【金字塔】横溝正史 第六章★
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>>537
まあ「ことだしするから」の前の「よござんす」ってのを佐武が使うのも違和感あるw
あと当時はヒラ刑事が署長を「署長さん」なんて高校球児の「監督さん」みたいに
言っていたのかもw >>535
…はいいのだが、直前の宣伝で欽どこなどに出て、
「わたしの初めての○○○役。○○○を○○して最後○○しちゃうの。頑張ったので見に来て下さい!」
と言いまくって横溝センセイを唖然とさせた この人の作品で一番犯人が意外だったのは「夜歩く」
クリスティのあの作品も知らなかった頃に読んだので余計に意外に感じたのかも 横溝センセ自身はクリスティの意外な犯人にすごく感心しているけど、
センセ自身はそこの素質はなかったように見受けられる。
やっぱ雰囲気と物語を読ませる力のほうだろうね。 人面瘦のトリックと犯人の人物像はよく出来ていた
あんなに尤もらしい犯行の動機と犯人の体格から成せる殺害方法を描いたのは見事だな 本陣なんかでも「すげえトリック、そう来たか!」というより
水車や琴とかの使い方が素晴らしいって感じでやっぱり雰囲気。
密室になった理由もちょっと無理があるっぽいしw 乱歩氏は本陣殺人事件の犯人の動機は無理があると話してたね
横溝氏もその批評はもっともだと小林信彦氏との対談で話していた 映画の東京物語を見ても戦後すぐから核家族が進んでる事は分かるしね
横溝氏の姉が田舎に嫁いでその姉の話から家柄、という言葉を聞いて
そんなものは当時の東京でも既に死語だったのに、そんな概念が未だに残る田舎に興味を持ったという話を聞いた
だから、現代の価値観で当時の風俗を検証しても概ね価値観が大きくズレるという事は無いと思うし
であるからこそ、横溝氏の小説を今読んでも全く古びた趣を感じないのだと考える 長編は全部集めた。ブックオフが20%OFFデーなんで七つの仮面、悪魔の降誕祭、
双生児は囁くを買ってきた。買ってない短編があと4つあったが状態が悪いから
新品買うわ。 >>533
惻隠の情は、今でも割と使うでしょ。
俺は中学の漢文の授業で知ったな、孟子だったか? >>544
戦前の階級意識や貞操観念を背景として潔癖と虚栄心を拗らせたら
あの動機で殺人を犯しかねないのかなと納得してたけど、作者本人が無理があるって言ってんのかい笑 >>547
うん、惻隠の情は、最近の著者では数学者でエッセイストの藤原正彦がよく使う
なにか大きな事件があり世間やマスコミが責任者を袋叩きにするたびに、近ごろの
日本人には惻隠の情が無くなったと嘆くというパターン >>548
正直、動機づけに関しては本陣に限らず横溝センセ自身本気で信じている感じはしないな。
まあ動機づけに本気になったらミステリーじゃなく純文学のほうに行くと思う。 本陣のキテレツなトリックは、奇妙なことにこだわりがある犯人の特異な性格があってこそ成り立つものだろう。狂人の理論だが、その立場に立つと整然と理屈が通っている。
チェスタートンから続くミステリの醍醐味じゃないか。近い作例で言えば、大坪砂男の天狗もそんな感じ。一回りして、横溝の作品としてはむしろ一番現代的。
惜しむらくは、先生自体がその斬新さに気付いていないこと。もう少しこってりと書いてほしかったね。
ここは一部を除いて表面的な読みしか出来ない、幼い人たちが多いので、犬神家のような、駄作とは言わぬが俗っぽい読み物の評価が高くなってしまう。 戦前だったら十分ありうる話じゃないかなぁ、と思って
読んだけどな ミステリーでは動機が一番犯人をたどりやすいルートだから、そこのガードを固めた作品が多い
その代償として、本格ミステリーには動機の説得力に欠けた作品が多いように思う
かといって、犯人はサイコパスの異常者という設定では、何でもありの逃げ道になってしまうからなぁ.... 金田一が犯人と言った人間が犯人ってのは結構究極的だは つまり作者がこいつが犯人と言ったら犯人なんだつうことでつよね。 「悪魔が来たりて〜」の曲って古谷2時間で流れてたけど実際に譜面ってあるの? 仮面舞踏会とか色盲の下りが分かりにくい
刑事が畜生と毒づくのも無理は無い やはり・・・
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10110442490
〜無いです。日本では、まず「私立探偵」という職業自体がありませんし、実際に存在する、会社としての探偵業の主な業務は「身辺調査」です。
浮気調査や、身元調査等。
ですから、殺人事件に探偵が借り出されて、ましてや推理をするなど、120%有り得ません。
警察の捜査でも、「推理」なんてしませんよ。
自供が無ければ、物的証拠、状況証拠で固めていき、事件を立証するというやり方です。 クロロホルムも実際にあれで人が昏睡するレベルだと死ぬらしい
犬神家で佐智がハンカチにクロロホルムを染み込ませて珠代を昏睡させたけど
薬局屋であった横溝氏は流石にファンタジーとして扱っていたと信じたい^^;
あんな都合の良い薬剤ありますかって 今さらそんな野暮な事でマウントとったつもり?
2chが出来る前から言われているんだけどね
ずいぶんとまあ時代遅れなことで 本陣のトリック分かりにくいけどドラマで確認したら滅茶苦茶怖かった。
ネタバレ無し 今横溝さん生きてたらドンファン事件や世田谷一家事件を題材にしそう。 「ニュースの加藤シゲアキ君。私の縁戚のティーンエージャーの女の子たちも彼らに夢中らしいが、
忙しいタレント生活のさなか作家活動も行っているとのこと、なるほど、洗練された美貌の中にも、
飄々とした知的な雰囲気も感じられ、平成最後の金田一耕助としてはまことにうってつけである」
これ絶対言ってるw 時間的制約のある映画では
八つ墓村で典子がカットされるのは仕方がないと思うけど
古谷一行のドラマ版では原作に忠実に作って欲しかった
あれは典子以外のシナリオも変えちゃったしね 達也を演じた俳優さん誰だっけ?
まだ生きてるよね。 年末年始に人面瘡を読んで
何でこの時期にこんなグロいものとクラクラしてきたw
表題作、こんな男と結婚とかそれ義理立てちゃうの?と思った
どれもよかったけど設定が被ってるもの多いわ 人面のは最後供養したんだっけ
ほんと泣かせるの上手いわ 幽霊座とか昔の書籍にしか無いんでしょ?集めるの大変だな。
電子書籍は嫌いだし。 >>557
譜面はあるのかねぇ?でもなんか作品にあった物悲しいメロディーだったな
西田の映画版は見てないから知らん 電子書籍が文字の大きさや行間の間隔も変更できて便利 西田版のテーマ曲「黄金のフルート」を作ったのは後の人間国宝、山本邦山。
そして吹いているのは、実際に正史にこの小説のインスピレーションを与えた、隣家に住んでいた植村泰一氏。
もうこうなると、欠けた指とかどうでもいいくらいの因縁の曲。 現代作家の文章に比べるとどうしても読みにくいな横溝 読書メーターなんかで「びっくりするくらい読みやすい、
古い文章だと思って読まないでいた自分を罵りたい」
という感想が無茶苦茶多いがなあ
基礎の出来ていない現代作家の悪文には、3ページも
耐えられないものがゴロゴロしてるから、長く読まれて
いるものはやっぱり違うと思う。
「忖度」なんて言葉も横溝で知ったという世代もいるしw >>567
変なアレンジ加えるよりは典子含め諸々忠実にやってほしかったね
忠実に丁寧にってのはやはり映画や単発SPドラマより
連ドラが向くだろうから >>583
でもあれは仕方なかった面もあると思ってる。
少しブランクがあっての人気シリーズ2のしょっぱな作品だったし
(八つ墓を2の一番に持ってきたのはうなずけるし)
確か渥美金田一の映画を先にやられたから変えたかっただろうし
また原作は推理ミステリーより冒険小説的要素が強いしで、
なんかシリーズ1でかもした雰囲気に近づけたかったゆえの改変かなと。 典子は知的障害があるけど主人公はその子と結婚した訳だし
差別反対とか表向き綺麗事だけ唱える現代の方がよほど酷いではあるよな
結局、ソイツラが一番障害者に向き合ってないだろっていう
横溝氏はその点でいうと先進的だったのかね >>584
今話してるのは主にアレンジ部分の是非でなく典子カットの是非だよ
渥美版は原作に忠実ではなく
典子も出て来ず別人物ヒロイン(とも言えないか)にしたんだから
連ドラで典子を出すのはやめる理由にはならんし
典子含め忠実にやればそれだけで映画版とは違う物になった >典子含め
って言ってるってことは『典子外』のことも範囲に含まれているってことじゃん 横溝正史の幻の続編!
あの忌まわしい獄門島で起きた事件から20年………失踪したあの者が再び島に帰ってくる!
獄門島(下) 乞うご期待! しかしあんな事件あったからそののちは分鬼頭の天下になってるかもな。
本鬼頭は後見人たる和尚、村長も失ってるし。 しかし了沢が早苗と結婚しそう
網元と僧侶のハイブリッド権力 すると今は95歳と云ったところか。しかし私にはS・Y先生が思われた印象と
同じく、金田一耕助を目の前にして35,6歳に見えるのであった。 湖泥、メインはブラウン神父時代からのパターンだけど
犯人の叫びは凄く重いなと思った 最初に横溝氏が想定していた獄門島の犯人誰だったんだろう?
奥さんの指摘で変更したんだよね
島民の思わせぶりなセリフで『早苗さんも、昔はやんちゃだった』みたいなのがあった気がするので
案外早苗だったのかなと思ってる まああまり設定に変更なかったとみるとやっぱり最初にやった人じゃね。
黒猫亭でもこの職業の人犯人にしているし。 >>595
初読、早苗が犯人だと思った
うる覚えだけどアリバイ的には早苗の犯行可能だった記憶 細身の未成年女子を吊り下げるくらい、犬神の犯人に比べたら >>587
いやだから映画版が割と原作に沿ってないんだから
ドラマ版で典子も典子以外の部分も原作に忠実な内容にすりゃ同じにならんだろ
馬鹿なのか 原作と同じにしてもつまらんだろ
原作の臨場感は小説でしか再現できないのであって 序盤で猿蔵が湖に落ちた珠代を救う時に
腕を水車のように回して泳いで行ったとあるが
ボートが沈没する時の混乱や違和感の描写、慌ただしさといい
あれを忠実に映像化するのは並みじゃないし
文章の情報量がもたらす映像力の方が並々ならぬものがある >腕を水車のように回して泳いで
アメリカンカートゥーンによくあるやつだなw 珠世はともかく、猿蔵まで湖に浸からせなかった去年の犬神家 佐智が襲う場面も湖上じゃなかったしね。
まあテレビドラマだから 昔、ジャネット・エバンスという、オリンピックで何個も金メダルを
獲った名選手がいたが、彼女の泳ぎ方はまさに水車泳法で、普通の
クロールと違って、腕を真っ直ぐに伸ばして水車のようにグルグルと
回していたよw 晩年に書かれた病院坂などは文章が現代的で読みやすいが
大半の作品は時代を感じさせる古い言い回しでやや読みにくいな 磯川・等々力両警部が共演した作品読んでみたかったな しかし働かなくても炊事洗濯掃除全部やって貰えて小遣いもくれて
たまに大金が入ると温泉に長期宿泊とかいいご身分だなw 鬼首村って風光明媚なところでもなさそうだし、料理も山村の素朴なものしかなさそう
春は山菜料理、秋から冬にかけては猪鍋が食えるという程度では
金田一みたく行く先々で事件に巻き込まれる才能の持ち主なら退屈しないだろうけど
一般人には娯楽や気晴らしが少なすぎて辛そう
われわれの場合は、もちろん、横溝作品の読書三昧という楽しみがある >>615
「堕ちたる天女」
言っているのは書く予定だった長編のことだとわかっているけどね。 鬼首村最大のレジャーは、ブレーキの壊れた自転車によるジェットコースター体験記 >>621
そうです。あと金田一と等々力警部が捜査を巡って対立しちゃうやつも。凄い気になる 金田一初期の作品の文章が好きだけどな
山崎豊子とかああいうのは全然読めん
比べると情緒が足りない ここら辺が獄門島が名作とか言われて釈然としない不思議
それこそ雰囲気小説じゃん
○○はともかく後の二人が犯人である必然性が示されていないし >>627
書き方の比重は明らかに〇〇だよね。あとのふたりは付け足し。
センセご夫妻には悪いが、犯人は〇〇ひとりでええかと思う。
(まあ本当の犯人は背後にまたひとりいるわけだが)
まああれが名作と言われるのはやっぱキチガイじゃがショックが大きいんでない? >>628
戦後直後という環境を巧みに作品に取り入れたという意味では傑作だと思います
しかし巷で横溝氏随一の傑作、戦後初の本格探偵小説と持て囃されるのは納得が行きません
読む前のハードルの高さに期待をして肩の力を入れて読むと、若干肩透かしを食らう印象ですね
読み物しては間違いなく文句はありません 島というクローズドな環境が雰囲気の不気味さに華を添えているという評価にも違和感
普通に船で行き来できるのではないですか?
意外と島の人達というのは牧歌的で、そこまで閉鎖的な環境という感じも覚えなかったんですよね
横溝氏の意図を離れて読み手独自の解釈がなされたのではないでしょうか 『戦後初の本格探偵小説』の称号はどっちかというと本陣に与えられている気がするけど。
まあ私個人の話をしてすまないのだけど、自分は田舎が実際に瀬戸内海の島なのだけど
あの獄門島には島の匂い、潮の匂いがしないのがダメだわ。
あとで知ったらやっぱり横溝センセは島には行ったことがないんだってね。
人づてに聞いた話で書いてる。だからってのもあるかもしれん。
でも自分は正直「キチガイじゃが」も別に大して感心せんかった。強がりじゃなくて。
だってそんなこと言った奴が犯人に決まってるじゃんと思ったしw 歴史的名作に何とか因縁をつけようとしても、頭の悪い生き物はツッコミすら
手前の頭の悪さをさらす結果にしかならないといういい例だな
ミステリとか以前に「小説」を読み切る能力が根本的に欠落してるんじゃない? >>631
> 潮の匂いがしない
言われた途端「あ、ホントや」って驚いた。何十年も気づかなかった。
雨の匂いはするけど。 >>620
俺の地元、秋田の山奥の湯治場みたいな感じだな、そこでは
自炊して長逗留する人もいる。 1年目は
[映像京都]犬神家の一族(5)、本陣殺人事件(3)、悪魔の手毬唄(6)=14話
[東宝]三つ首塔(4)、悪魔が来りて笛を吹く(5)、獄門島(4)=13話
[三船プロ]暗黒流砂(5)=5話
[東映]腐蝕の構造(7)、人間の証明(13)=20話
2年目は
[映像京都]八つ墓村(5)、真珠郎(3)、不死蝶(3)、黒猫亭事件(2)=13話
[東宝]話仮面舞踏会(4)、夜歩く(3)、仮面劇場(4)=11話
[三船プロ]女王蜂(3)、迷路荘の惨劇(3)、青春の証明(9)=15話
[東映]野性の証明(13)=13話
証明シリーズ長過ぎ
2年目は売らんかなで詰め込みすぎと謎の仮面劇場選択 ざっくり言うと、戦前の日本の探偵諸説は欧米から20年以上遅れていた
さらには、満州事変(昭和6年)以降、日本が軍国主義へ傾くにしたがい検閲が厳しくなり言論の自由も奪われ、
次第にものが書けない時代へと突入していく
正史の 『鬼火』(昭和10) も検閲で削除を求められ、氏は大きなショックを受けたという
そうした時代の世相を受け、先生も次第に捕物帳の方で生計を立てていくことになる
戦前の日本のミステリー界を俯瞰したものでは、青空文庫にある平林初之輔の文章が参考になるだろうと思う
日本の文明が、多くの点において、西洋に半世紀ないし一世紀おくれているという事実、近代小説の発達に
おいてもほぼ同じくらいおくれているという事実を考えると、日本に、探偵小説と名づくべき作品がほとんどなく、
探偵小説の作家がまだほとんど現れないということは当然のことのように思われる。
それは、日本の科学文明が、探偵小説を生む程にまで達していないからに他ならない。
多くの人が日本に探偵小説の発達しない理由として、日本の家屋が、孤立的、開放的で秘密の犯罪に適しない
からであると考えたようであるが、それはほんの一部分の理由である。
そういう理由なら幾らでも列挙することができる。
たとえば日本人は人種の関係で、西洋人との区別がすぐにつくから、日本という国は、国際的犯罪の舞台になり
得ないというのも一つの理由であるし、日本人が官僚主義の国民であるために私立探偵などの活動する余地が
ほとんどないというのも理由となろう。
しかし、それらは、大きな原因の一部であって、結局は日本人の生活、文明が科学的に幼稚であり原始的である
というところに一切の原因は胚胎しているのである。
日本の近代的探偵小説
https://www.aozora.gr.jp/cards/000221/card48108.html
探偵小説壇の諸傾向
https://www.aozora.gr.jp/cards/000221/card48118.html
やがて、戦後の開放的な気分の中で、横溝正史が本格推理を書こうと決心したことは大きな決断だった しかも、それまで日本の人種や風俗、それに家屋がミステリーに適さないという指摘を逆手に取り、
日本独自のミステリーを開拓したことについても、坂口安吾をはじめ、多くの人たちが快哉を叫んだ
ことは想像に難くない
坂口安吾も、戦前の和製ミステリーの欠点を次のように指摘している
日本には、探偵小説はあったが、推理小説は殆どなかった。
小栗虫太郎などはヴァン・ダインの一番悪い部分の模倣に専一であって、浜尾四郎や甲賀三郎の
作品も、謎解きをゲームとして争う場合の推理やトリックの確実さがない。終戦前の探偵文壇は
怪奇趣味で、この傾向は今日も残り、推理小説はすくないのである。
さらに安吾は、クリスティーとクィーンを本格推理の双璧にあげ、カーは意外性を狙いすぎると一蹴、
クロフツは駄作が多く失望させられることが多いと苦言を呈したうえで、次のように記す
日本では横溝正史が抜群であり、作家としての力量は世界のベストテンに楽にはいりうるものである。
私は横溝君を世界のベスト・テン以上、ベスト・ファイブにランクしうる才能であると思っている。
純粋に推理小説作家ではなく、怪奇趣味、抒情趣味が謎ときゲームの妙味を減殺しているが、
時には謎にモヤを加えて役立つ時もある。私としては、抒情怪奇趣味はとらないが、それを差し
ひいても、彼の才能は大きい。しかし、あとに続く推理作家がいない。
横溝正史も病身をおかして多作しながら、作品のキズは、常にそれほど大きなものではない。
相当ムリにツジツマを合せる苦しさはあるが、トリックやヒントの華麗さは、外国にもあまり例がなく、
たとえば、「獄門島」に於て、犯人を○○単独にすると手易く見破られやすい、そこで一人一殺ずつ
三人の犯人を仕立てたところは、意外であってもムリであるが、三つの俳句による殺人法などの
トリックは華麗であって、大いに珍重しうるものである。
坂口安吾 「推理小説論」
https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/card43189.html
現代の私たちが読むと、坂口安吾は横溝正史を褒め過ぎじゃないかという印象を持ってしまうけど、
しかし当時のミステリーファンにとり、横溝正史はそれだけのインパクトがあったんじゃないかと思う >>634
玉川温泉
がんに効くと信じる者が湯治に来る ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています