国民新党は選挙区、比例代表とも獲得議席がゼロとなり、改選3議席を失ったことに、「党が全否定されたに等しい。深刻な事態だ」(党幹部)と危機感を強めている。
民主党との連立は維持する方針だが、与党の過半数割れにより、民主党が頭越しにみんなの党や公明党などを相手に連立組み替えに動くことを懸念している。
国民新党が最優先で取り組んできた郵政改革法案の成立も困難となった。

 国民新党の亀井静香代表は11日夜、東京都内で記者会見し「菅(直人首相)さんは口が軽い」と首相を批判。
その上で郵政法案の扱いについて「参院選の結果とは関係ない。
首相との間で政策協定をやっており、誠実に守っていけばいい」とけん制した。自身の責任については記者団に「前進あるのみ」と述べて否定した。
国民新党は昨年9月の政権交代以降、与党の一角を占めてきたが、党勢は伸び悩んできた。昨年夏の衆院選で、当時の綿貫民輔代表と亀井久興幹事長が落選。
巻き返しを図った参院選でも苦戦が続き、菅首相の消費税増税発言に対し「民主党の首相は支えるが、菅さんを支えるわけではない」(幹部)とのいら立ちも募っている。
民主、国民新両党は選挙前、郵政法案について「9月の臨時国会で速やかに成立させていく」との方針で一致した。
だが、選挙戦で同党を支援する全国郵便局長会(全特)の存在感も十分示せず、民主党内には「国民は郵政法案を求めていない」と突き放す声が出ている。
党幹部は「全特とのパイプがなくなり、うちにとって最大の支援組織がバラバラになってしまう」と話す。
野党とのパイプを持つ亀井代表は、他党との連携や連立工作に追われそうだ。