前の人がお題を書き込むスレ
前の人が出したお題で詩を書くスレです。
詩を書いたら必ず、次の人へのお題を出してあげましょう。
まず、「台風」 「真実」
僕が君を想いながら詩を書いてる最中に
君は彼氏の上に獣のように跨って卑猥な声を上げている
嗚呼、近所迷惑 「セクシーすぎる二枚貝」
シーフードフェスのジャケは一枚だったね
可愛い色気があったのだ
少女から大人への道
カラフルなドレスを纏い
やんちゃな君は毎日楽しそう
そのセクシーな上下の唇をこの臭い口で封印したくなるほど口が達者で
僕は何も言い返すことが出来ないで口ごもる
どうしてあることないこと
後から後から口をついて出てくるのか?
他人とのコミュニケーションのためにその唇はあるのではない気がする
ただ今やっていることが大好きでやっている
そんな気がした 「壁とテニス」
嗚呼壁よ♪
貴様は何故に固く冷たい?
しかし人はそれをスカッシュと呼ぶ!
固く熱いペニスの様だ!
ある人は硬式
またある人は軟式…
貴方にも〜
チェルシー
禿げたい♪
「大便」 「大便」
俺様は大便
貴様の体の叫びを代弁してやるよ
…っ、ぶりぃぃぃい!
どうだ?すっきりしただろう
これで今日も1日万事快調さ
次「こんな雨の日は」 「こんな雨の日は」
霧雨が肌になじむように触れてくる
こんな雨の日は
外の紫陽花の葉がつやつやと生き生きと
なんとなくうれしげで
なんとなく儚げで
庭木も皆静かに佇んでいて
ちょっぴりホッとさせられる
次「白猫にゃーにゃ」 「白猫にゃーにゃ」
「大変だ!
裏の畑が家事だ!」 じっちゃんは歯ブラシを咥えながら走って転んだ
白猫のカトリーヌは涼しげな表情を浮かべてほくそ笑んだ♪
だって地球は丸いんだもの…
肉球に秘められたら神秘的なリビドーに苛まれながら
この世にファッキン・ジーザス・クライスト!
「フィストファック」 「フィストファック」
小さなヤドカリの生命は美しい螺旋を描いて
それは まさしくそれは 青い海と白い雲と 夏の日差しと
君は心を夜の砂浜に投げ出して いくつもの星と 月の眼差しと
輝きの中で 煌きの終曲で 詩は歌となり 風となり 誰かに懐かしい手紙を届ける
儚い強さは自分の髪の毛の中で育てた小さな小鳥でしょうか
淡い祈りは充満するガス室の中で息絶える子猫でしょうか
見つけてください 探してください 終りをみつめる眼差しを日差しに向けて
聖櫃の中にミルクと薊のスープと焼かれた聖書の灰と 何者でもない血液を葬って
穢れなき手で探してください 見つけてください
横たわる妊婦の 涙で汚れた顔をそっと拭って
その鐘打つ胸の鼓動へ 何物も生み出さない舌で口付けし
あらゆる生命を湧き出でさせる狭間へ 嗚呼 真夏の民族が白き虎児を求めるように
その燃え盛る腕を伸ばし 延ばし
次は「桜下乱舞」 「桜花下乱舞」
嗚呼〜
君に会いたい
透き通る白い肌
さくらんぼの様な唇 舞い散る桜の
木の下で
嗚呼ブロッサム!
今すぐに君を
あの南国の孤島に
連れ去りたい
でもこの俺には無理
何故かって?
だってブロッサム!
君は初めから
この世には
存在しないのだから…
「昭和ブギウギ」 昭和ブギウギ
ブギウギ 太いアイラインの誘惑
ブギウギ つけまつげは誘いの合図
ブギウギ ミニスカートのふともも
さあ 踊りましょ
少しくらいはのってくれてもいいのよ
音楽にもミラーボールにも
隠された誘いにも
ブギウギ 夜はふける
次のお題
「もぐら」 「もぐら」
だんじょん♪
だんじょん♪
俺は出口のないトンネルを這いずり回る
しがない
名もない
ただのもぐらさ!
でもね♪
この前一筋の光が
天井の隙間から差し込んでいるのを見たんだ…
俺は期待に胸を膨らませて
隙間を覗き込んだのさ!
その向こうにあったのは…
おちんちんびろ〜ん♪
次
「文化大革命」 「文化大革命」
ある朝目覚めたら
枕元に尿瓶が…
「ナンじゃあこるゃぁ〜!」
私はまるでGパン刑事の様に叫んだ
次
「バス ストップ」 バスストップ
海の前。
バスストップ。
首都圏の端っこ。
バスストップ
同じ時間に会うあの人に恋をしていた。
ウエットスーツのあの人に恋をしていた。
顔があげられなかったのは、制服が恥ずかしかった。
年上の人。
憧れの人。
今思い出すとキュッとなる。
多分初恋。 誤爆。189全然関係なかった。
次のお題は「ジェットコースター 「ジェットコースター」
迷ってる感じともちょっと違うのだが
気持ちが急速に上がり下がりするようだ
失恋したときのように心にぽかんと穴が開いた感じが続いたと思ったら
誰かさんの一言で生きていこうと思えたり
人間ってほんと不思議ですね
ああ、サルにもはしゃいだり、落ち込んだりあるのかな
霊長類研究所に問い合わせよう 「高地トレーニング」
吐く息が白い
まだモヤの多いこんな山の中で
足の痛みに耐えながら
ポツリポツリと進みながら
なんでこんなところにいるのだろうと
ひとりぼっちで喘ぎながら
なんでこんなところで蹲っているのかと
俺は俺の頭の上から見下ろしながら考えている
次「ひとりぼっちの…」 「ひとりぼっちの…」
ひとりで窓の外を見ていたら
スズメが一羽だけ屋根の上にいた
上から下りて来てそのまま
羽を掻いたり
せわしなくピョンピョン動き回っている
でもひとりきり
ボクもひとりぼっちで見つめていて
あのコもさっきからひとりぼっちでそこにいる
互いにぼっちなのに気づかずに
ぼくはいつまでもスズメが飛び去るまで眺めていた
次 「碧いひとみ」 「碧いひとみ」
夢にみた現実がガラス玉になった
この中でとうとう僕らは魚になった
出口を探して永遠に泳ぐ
何を探してるのか忘れて永遠に泳ぐ
思いだせば 気づいてしまえば 僕らはおぼれてしまう
本能で分かって 頭で忘れて
そのひとみに灯るのは碧
次のお題は「手渡すように歌うひと」です 「手渡すように歌うひと」
あなたの手には白い風がある
わたしの声が届かない場所へゆく
さみしいトリが飛んでゆく
そっとしのばせる空気のように
聞いていてほしくて
ささやく口ぶえがひびいて
どこができっと教えてくれる
さみしい今日の記憶に
次 「アンチエイジング 」 「アンチエイジング 」
ライム握り潰して飛び散った青いビーズは袋に満杯
2倍3倍問題ない でも本音は半分で
毒はいて逆方向のデトックス
指折り数えて大切にしてきたものならセーフ
割れた鏡に囲まれたら消したい自分が増える法則
ドレッシングなら誤魔化しがきくけど 純粋だけしか持っていけない
悪くないよ そのあがき
次のお題は「ボーダーライン」です 「ボーダーライン」
あすこへはゆけないここがある
ひとりでは見れない扉がある
笑える人間は誰なのか
全てが白く濁っていてミルクのよう
霧とモヤと淀んだ空気がただよい
トリップしたかのように
不可思議な遠い遠いむこうにあるひとすじの線が
長い影よりも長く伸びてどこまでも
次 「チャンス」 「チャンス」
喉が締まる吐きそうだ
あの夏歌い叫び願った
英雄ならば震える指で
振り抜いて駆け抜ける
憧れだった彼方にいる
汗が落ちる呼吸は深く
振り向かず追い掛けた
次は「鍋」 「鍋」
立ち上る湯気が好き
窓ガラスが曇り
部屋中熱気にまみれる
コンロの上のぐつぐつ煮え立つ音が
各自の箸をあわただしく動かす
鍋の音も皆の声もテレビの音も箸の音も
賑やかに調和する楽しい夜
次は「冬至」 「冬至」
終いには来る冬が白き息を吐かせる
ちょうどってところでアップテンポあるいは逆順で倒していく
並べきったカードを
ラッピングして懐であたためる
どんどんと自信を持って新しいものを
新しい日々を並べていく
始まりが行く四季が色を合わせる
既に正□形ではないのは歴史があるから
次は「トンネル」 「トンネル」
ひかるかもめを数えねむる
かけひきわってとおいくつ
星のまちぬけ夜の森
くじら大きく口をあけて
次は「クリスマスとは」 「クリスマスとは」
端っこと根こそぎのグラデーションが一番に輝く靴と雪の冬に
世界中が祝福されているような
相剋がすさまじいような朝から
ロールプレイングのノルマと
生クリームが妙に暖かいケーキを布置として
おはようの一歩と
プレゼントのアレンジを既知から既知へ
ありがたい馬は土に帰ってく
そうして勢いが未来へ飛ぶ
一週間の凪は余韻になる
そうして来年がもうすぐ
次は「天網恢々疎にして漏らさず」で 「天網恢恢疎にして漏らさず」
姿よりも早く香りが舞い込み
一瞬にして目の前に現れたそれは
小さいの無数の花びらを
風で集めて作った薄桃のベッド
よく眠れるようにと
あなたが先廻りして用意してくれた
僕への贈りものは
柔らかく
暖かく
嗅覚の中心部を癒やし
優しく僕の心を包み込んで
ひと時も 放さない
その様は 天が張り巡らす網のごとく 「夢」
テーブルにはごちそうが
ひとりきりのフレンチ、年の初めからゴージャス
ひときれ食べようしたら目が覚めた
いつものしおれた朝
良いゆめだと言うだろうが
自分からすれば見ない方が良いような
そんな寂しい元旦の朝
次は「神話のように」 「神話のように」
一杯のカクテルが心に沁みる
今夜は揺れているわたし
枯れ切っていた心がクラクラと回る
マスタァの笑顔とお酒が
鬱っていた女の骨身にとろけるように
あたしたちも笑いましょう神話のように
ふたりきりで夜明けまで
恋しちゃいましょうか?神話みたいに
そんなラヴが生まれるかもしれない
グラスに揺れるカクテルに心はときめいて…
次は「コレクターズ」 「コレクターズ」
一見ない
簡単さりげない
入って確かめてみろ生きてるものたち
全然わかりない
時間が動かない
このよくある不自然の異常な滑らかさ
ぬくもり、八戸、飛び散る汁、激しく
他ならないアレを
いまはないことを
拾っては買い漁って首を絞めるのは誰だ
みんなそう
いつもこう
ならばね私たちいつもの左右を決めよう
ちゃんとしたい
義務を…
義務もなく
義務を…
つかまろう時間に捕らわれよう捕らわれよう魅入られちゃったんだアイツそして俺または君
次は「次々」 「次々」
ひとはどうして恋するのか
別れても捨てられてもこりずに
飽くことをしらないコドモのように
くりかえし転んではまたくりかえし
季節が変わればまためぐりくるように
次々に流れ作業のように
それでもおろかにぼくはまた
次は「寒空のしたで」 「寒空のしたで」
ものすごくか細い声で誰かさんの恋の歌を
歌ってるコートの襟の中で
目を向ける猫の通る影の先の
茂みの奥は風の失せて草が喋ってる
一つ上の世界から彼のダイヤを削って
まさか異常にかすれた雪の速度を
測って錆びたメジャーと枯れた目で
そのすっぽり収まった無神経で待ってる
常にあれがめくらの水槽だなんて言うなよ
次はまた「コレクターズ」で 「コレクターズ」
ひとたびこうして並べてしまうと
すべてが色あせ同じモノに見えてしまう
あんなに手に入れたかったハズが
今はもうちっぽけなガラクタ同然
むなしさのなかの宝探し
いつかは必ず宝石を手に入れられると信じて
孤独なハンターであり続ける
次は「名のない花」 「名のない花」
時間と光を決して奪わずに吸い続けるそれは
全くの壊される氷で
ひきつけを起こす僕はもう船から飛び降りるつもりでいた
睡蓮を踏みつけてこの身を水底へと
生きるものとしての最後を意志のままで
優しさが殺すというのなら
私は指が一本しかない
蟻塚をつつく棒をまっさらな赤土に垂直にさすと
日時計のようで
時間の影で形作って
やはり時間と光を吸いただ一つの巨大な未来の実になる
次「禁断症状」 「禁断症状」
眩暈が起こる
耳鳴りもする
ひとによっては違うだろうけれど
あのひともこのひともイライラしている
道行く彼ら
満たされぬ思いが誰もかれもに溢れている
きっと苦しさに内心身もだえている、そんなカンジ
中毒じゃないんだそうわかってる
けれど心は飢えてさすらっているのだ
ちいさな毒、忘れさせて
ほんのわずかでいいから
ぼくのカラダ満たしてよ…
次「ボウイによせて」 「ボウイによせて」
あの日キミは幼かった
あの日キミは笑っていた
あの日キミは出会った
いくつかの別れがいくつかの怒りが
ひとりのキミを大人にした
わたしはキミを見守り
キミが去るのを見送った
世界のだれもがキミを覚え続けるだろう
キミが読んでいた唄を口ずさむと思う
次「危険な恋」 「危険な恋」
ライトだけの夜に品川ナンバー
日付を跨ぐ
泊まりこんでるぶつかる交差点で影と
音が遠くまでちゃんとしたかたち文字になってた
もうたまたまいけない事故で激突 衝撃
もうたまたま冴えないことで追突 衝突
めくらは絶対運転しちゃダメよ
めくらは絶対加速するからダメね わざわざ
飛び降りてアルファベットの硬さが鼻をうつ
勘違い 意外なわけを知りたきゃ乗りなよコースタージェットコース
一歩下がってわき見運転に目もくれず
ぞわぞわするのやな予感 悪寒に冷える足先 駆け足強く踏み込むアクセルの下に挟まるボトルで効かないブレーキ踏む ふむ ふむ ふむふむ ふむ ふむ ふむふむムフフ
アナタのおうち カーブ曲がって
カーブ曲がって またカーブ曲がって
停止(ムリ)
次は「2000回転」で 「2000回転」
回転数の多さならば負けないと
ボクははりきって動かしているのに
なかなかキミには追いつけない
頼むよそんなに強くフカさないでおくれ
こうしているだけでももうせいいっぱいなのだから
やはりボクの負けかもしれないね
だからいいかげんに止まってほしい
もうこれ以上はムリだから
足も手も限界に近付いている
情けないボクにはもう追いつけなくて
次は「限界の恋」 「限界の恋」
俺には聞こえてくる
きみの叫びと悲しみとが
奴らには見えないものが見えてくる
奴らには聞こえぬものが聞こえてくる
俺ときみとは何ひとつとしてつながるものはないけれど
きみを救えるのは俺しかいないのだと信じている
だからわかっている
ふたりの間に危険が生じるのはきっと
だが忘れないでほしい
溺れることなく必ず救ってやる
俺を信じろ 信じているんだ
次は「聞いてほしいこと」 ちょっと甘いかも
苦いのも嫌いじゃないけど
酸っぱいのはどうかな
しょっぱいのもねぇ
君の話は回りくどくて
鈍い僕にはさっぱりわからない
お願いだから
僕の話をよくきいて
言いたいことがあるならはっきりいって
次「いいたいこと」で 「いいたいこと」
たったひとつぶのことばすらだせなくて
わたしのこころはとじこもる
つたえたいことはたくさんあるのに
そのわずかなひとかけらすらおしだせない
なさけなくてかなしくて
ますますふかくカラにとじこもるのだ
だれかたたきわってよ
こんなじぶんはイヤなのに
もっとイヤなひとたちにきらわれたくなくて
にげだしてしまうじぶんがかなしい
いいたいことがまほうのようにでてくるひとなんて
きっときせきみたいにおもえるから
だれかにたすけてもらいたくて
でもじぶんのこころはひらかないまま
ことばのつぶせすらとりだせない
わたしのくちはむすばれたままで
次「木々は輝いて」 悲しいことは誰にでもあるんだろうけど
言葉にできないほどの悲しいことがあると
心はかっらぽになる
涙もでなくなる
それでも、少しでも泣けたら
心が軽くなって景色が変わって見えるから
勇気を出して顔をあげるといいよ
空も木々も涙で輝いて
いつもより世界が綺麗にみえるから
次は「雨宿り」 「雨宿り」
突然やってくるこんな雨がすき
カサを忘れたひとたちは皆あわてて屋根の下にかくれる
足元にうずくまるイヌも雨を見つめている幼い子も
みなこのささやかなひとときの同胞たち
だれかが言うともなしにつぶやけば
思わずそれに耳をかたむけ聞いていてる
早くこぶりになってほしいのに
もうしばらくはここにいたい
そんなふしぎな時間がしっとりと過ぎてゆく…
次は「声」 「声」
起きぬけのガラガラ声
駅で周りにかき消されて届かない声
くしゃみした時に出る音
思わずついたため息とともに漏れる声
どれもすべて今日わたしのもの
また明日もこの繰り返しなのかと思うと
ちょっぴりゆううつになってしまう
そんな時目の前で聞こえた澄んだネコのひと鳴きが
ささやかに心にしみたそんなたそがれ時
次は「いくつもの朝」 左のポケットには
昨日の朝の忘れ物が入ってる
些細なことで口喧嘩をして
ごちそうさまも
いってきますも
言わずに家を出た昨日の朝
右のポケットには
いつかの朝のかけらが入ってる
音は忘れてしまったけど
白い光と朝食と新聞とランドセルの朝
すれ違ったあの人の鞄にも
どこかの朝が入ってる
次は「建設現場」 「建設現場」
そこにはいつも長い影が伸びていた
どこまでも黒く伸びる影の先には何があるのか
子供だったわたしは怖くて仕方がなかった
大きな柵の中から響く金属音
だけれど何故かそこは昼と夕方そして夜が
いつも別のものに見えていた
子供のわたしは恐れつつもきっとその先には海があるはずと
勝手に想像していたものだった
今も姿がかわらぬその柵の中と影の先に
今日わたしは歩いてゆく
孤独と寂しさとひとかけらの強を得られた今は
もう恐れる必要がなくなったから
その先には何もないかもしれない
思い出はかすかな想像でしかないけれど
誰も止めるひともいないその先へと進んでみよう
静かで暗くて不気味で深い深いその先へ
次は「アメをなめ終えるまで」 懐かしい思い出をたどるのは
甘いあめ玉をなめるようなものだ
舌のさきがいたむこともあるけれど
そのいたみもまた懐かしさなのかもしれない
ふとした瞬間に呼び覚まされる記憶は
甘いだけではないけれど
なめおえるまで
本当の味は分からない
甘いはずのあめ玉が
涙の味だったとしても
それもひとつの記憶
次は「窓から見下ろした景色」 「窓から見下ろした景色」
窓際入り口側から通路に沿って5番目
ココがたまに来た時の指定席
もちろん自分で勝手に決めているコトだけど
空いているときしか利用できないココが好き
丁度反対側の道路を挟んだ大きなビルと
そのとなりの老舗の古いデパートに家電店
それらが当たり前に立ち並ぶ
この光景がいつも自分には見慣れていて楽しい
今日は雨降りで流れる人々の濡れた傘と
通り過ぎる車のはじく水しぶきが
ささやかで少ししんみりしたリズムをとっている
晴れた日にはビルの隙間から見える光と雲
そしてこんな雨の日には降り注ぐ白い雨粒たち
どんな日でもこの窓からの光景は素敵だ
次は「君への告白」 「君への告白」
ひとには誰にも秘密がある
ときには懺悔をしなければならいことだって
誰にも話せず誰にも知られずに
大きな心のブラックホールに包み込み
素知らぬ顔して生きているのだ きっと
誰だってあなただって君だってそしてこの僕だって
聖人の顔をしながらも心の内部は病んでいて
ひとに知られたくは無い恥ずかしさを抱え込んで
何万回もの罪を犯している
許してほしい
心の中で何万回と汚した君に
告白したい心の中で
次は「ゆるやかな音」 「ゆるやかな音」
何度も読みかす文字
思い出の中の
きみの声を重ねる
いつかのきみが優しく囁く
心地よい音が
ゆっくりと
胸のなかに響く
愛しい人のこえは
いつまでも優しい
次は「平行線」 「平行線」
キミが火花を散らして怒っても
親しさこめて情を深めようとしても
ボクはいつも冷たくして
相手にしたくともできずにいる
本当は素直に受け入れたいけれど
もうひとりのガンコな自分が拒絶するから
僕らが深く分かち合えることは無い
手を繋がれれば振りほどき
声がかけられれば三度返事
君の笑顔がまぶしくて
夏の太陽みたいにうざったくて
日蔭の僕には似合わな過ぎて
自分から踏み出す気概もないから
ふたりの間にはいつも
冷たい線が引かれている
次は「愛玩具」 「愛玩具」
「たとえば、ほら、あれだよ」
分かって当然といった口調できみはいう
試すような目でこっちをみる
「あれ?どれ?これ?それ?」
頭をフル回転で正解を探す様子を
きみは嬉しそうに眺めてる
わざと曖昧な言い方をして
お気に入りの玩具であそぶ子供のように
この時間を楽しんでいるきみをみてたら
すこし意地悪をしたくなって
素っ気ない返事をした
きみはがっかりした顔で黙り込んだね
ごめん
次は「過剰包装」 「過剰包装」
ゴテゴテに飾られたケーキや花束
デコレーションだらけの街中
どうしてひとは元の姿を余計なモノで
おびたたしい飾りで覆いかくしてしまうんだろう
素のままハダカのままのほうがキレイだのに
まるで世の中すべてがウソと包装で覆い尽くされているようで
僕は何だか時にちっそくしそうになる
ならば自身には覆いはないと言えるのか?
お前はどうして心が開けずに
そうして固いイレモノに頑なに閉じ籠っている?
誰かが叩き壊すまでホントの姿を見せたくもないクセに
親友にも心閉ざす暗いカタワ者のクセして
わかってる自分こそがデコられた愚かモノだと
いつか自らハダカの心が開けるように
ホントの自分を恥じらない自分になれたら
次は「愛すべき敵」 愛すべき敵
水溜まりを蹴って遊ぶ子どもたち
もう何回見ただろう
にじんでく顔の形 鼻の影とか
追ってきた魔物の呼んでいる新聞
うそみたいな結婚式
三が日
あー のどかになりましょう ねえ
しましょうよ あのいつもの
君のどこかカラダからは
逃れられない
行ってくるやつもただ帰るため
大嘘こいてスーパーマン
365日の風景になる一年
もう喉から手が出そう
今しましょうか アイツラも
町のどこか空の殻は
転げ回ってる
次「森を見て」 森をみて
朝日の光でかがやくのは
夜露で濡れた葉
聞こえるのは鳥の声
木の揺れる音
目を閉じて思い出すのは
いつかの夕焼け
森の中
湿った土を蹴って走った
自然の香り
さぁ、おうちに帰らなきゃ
冒険はまた明日にしよう
「またね」「あしたね」
またねはどこへいったのだろう
小さな手をつないで
森を探検したきみは
どこへいったのだろう
次は「乗り越える時」 「乗り越える時」
いくつものハードルがもし目の前に置かれていたら
君はどうして飛び越えてゆけるのか
僕がときに倒したりはずしたり遠回りして逃げる後から
その長い頑丈な脚できっとラクラクと飛び越えてゆく
恥ずかしいくらいに僕はグズグズと追い越されて
そのあとからうんと離れてノロノロとついてゆくのだ
バタバタと倒れて行くいくつものハードルを残し
やっと追いつけたときに立ち止まるのも
その日焼けした手を差し伸べ待っていてくれるのも
きっと君しかいないんだと予感して
息を切らしながら考えながらつまずきながら悩みながら
今、目の前の障害を見つめながら
できうる限りの力で僕は僕だって乗り越えてゆく
次は「初夏のにおいが…」 「初夏のにおいが…」
道端のちいさな雑花も
垣根の間から伸びる木々も
やさしげな香りと色を萌えたたせ
日差しに照らされて光っている
シャツの白さが彼らの腕に
濃い影をおとしている
踏みつけるシューズの後を追うように
ふたつの影がどこまでも伸びながらついてゆく…
「海辺に来たりて」 海辺に来たりて
まだ肌寒い海で
ただ波を数えていた
同じ波の繰り返しにみえて
同じ波はないと分かっていても
それでも、ふと
この波が次ぎはどこへ向かい
いつ帰ってくるのかと
ありもしないことを考えては
ただ淋しくなるだけの
願いをかける
また同じことを繰り返してるのは
きっとわたしだけでい
いっそ、波のように
消えてしまえば楽なのかもしれない
次は「新しい景色」 「新しい景色」
山林の生い茂るさわやかな緑の空気が
散策する仲間たちを柔らかく包み込む
晴れた日の午前中の空気はおいしい
今日の予定をはしゃぎながら語り合うクラスメイトたち
置いてけぼりを喰わないように
数歩うしろからついていく、僕
明日もまた晴れていたらユヘウツだなと
心の中で考えながらも
呼びかけてくる仲間らに
いつものように三つ返事でのろくさと答えつつ
新鮮な風景に少し心が澄んでくる
彼らにはごくあたりまえだろうけど
僕には僕にとっては今日も明日も
新しい冒険になるのだろうと思ってみる
次は「孤高なニヒリスト」 「孤高なニヒリスト」
いつでも彼はそんなカンジ
カメラを向けてもそっけない態度で
頑ななお決まりのポージングで立つ
カッコつけているワケではないのに
何故かカッコつけているように見えている
人前に出るのも人と交わるのも逃げてばかりで
そのためにふと向けられたときの表情も立ち姿も
いつもおかしいくらいに同じなのだ
キミそれじゃまるで孤独ぶるニヒリストに見えちゃうよ
そう伝えたら彼はあわてて否定した
初めて崩したその恥じらう姿が素敵だったね
次は「弾ける水しぶき」 弾ける水しぶき
この道をいくと決めたのだから
後戻りはしない
ただ前に進むだけだ
力強く踏み出した一歩は
水たまりを蹴飛ばして
しぶきをあげた
少しばかりの後悔と不安が
後ろから呼びかけるけれど
聞こえないふりをして
前だけを見て
さぁ、次の一歩を
次は「鈍感力」 「鈍感力」
こうして向かい合いたまにする
腕相撲で勝ったためしがないのに
ふたりの実力ははるかに異なるけど
それだのに負けると毎回わかってて試すのは
何度も挑戦するのは負けたくないのだという気持ちと
友人としてのこころの許しを得たいためなのだと
いつもそっと思いながら付き合うのに
こいつはたぶんにこやかに笑いながら
一生気がつかずにいる気なんだろと
そう思うとなんかハラがたってくる
次は「こころに念じて」 こころに念じて
叶わないと知ってて願うのは
希望がなければ生きていけないから
届かないと知ってて祈るのは
伝えられない心を空に預けたいから
想い出の中をぐるぐると
ひとりまわるおバカさんは
幸せの影を追っている
違う幸せを描ければ
明日はかわるかもしれないのに
届かない想いはこころのなかに
「とけない魔法」 「とけない魔法」
あまい砂糖でこしらえたスプレーで
さまざまのカラーで吹き囲まれたみたいに
そこいら中キレイな霧が浮いていて
どこへも出られない
今思うのならそんなキモチ
きっと神さまなんかでなくて
お互いにどちらかがかけたのだろう
まだ目を見て話せずに
まだ数歩近づくこともできなくて
この浮ついた魔法がとけなくて
もどかしくてくやしいのだ
次「霧雨のなかで」 霧雨のなかで
やさしさに触れるように
この雨に濡れていよう
悲しい出来事を
洗い流すほどの
強さはないけれど
傷ついた心を
優しく包んで
慰めてくれるから
過ぎた時間のなかの
愛しい人を想うのは
淋しくみえるのでしょうか
いつかここにいた二人は
この時のなかで
今もどこかにいるのだから
雨があがるころには
また、
この道を歩いていけば
いいのでしょう
次は「物語りの結末」 「物語りの結末」
誰でも早々に期待しているだろう?
いつだって思い描くハッピーエンド
つごうの良い話の結末に
ひとはいつでも夢見ているんだから
始まる前から期待してしまい
やがてそれがから回りして振り回される
そんなのはつまらない
未知数の世界に何が期待できるんだと
楽しみたければ終わりまで知らぬほうが
ずっとずっと幸運なハズ
だからそら始まる
最後まで一気に駆け抜けて見てみよう
次「うそつきな声」 うそつきな声
おはようからはじまる優しい1日
朝も昼も夜も優しい声で語りかけて
こないと知ってるいつかを語りあう
見晴らしのいい観覧車に乗って空の中
ふわふわと心地よく声は響く
このままずっと乗っていたいね
この観覧車は永遠に続くよ
観覧所のてっぺんで二人は誓い合う
「さぁ、観覧車が一周しましたよ。地上にお帰りなさい!!」
そして優しい声は嘘になった
「人助け」 「人助け」
おひとよしだと囁かれていても
だってそれがきみの特技だからしょうがない
便利屋のごとく周りの誰かれの悩みを聞いて
しにたいヤツがいたらそれとなく声をかける
肩をかしてほしいなんて
ヒトから言われなくても
気がつけば苦しむ他人のそばにきみがいる
ついててほしいんだと
素直には言えないけれど
きみの善意に甘える気は無いけど
いつかその順番が来るのを待っている
次「濃く伸びる影」 濃く伸びる影
夕暮れの坂道を並んであるいた
夏の日
二人の影も並んでいたね
あの時、登ったこの坂を
今、一人、西に向かって下ってく
振り向かないよ
夕暮れ時のこの坂に
濃い影、ひとつ残していこう
次「芍薬の花束」 「芍薬の花束」
気まぐれで買った花束が部屋で華やぐ
ささやかな気分転換と気まぐれとが訪れさせた花屋で
普段は手にもしないような花に魅かれ
うっかりと店員さんにもすすめられて
親切なアドヴァイスのもとに気づいたら抱えていた
でまもだわからないこともある
また出かけてみようかな
そしたら優しい笑顔でまたわたしを迎えてくれるかしら?
そしたらいろいろとまた聞いてみよう
次「ごめんよ本当は」 ごめんよ本当は
5月の空は晴れ渡る青さで
心にかかる雲を払いたくなる
ごめんねと電話のあと人去った人はいった
ごめんねと待ち合わせの日に呟いて消えた人
心の雲を払う前に消えた人は幸せなのだろうか
そして残った私はひとり
物語の結末を知ろうとしている
誰の恋にも頷いて誰の涙にも胸を痛めて
誰のことも抱きしめて
ごめんよ、本当は・・・言葉を飲み込んだ
こんな物語じゃハッピーエンドは期待できないから
恋や希望や優しさじゃ掴めない
そんなものが世界には溢れてるから
輝かしい勝者にその場限りの拍手を
傷手を負った敗者に勝利の杯を
次は「逆襲のスーパースター」 逆襲のスーパースター
ふてぶてしい春のPコート
ポケットに爆弾 しけってる
もう気持ちがだんだん悪く
天秤は世間と僕とで傾きっぱなしに慣れてる
いつも普通にだいたい簡単
なんだか雰囲気難しい感じ
俺、俺ら、私、我が家
どこの町にも学校がある
もう膝を叩いて走り出すことやめて
まだまだ納得いかない私の時間が消えそう
ミサイル整備士 狙う相手を決めたくないから
もうブレーキかけた地球の夜は明かず
気付いた世界は走ってた
次は「81」で 「81」
足元に転がる古びた札
つまさきで蹴るとソイツはコロコロと転がった
あたえられた役目を記憶とともに振り返る
あのときのボクの番号がコレ
あんちゃんはワザと自分のトシを引っ繰り返して
おかしな数字をボクにあたえた
おまえは最後の団員だ
だから特別に一番多い数にしてやろうと
わけがわかんなかったけど
ボクはうれしくて素直にしたがった
引っ繰り返せば18
やがてボクがそのトシとなり
かつての仲間たちとは決別した
それだのになぜか当時の基地で
この記憶のカケラを発見し
思い出がこうして蘇ってきたんだ
基地はもう残っておらず
冷たい風が砂場にいつまでも吹いていた
次は「ちいさな冒険」 小さな冒険
夜中にこっそり家をでた
冒険すきな女の子
誰もいない夜の公園で
優しい瞳をした
男の子をみつけた
ブラコンに揺られながら
男の子は魔法をかけた
滑り台はロケットになって
砂場は海になった
忘れもののボールは宇宙人
お月さまが消えるころ
「僕をみつけてくれてありがとう」
そういって男の子は走っていった
公園はいつもの姿に戻って
女の子は朝食を作りにキッチンへ消えた
次は「バスに乗って」
大きくとんで星になった 大きくとんで星になったは消し忘れです、ごめんなさい 「バスに乗って」
レッスン帰りに気まぐれで
いつもの時間に反対方向に乗ってみた
ちょっとした反抗心と好奇心が
わずかな勇気を誘って連れ出した
始めてみる通りや街並みが
叱られて傷ついていた心をなぐさめる
と中で見つけた廃墟の近くで降りて
誘い込まれるように入った先で
もうひとりの孤独な仲間と出会った
少し薄暗くなった窓の景色を眺めながら
次の再開に心がおどる
次は「廃墟のおしろ」 「廃墟のおしろ」
そこにはふたりぼっちの王様が遊んでいました
ひとりはレッスンのバッグを放り投げ
ひとりは楽器のケースを置いたまま
ふたりとも日が暮れるまでその寂れたおしろで仲良く楽しげに
いつまでもいつまでも遊んでいました
ついさっきフラリと迷い込んだこのおしろで
バッタリと出会ったばかりだとは思えないくらいに
それはとても親しく仲良くなれたのです
ひとの住んでいない家はふたりにとっては謎にみちていて
いつまでいてもあきません
いつかふたりは笑いながら再会を約束して
いつものバスに乗り家路につくのです
次は「涼しげな瞳」 涼しげな瞳
涼しげな瞳に恋をしました、夏に出会った年上の青年はいう
時間はかかったけど恋がはじまって、ある日青年は言った
きみにだけ特別な秘密を話すよ
「初めて乗ったバスで廃墟を見つけて降りたんだ
そこで少年に出会った
習い事をサボってきたと言ってた
少年と友達になったんだ」
僕のこと覚えてる?あの日、出会った年下の恋人は言った
何度も出会って何度も恋をして、ある時、恋人は言う
誰にも話したことないんだけど
「習い事をサボって、廃墟にいったんだ
そこで出会った人と友達になった
また会う約束をしたけど会えなかった」
涼しげな瞳をした人は想う
宇宙人の考えることはわからない、だけど、宇宙人は好き
次も「涼しげな瞳」で。 涼しげな瞳
噛んだり噛まれたり吸血鬼
モミジの根元、ミミズをつまんで
じぃっと見て叩きつける
大したことない そんな感じ
若くない けれど落ち着かない
スヌーピー抱いて人の字に寝るその寝癖
ああもう本当にバカみたい
シャイなのか 声が音になって調律しちゃう
終日バリアーの私ワンピース着たまま眠るの歩きながら馬鹿みたいに考えごとして黙ったまま眠ったまま目を開けて眠るの目が覚めて目を開けたまま眠るの
ぼんやり横目で君を追ったまま眠るのだからキスして飛び起きちゃうから50mくらい飛んじゃうから強く抱きしめたままキスして目を開けたまま
次も「涼しげな瞳」で 涼しげな瞳
雨の日、傘のむこうに見えたのは
いつか見かけたあの人
いいえ、あの人はここにはいない
あれはあの人に似た誰かさん
ラムネ色の想い出は
風船のように心に浮かんでは
風が吹くたびにゆらゆら揺れる
いいえ、風船はゆれません
風船は風にのって遠くの空へ
そう言って空を見上げる瞳は
いつかとかわらないけれど
そこにいるのは違うひと
また次も「涼しげな瞳」で。 「涼しげな瞳」
縁日で買ってもらった金魚は
今年もまたまるまるとした体をして
水槽の中で元気に泳いでいる
みずのなかからはナニが見えているの?
きっと水槽越しにゆれながら
彼らの日常の生活が映っていることだろうよ
ボクらの目はくもることがあっても
彼らのひとみはいつも澄んでいて…
涼しげにむこうの世界から見つめている気がする
次は「扉の向こうには」
※
>>389
スイマセン、 習い事をサボってないんです
ふたりともお稽古ごと済ませた帰りなんです…
余計なコトですが 扉の向こうには
電源を入れて
パソコンを立ち上げて
はるが過ぎて雨がふって
嘘になれて夏がくる
心は麻痺して涙は乾いて
そして
明日には
ひとですらなくなるの
それでも数字では
わるくない結果
それがぼく
次は「大晦日の裏切り」 「大晦日の裏切り」
自分のコトバが許せなくて
ちいさな後悔がいくつもトゲのように刺っている
明日になればいつのまにか大きなお日さまが輝いているだろう
窓の外はあたりまえに日が昇っていて
けれども昨日と違うのはそれは真新しい日が来ると言うこと
だのに僕は重い重りのような気持ちとともに
それをひとりで迎えなければならない
誰か勇気をわけてほしい
せめて明日までに連絡できるように
プッツリと切れた糸がなんとか再び元に戻れるように
こんな気持ちで明日を迎えたくは無いから
次は「つめたい唇」 つめたい唇
いつも気づくの何かが起こってからで
だけどそれはすこし手遅れで
もう戻らなかったりするから
次の夢を描いて
少しだけ先をみて
歩いていくんだけど
いつかこの体が冷たくなって
この唇も冷たくなって
なにも言えなくなる日が
いつかくるから
それまでは、せめて大切な人に
あたたかい言葉を
いつか淋しい日がきても
想い出があたためてくれるように 「弾ける唇」
キミの唇からはラジオよりも雄弁な音が流れている
ある時は音楽となり
ある時はち密なパズルとなり
またある時はペーソス溢れる物語となり展開される
柔らかな紅いヒフが上下によく動き
そのたんびに楽しげな音が溢れだす
でもいつまでも止みそうもないから
最後は時にはボクの唇がソッと塞いで止める
次は「可愛いやつら」 可愛いやつら
毬のようなマルチーズ
おもちゃのようなパグ
正しさをあつめたようなコリー
どの子も連れて帰りたい
頭のヴィジョンの小さな乱れ
割り込んでくる青い視線
目の端っこに小さく揺れる可愛いやつら
ネオンテトラの水槽が心の水をチラチラ揺らす
理想のヴィジョンはゆらゆらゆれる
部屋の中を泳ぎだす
犬達はゆらぎとともに混ざり合い
そこには無数のネオンテトラ
どいつも同じ目をして
こっちを見ているようで見ていない
人見知りにはお似合いの
白い部屋にお似合いの
無愛想な可愛いやつら 駅前のギター弾き
誰もしらない曲を弾いて
誰もあしをとめないのに
彼はうたう
誰も見てないのに
まっすぐ前を見て
まるで誰かがいるように
彼はうたうよ
今夜も
きっと明日も
夢をみていられる間は
ずっとうたうよ
「自分に呆れる」 「自分に呆れる」
一枚の名刺がふっと
彼の帽子の中に紛れ込む
今さら自分のしでかしたいたずらに気が付き
火がついたように後悔していた
通り過ぎる通行人に紛れ込み
心では聞き入りながらも
立ち止まりもせずにいたクセに
ああ彼は後でほとんどカラの帽子の中から
あの一枚の紙を見つけうれしがるだろう
アテも無いウソの番号と名前に騙され
ささやかな期待に胸をおどらせつつきっと
駅の孤独な演奏家くん
どうか愚かなボクを赦してくれたまえ
今さら自分にあきれたとしても遅いのだけど
今さらホントはその才能に聞き入ってたんだよと
正直に答えたとしても遅いんだけど
次「ナチュラリズム」 ナチュラリズム
強引に見えるけれど
それがきみらしさで
不器用に見えるけれど
それが本心なら
残酷さもそうでしょ
心のままに
優しさもそうだと
自然だと知ってるから
いつかの約束を
守るあなたは
絶滅危惧種
どうぞ
そのままで
次は「新しい物語」 「新しい物語」
あるところに孤独な弾き語りの青年がいました
澄んだ音色と声で
いつもたったひとりで路上に座り込み
孤独に静かに悲しげに唄っていました
通り過ぎるひとびとにとって
彼は見えても目につかない石ころのように
空気のようなつまらない存在だったけれど
あるときフラリとやってきた誰かが
ちょっとした懺悔のつもりで声をかけたら
ひとりだったのがそのときからふたりに
あいかわらず通り過ぎる人の目には映らなくとも
きっと彼らにとってはなにかが
ささやかなこの変化に誰も気がつかなくとも
次は「音のない鍵盤は…」 音のない鍵盤は・・・
目を閉じて、想像してみて
海辺の街、音のないオルガンがひとつ
窓から差し込む光をあびて
埃が踊る午後に
彼はひとり誰かをまってる
通りすがりの子供が訪ねる
「どうしてひかないの?」
彼は微笑んだ
窓の外には夏がいて
遠い日の花火が空に咲く
いつかの夏を眺めながら
「あの夏に音を置いてきたからね」
少年のゆびが鍵盤にふれたとき
優しい音がして新しい初夏が溢れた
「ありがとう」 「ありがとう」
ありがとう、答えてくれて
ありがとう、笑いかけてくれて
ありがとう、手をとってくれて
ありがとう、友達になってくれて
今なら素直に言えるんだ
ぼくらふたりがもうぼっちじゃないとわかったから
互いの孤独が救われるのなら
なんにでも感謝できる気がする
だから周りの全てに対しても
ありがとう、そう言える
次「降るユメに抱かれながら」 振る夢に抱かれながら
きみが涙を流すとき
肩を抱くのは
きっと、優しい誰かで
きみが寄りかかりたいときに
肩を貸すのは
きっと、信用できる誰かで
その誰かは僕じゃないけれど
きみが抱える孤独も
きみが求める支えも
理解できるのは僕だから
そして、いま、
僕を
誰よりも理解して
支えてくれるのは
きみだから
今夜、きみに降る星はぼく
今夜、ぼくに降る夢はきみ
抱き合っていれば怖くない
次「夜汽車は走る」 「夜汽車は走る」
手の中には熱い缶コーヒー
いつまでも窓の外を見ている、キミ
その横顔は冷たくでも深い物思いに沈んでいる
ぬくもりが消えぬうちに渡したいけれどできずに
ボクはそばにつっ立ったまま考えている
これからどうしたいのか…
どうすればいいのか
ボクらの思いとは関係なく汽車は走る
ひたすらただ、闇を縫うように駆け抜けてく
次「あすはくもり空」 「明日はくもり空」
夕方も6時を回り
頭上一面は濁った紫
それでも薄ら寒くて
雨も降らない気配
虚ろな足取りに
蛙の鳴き声が絡みつく
ほどけた靴ひもも
そのままで
梅雨入りは先の話
理解はしているけれど
この渦巻く気だるさを
僕はずっと
もて余している
明日はくもり空
どんなに見上げても
灰色の鏡は
なにも写さない
なにも与えない
あの光の矢で射ることも
あの大粒で凍えさせることも
ただ能面で
僕を蔑むだけ
次
「冷やし中華」 「冷やし中華」
紅いのれんが席からヒラヒラと見える
ラジオが天気予報を伝えている
黙りこくり注文を待つぼくら…
湿り気をおびたを店内も薄暗く
沈黙に押しつぶされそうになる
もうあれから一昼夜たつ
空腹に耐えかねお店に飛び込んだ
コレが今日のごはんとなるが
なにがいい?冷やし中華ソレでいいと
ふてくされていた彼がやっときいてくれたコトバだった
これからの予定も行動ももうなんでもいい
ゆっくりとふたりで考えて行けばいい
外からは遠く鳴いている雨蛙の声が響いていた…
次「雨しぶき」