あの狭い神奈川県と、その中のさらに半分以下ぐらいの面積に横浜市があり370万人の人口があるわけだ。
横浜市は自前でしょぼい市営地下鉄を経営している。
鉄道経営といったって、狭い範囲に物凄い人口がいて、高度成長期にいくら投資しても設備投資が追い付かず、
慢性的に混雑解消のための車両の長編成化や複々線化、高架立体化、地下化などに莫大な費用が掛かって、
鉄道事業本体ではほとんど儲からず、関連する事業で利益を出している。
だから首都圏では、儲かっている鉄道会社などほとんどないし、これから人口減少で、
利用者が減って、これまでの積み上げが過剰投資となってくる恐れもある。
北海道のような広大な地域に500万人がいても、鉄道事業そのものにその数字はほとんど意味はない。
新幹線のような鉄道事業の場合、長距離都市間移動の需要を相手にしているから、
県内の人口よりも都市間の移動需要がどれくらいかが重要で、いかに大中小の都市間を新幹線で結んで、
そこから既存の需要に加えて新しい需要を掘り起こしたり作り出したりすることが重要。
東海道山陽あるいは九州の新幹線区間は基本的に何もしなくても高いレベルの需要がある範囲を結んでいるので
個々の都市が中小であってもその都市間の需要が集まれば鉄道としては十分やっていける。
人口の大小のスケールのみで鉄道経営を簡単に語ることはできない。
ましてや国柄まで考えれば、ますます鉄道と人口のスケールの関係は千差万別で、
簡単に語ることなどできない。