JR東日本が公表した利用者が少ないローカル線の区間別収支に宮城県内の4路線5区間が含まれ、いずれも赤字だったことについて、村井嘉浩知事は1日の定例記者会見で「国とJR、関連する市町村を巻き込み、みんなで協議をすることになるだろう」と述べ、JR東から要請されれば、バス転換や鉄道存続策を含む協議に応じる考えを示した。

 4路線5区間は陸羽東線の古川−鳴子温泉間と鳴子温泉−最上間、石巻線の小牛田−女川間、大船渡線の一ノ関−気仙沼間、気仙沼線の前谷地−柳津間。

 村井知事は「負担をJRに一方的に押し付けるのも、県が赤字を全部負担するのも無理がある。できるだけ国の協力を引き出すことが重要だ」と指摘。「利用者がいる限り、利便性を失われないよう代替案を考える必要がある。財源の問題もあり、今日明日で結論が出る問題ではない」と見通した。

 川崎町に計画した風力発電事業を撤回した関西電力に対し、村井知事は「地域住民の声や県の(環境影響評価技術)審査会の考えを受け止めた上で、適切な判断をした」と評価。「賛成の方も反対の方も自由に思いを発言できるような場を(事業者が)設けてほしい。エネルギーのいることだが、こういったプロセスは重要だ」と強調した。

 本年度の全国学力テストで、仙台市を除く県内の平均正答率は全教科で全国を下回り、知事は「非常に大きな課題の一つ」と受け止めた。仙台市と他地域との学力差を認めた上で「市町村によっては仙台市並みか、仙台市より良いところもある」と説明。「国語、算数・数学ともにあと1問正答できれば全国平均より上になる。市町村教委とよく話し合い、少しでも全国レベルになるよう考える必要がある」と語った。

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