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『ハーグ陸戰條約は交戰中のみ適用されること、我が國の場合は交戰後の占領であり、
從つて原則として其の適用を受けないこと、假に適用されるとしても、
ポツダム宣言・降伏文書と云ふ休戰協定が成立してゐるので、「特別法は一般法を破る」
と云ふ原則に從ひ休戰條約(特別法)が陸戰條條約(一般法)よりも優先的に適用される 。』
とする見解に依る反論がある。

併し此のやうな見解は根本的に誤つてゐる。
第一にGHQは「占領軍は國際法及び陸戰法規に依つて課せられた義務を遵守する物とする。』として、
GHQの占領統治が陸戰法規の適應を受ける占領である事を承認してゐる。
(連合軍の日本占領の基本的目的と連合軍に依る其の達成の方法とに關するマッカーサー元帥の管下部隊に對する訓令)
昭和二十年十二月十九日新聞掲載。

第二に、停戰は交戰中。
「交戰中」と「交戰後」とを區分する基準と其の意味が不明であり、之を以て後方優位の原則を適應出來るとする根據に乏しい。
ハーグ陸戰條約は其の樣な區別をせず寧ろ戰爭状態後の占領時に運用される事を豫定した物であつて、抑ポツダム宣言の受諾と降伏文書調印に依つて「停戰」したのだから之は「交戰後」には當らぬ。
「停戰」は交戰中の一態樣でしかない。