[GDC 2018]視線追跡技術がVRを進化させる
Tobiiの語る「2ステップ・インタラクション」とは(2)
4Gamer 2018/03/22 17:49

視点追跡テクノロジーが装備されていない現行のVRヘッドマウントディスプレイは,何も見えていない状態に等しいとWerner氏は主張する
現状のVR/AR HMDで,たとえばポイント&クリックによる移動を行う場合,プレイヤーはまず,目的の場所を目視したうえで,
入力デバイス――大抵はなんからのモーションコントローラ――で当該地点をポイントして,さらにボタンやトリガーを押して移動するという3つのステップを踏むことが多い。
だが,HMDがユーザーの視線を追跡する機能を備えていれば,“入力デバイスで当該地点をポイントする”部分を視線を向けることで置き換えられるため,“2ステップ・インタラクション”で済むというわけだ。

視線追跡技術を組み込んだVR HMDなら,モーションコントローラに依存した操作よりも,自然な移動が行えるという

事実,人が近くにある雑誌やドリンクといったものに手を伸ばそうとしたとき,最初に行う行動は「見る」である。
目を向けたうえで,そこに手を伸ばせば,対象のオブジェクトをつかめるだろう。
既存のVRゲームであるような,「対象のオブジェクトをしっかりと見定め,オブジェクトまで距離を計算してから,ようやく手を伸ばす」という人はまずいないだろう。
Werner氏やKarlen氏は,このことをていねいに何度も説明していたが,視線追跡テクノロジーがあるHMDとないHMDでは,どちらがよりナチュラルな入力が可能だろうかという問いへの答えであることは,誰でも理解できるであろう。