『オックスフォード運河の殺人』コリン・デクスター

モース警部が入院中にたまたま貰ったはヴィクトリア朝時代の殺人事件を扱った研究書を読んだことから話は始まる。
その研究書に書かれる殺人事件の正否をモースが考察し推理するという謂わば歴史ミステリーで、このシリーズではだいぶ異色作であるように思う。
そのため迷走を繰り返すモースの推理は少な目でいつもとはだいぶ違った毛色なのだが、これはこれでモースの推理が合ってるかどうかを確かめるために物証を探す捜査は面白い。
ミステリーの要素だけでなくモースの入院生活を愉快に描いていて、その要素だけでも読んでて楽しめるぐらいだ。(ミステリー要素が割と薄めなのでそこがメインな気もしてくる)

にしても、モースは作中の描写を見るかぎり冴えない中年のおっさんにしか思えないのに無駄にモテるな…。
ちょっと作者の願望が入ってるのでは?と疑ってしまう(笑)