南雲忠一中将を再評価するスレ(天)
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南雲長官はもっと評価されるべき(36代目)
前スレ
[35代]南雲忠一中将を再評価するスレ(江)
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/army/1530542607/
(>>261〜飛龍はどこに居るかの章、>>569〜即時発進考察再びの章)
過去スレとテンプレはまとめwikiを参照されたし
admiralnagumo@ウィキ
http://www10.atwiki.jp/admiralnagumo
戦史検証が中心になるので、雑談は支隊スレへどうぞ
【飛越し着艦】本日の南雲部隊司令部 1AF【離着艦】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/army/1384660511/ >>609の続き
とにもかくにも、問題解決の唯一の策は、
一刻も早く、ミッドウェー沖に到達して、砲撃を実施し、
さっさと避退することですね。
第七戦隊司令部が、どの程度戦況を把握していたかは
分かりませんが、第一機動部隊のミッドウェー島空襲により、
敵基地航空兵力は、ある程度損耗しているはず。 >>612の続き
また、敵空母部隊が出てくるとやっかいですが、
一般に空母艦載機の行動半径は狭く、
飛龍が健在である以上、島の西側まで進出してくる
ことは、あまり考えられません。
状況によりけりですが、
案外うまく離脱できるかもしれないですね。 >>613の続き
というわけで、最大戦速35ノットで急進撃を開始した
第七戦隊。
もともと、護衛として第八駆逐隊の2隻(朝潮・荒潮)が
随伴していましたが、付いていくことが出来なくなって、
途中で落伍していきました。 >>614の続き
朝潮型駆逐艦もまた、最大戦速は35ノットですが、
全速航行をすれば、あっという間に燃料が尽きてしまうので、
仕方ないでしょう。
こうして、最上型重巡4隻のみで、
一路ミッドウェー島を目指すことになった。 >>615の続き
栗田少将は、後のガダルカナル島をめぐる戦闘において、
戦艦金剛・榛名の2隻を率いて、ヘンダーソン飛行場砲撃を
成功させています。
そのときは、ガ島沖を一往復して、計900発余りを
叩きこんだのですが、 >>616の続き
今回のミッドウェー島砲撃計画について、
公刊戦史の記載によると、
「各艦500発、射撃距離1万メートル(10km)、一往復」
だったようです。 >>617の続き
500発というと多いように聞こえますが、
最上型重巡は、20.3センチ砲を10門搭載しているので、
1門につき50発、すなわち50斉射
射撃間隔は約30秒なので、ざっと30分で終了する計算です。 >>618の続き
旗艦熊野の艦長だった田中菊松大佐の回想によると、
同大佐は鉄砲屋の専門家だったので、栗田司令官に対し、
「距離8千メートルまで接近して、射撃効果を上げるように
進言したところ、
栗田司令官は、
「ぐずぐずしていると夜明けとなり、敵飛行機の反撃を受けるから
砲撃は一航過で行い、全速で避退する」
と却下されたとか。
妥当な判断ではないかと。 >>619の続き
史実では実現しなかったものの、
実際に、ミッドウェー島砲撃を実施したとして、
どれほどの効果が期待できるのでしょうか。
離脱云々は抜きにして、
純粋に砲撃の効果のみに、話を限定します。 >>620の続き
一番の懸念は、精度の良い射撃諸元を
得られるのか、というところで、
艦砲射撃は、間接照準となるので、
なんらかの”目印”を観測することにより、
目標までの距離を知る必要がある。 >>621の続き
金剛・榛名のガ島砲撃時は、現地の友軍が
エスペラント岬に灯火をかかげて、それを
観測して、射撃諸元を算出したと言われます。
そして、試射→弾着観測→修正→本射が
通常の流れとなるのですが、 >>622の続き
これまたガ島砲撃時には、戦艦大和の
砲台長だった中馬静男少佐を事前に派遣し、
オースチン山で観測機器を設置して
待機させていました。
ミッドウェー島の場合、このような支援は
望めませんから、水偵による弾着観測くらいしか
出来ないと思いますが、果たして・・・ >>619
一万メートルと八千メートルなんて時間ロスの観点では誤差レベルやん。
時間を問題にするなら発射弾数を減らす方が健全に思える。 >>624 まぁ、沿岸砲の射程とかもありますしねぇ >>623の続き
史実の経過に戻りますと、
日没後の1800時、第二艦隊より以下の電文
「ミッドウェーノ砲撃ハ、航空基地施設ヲ
徹底的ニ破壊シ、飛行場ノ使用ヲ不可能
ナラシムルヲ目的トシ、実施セシメラルル内意ナリ」 >>626の続き
内意とは、内々の意向、
すなわちGF司令部の意向を代弁した内容ということです。
先に(>>605)、暗に砲撃中止を促した第二艦隊からの
進言は、全く聞き入れられなかったことを意味する。 >>627の続き
さらに、伊168潜にもミッドウェー島砲撃命令が出ており、
混乱を避けるため、23時までが伊号潜、23時以降が第七戦隊と、
時間配分まで決められてしまった。
仮に、早めに到着しても、砲撃を始めることができず、
それだけ離脱も遅れることになります。 >>628の続き
この電文が1800時と言いますから、
飛龍の被弾(14時過ぎ)から、相当時間が経過しており、
第一機動部隊の壊滅が明らかになった後でも、
GF司令部は、なおミッドウェー島攻略を断念する気は、
毛頭なかったということになります。 >>629の続き
それは、「(ミッドウェー基地の)飛行場ノ使用ヲ不可能」
にすること、という命令にも表れていますね。
作戦目的(テンプレ>>1)にも明らかなように、
本来なら、「ミッドウェー基地の敵航空兵力無力化」は、
空母部隊の任務であって、
支援隊(第七戦隊)、しかも航空支援を受けられない
単独の重巡4隻に負わせるには、
荷が重すぎると言えます。 >>630の続き
「徹底的に破壊」するためには、
正確な弾着観測が欠かせないし、
飛行機による戦果確認も必要になる。
とても栗田少将の心配している、
>砲撃は一航過で行い、全速で避退する(>>619)
では、間に合わないですよね。 >>631の続き
史実とは異なり、攻略作戦が中止とならずに、
ミッドウェー島砲撃を実施していたら、
第七戦隊はどうなっていたのか・・・
別の視点から考えてみると、
もし砲撃命令が他の部隊に届いていたとしたら、 >>632の続き
攻略船団が避退した後、手空きとなった第七戦隊は
本隊と合同して、夜戦参加になるはず。
ここでも使い勝手の良い最上型重巡は、
その最前線に投入されることになるでしょう。
そうなったら、米空母攻撃隊に補足されて
もっとひどい結果になっていたかもしれない。 >>633の続き
興味ある話題ではありますが、
今は先に話を進めます。
日没後、敵情は入らず、
夜戦成立の見込みが薄くなった段階で、
山本長官は夜戦断念を決断し、
2120時には、ミッドウェー島砲撃中止命令を下した。 >>634の続き
現地時間では、6月5日の0120時
日の出まで、あと4時間といったところです。
栗ターンの運命やいかに >>635の続き
この命令を受領した第七戦隊は、
2145時に反転、針路300度(北西)に転じ、
速力は、それまでの全速35ノットから28ノットまで落した。
反転した位置は、ミッドウェー島の方位255度(西南西)
距離50浬で、
あと1時間半もあれば、ミッドウェー島沖に到達するところ
まで来ていた。 >>636の続き
反転時に、一部の参謀の中には、
「ここまで来ながら!」と憤慨する者もあったが、
おおむね、やれやれといった空気だったようです。
仮に砲撃を実施していたとしたら、
23時から30分間砲撃し、全速離脱したとしても、
日の出(0152時)時点で、島から90浬がせいぜい。
簡単に見つけられてしまいそうだ。 >>637の続き
史実は言うと、反転後1時間45分経過した後に
衝突を起こしていますが、速力を落していた関係で、
島からの距離は約100浬で、夜明けを迎えています。
あまり変わりませんね。 >>638
そんなに近い位置で衝突して行動不能になったのか? >>639 そうですね。飛行機にとって100浬は
30分で行ける距離ですからね。 >>638の続き
さて、問題の衝突事故ですが、
離脱を開始した後、第七戦隊は、
熊野、鈴谷、三隈、最上の順で単縦陣
各艦の間隔は800メートル。 >>641の続き
時刻は2318時、現地時間では0318時で、
夜明けまであと2時間半ほど、
当日の月齢は21で、月が出るのは真夜中の零時過ぎ。
雲がかかっていなければ、月明かりが海面を
照らしており、視界は良かったのかもしれません。 >>642の続き
先頭の旗艦熊野の見張が、
「右45度、距離5千メートル」に、
敵浮上潜水艦1隻を発見。
潜望鏡ではなく、船体そのものを発見し、
日本側の記録によれば、
敵潜水艦は乗員がまだ艦上に出ている状態で、
あわてて潜航に移るところだったとか。 >>643の続き
この潜水艦こそ、米潜タンバー(SS−198)。
まさか、多聞丸と加来艦長のように、
艦上に出て、月見酒を楽しんでいたわけでは
ないと思いますが、 >>644の続き
ノーチラスのところで紹介したとおり、>>213
ミッドウェー近海には、12隻の潜水艦が散開配置
されており、
>タンバー(マーフィー少佐)は、方位240度〜260度、
>島からの距離60〜150浬の南西哨区を担当し、
反転した第七戦隊の重巡4隻が、
ちょうど、その哨戒海域に入って来たということになる。 >>645の続き
ただし、公刊戦史の付図によると、三隈と最上の衝突位置は、
ミッドウェー島の280度(西北西)、約100浬で、
どちらかといえば、隣の哨区担当の
トラウト(フェンノ少佐)の海域となりますが、
日本空母炎上などの報告が入って、
米潜水艦の多くも、北上して、現場掃討に向かっていた
のかもしれません。 >>646の続き
米側の記録によると、
「ミッドウェー島哨戒隊のアメリカ潜水艦3隻は、
他の僚艦が日本航空母艦を追跡して、北進した際に
ミッドウェー環礁の西方配備点に残されていたが、
これは幸運なことであった」
(『モリソン戦史』第三巻)p334
タンバーを含む3隻は、本来の哨区に残されていた
ようですが・・・ >>647の続き
当時、月明かりのため、視界は良好だったと思われ、
現地時間6月5日の0215時
(日本時間5日2315時)に、
”敵らしき艦船多数”を、距離5千メートルで発見、
これを司令部に報告している。 >>648の続き
日本側の記録(2318時)>>642
と比較すると、わずかに米潜水艦の方が
発見が早かったようです。
その後、日本側の第七戦隊は急速回頭を行い、
衝突事故へと発展するのですが、 >>649の続き
タンバーの方は、
「目標の追尾を開始したが、0300時(日本時間6日零時)
には視界から消えたため、断念した」
とありますから、
タンバー自身は、衝突の瞬間を目撃しておらず、
時間をおいて、夜が明けてから、敵重巡の損傷を
確認することになります。 >>650の続き
後出しジャンケンになりますが、
第七戦隊は回避運動の必要はなかったのです。
(なんてな)
せめて、駆逐艦が随伴していればなぁ
とも思ったりしますが、
敵の潜水艦を発見したならば、緊急回頭というのは
当然の決断と言えるでしょう。 >>651の続き
さて、原則として操艦を預かるのは、
艦長もしくは航海長の所管となりますが、
(間違っても、艦隊司令長官の仕事ではない!)
それでは、艦長が24時間艦橋から離れられない
ことになってしまうので、
通常は、士官が交代で担当することになります。 >>652の続き
見張が敵潜水艦を発見したのは、夜中の2時半ですから、
栗田司令官や、熊野艦長の田中菊松大佐は
仮眠をとっていたのではないかと思われます。
そして、当直将校として艦橋に居たのは、
砲術参謀の岡本功少佐でした。 >>653の続き
海兵57期。
赤城の戦闘機隊長だった板谷茂少佐や、
一航艦航空参謀乙だった吉岡忠一少佐と同期で、
詳しい経歴は分かりませんが、
第七戦隊に着任したのが、一ヶ月前なので、
操艦などは慣れていなかった可能性もあります。 >>654の続き
敵の潜水艦や雷跡を発見した時には、
直ちに回避しなければなりませんが、
どのように・・・具体的には、どちらに転舵をすれば
良いのでしょうか。 >>655の続き
「魚雷は、水中速力が42〜36ノット程度で、
射程も2千〜3千メートルに過ぎない。
従って高速艦に対し、斜め後方から発射したのでは
回避の時間的余裕を与え、また状況によっては不達
となることもある。 >>656の続き
そのため、雷撃回避には、雷撃機を真横から後方に
見るような運動を行うのが有効である。
このようにすることを”後落させる”と称していた」
(『戦史叢書(43)ミッドウェー海戦』)p326 >>657の続き
例えば敵艦の真後ろ、艦尾方向から魚雷を発射するとします。
重巡なら最大戦速が35ノット、
雷速が42ノットで、
相対速度は、わずか7ノット
重巡側から見れば、艦尾から7ノットという低速で
のろのろと魚雷が接近して来ることになり、
これなら容易に回避できるでしょう。 >>658の続き
つまり雷撃側からすると、
敵艦の斜め前方から発射するのが良く、
逆に艦船側からは、敵魚雷を艦尾方向に見るように
回避すれば良いわけです。
南雲先生、これで合ってますか? 平成最後の南雲スレとなりました。
当スレを立ち上げたのが、
平成20年5月11日ですから、
まもなく11年が経とうとしています。
スレも36代目となりました。
ひとえに、本職の努力(ry
もとい、住人の皆さまの支えあってこそ!
深く感謝申し上げます。
11年もやって、未だにミッドウェー海戦編に
入ってないのは、どういうことなんだとは
思いますが、
令和の時代も、どうぞよろしくお願い致します。
・・・改元最初の挨拶を考えてくれる天才は現れるのか? 昭和史は善玉悪玉の
二者択一で割り切れません
.
. ヽ〃 真珠湾奇襲プシュ!
( _)
| | シコシコ・・・ シコシコ・・・
| | /⌒⌒⌒ヽ/~ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/⌒ヽ⌒ヽ___ | ∴ヽ 3 )
/ ゝ |
/ _ ゝ___)(9 (` ´) )j
/ 丿ヽ___,.───|彡ヽ ―◎-◎-| ハァハァ…
/ ) (彡 |
/ _/ \____/
山本五十六を賛美して毎回射精w
日本の一番汚い射精w
ホラ吹きジジイ 自称歴史探偵団www
昭和史の第一人者wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
半藤一利wwww 以下読むと大戦から何も学んでいないことがわかる
https://news.infoseek.co.jp/article/businessjournal_548181/?p=1
しかもエルピーダメモリで失敗したばかりなのに同じ失敗を繰り返す無能さ
役人の暴走を止められないのは戦前と同じ >>661 これからも、よろしくお願いしますね。
しかし、令和になるとこのAAも、時代遅れ感が・・・
次は平成ネタで作ってみては。
>>662 むむ、ジャパンディスプレイと大戦を
結びつけるのは、いささか飛躍があるのでは
しかも軍部ではなく役人? >>659の続き
以上の原則にしたがえば、
右舷前方に出現した敵潜水艦に対しては、
左舷回頭で回避するの一択ですね。
と〜りか〜じ! >>664の続き
以前、ジュットランド海戦編で話しましたが、
通常の艦隊運動ならば、
旗艦に取舵の信号旗を掲げて、
後続艦の了解信号を確認した後、
旗を降下させて、命令発動となりますが、
敵潜出現のような緊急時には、
どのような取り決めになっていたのでしょうか。 >>665の続き
まず夜間なので、旗旒信号や手旗信号などは
使用できず、
発光信号、無線電信、無線電話などを
使うことになります。
次に、面舵(右回頭)か取舵(左回頭)か、
回頭角度は何度かが
明確に識別できるようでなければなりません。 >>666の続き
それを規定したのが、「艦隊運動程式」で、
公刊戦史p473〜によると、
青青:緊急右45度一斉回頭
赤赤:緊急左45度一斉回頭 >>667の続き
今回は、取舵(左舷回頭)なので、「赤赤」が
該当します。
ちなみに45度以外に、10度から90度まで
10度きざみで、それぞれ信号が決まっているようです。 >>668の続き
先に述べた(>>665)ように
艦隊運動の場合、信号を出せば、それで終わり
なのではなく、
「予令」(命令内容の予告)
「復唱」(後続全艦に伝達されたことを確認)
「発動」(命令実行のタイミングを合わせる)
の三段階を、正確につないでいかなければならない。
今回のような緊急時でも、この手順をおろそかにしてしまうと、
混乱の原因となってしまいます。 >>669の続き
では、この「赤赤」信号の場合は、どうなっていたのか。
まず、信号灯は「赤赤」だけではなく、
「本信号ニハ、斉動信号灯ヲ用フ」
とあるので、
3つの信号灯を使用することになります。 [緊急左45度一斉回頭信号]
●赤
●赤
■斉動信号灯 >>671の続き
正確な配置は分かりませんが、
たぶんこんな?メ^字です。
色信号が二連に並んでおり、
左回頭の場合は、赤赤と点灯
右回頭の場合は、青青と点灯
それとは別に「斉動信号灯」というものがある。
これが点灯しているときは、一斉回頭
消灯していれば逐次回頭です。 [一斉回頭]
←┓
┗━▲┓
┃
←┓
┗━▲┓
┃
←┓
┗━▲┓
┃
←┓
┗━▲┓
┃ [逐次回頭]
←┓
┗━▲┓
┃
▲
┃
┃
▲
┃
┃
▲
┃ >>674の続き
ようやくジュットランド海戦編が
活かされるときが来たようだな!
一斉回頭は、全艦同時に回頭を始めるので、
単縦陣から単横陣に陣形変更することになります。
対して逐次回頭は、先頭艦が回頭した位置で、
後続艦も回頭するので、回頭後も単縦陣を維持。
今回は緊急性を要するので、もちろん一斉回頭だから、
「斉動信号灯」を点灯させます。 >>675の続き
これで、命令内容は正確に表現することができます。
続いては、
>「復唱」(後続全艦に伝達されたことを確認)(>>669)
ですね、
「先頭艦ハ、本信号灯ヲ点ジ、
後続艦、之ト同一信号ヲ点ズルヲ認ムレバ、
直チニ左舷ニ転舵スルト同時ニ、本信号灯ヲ滅ス」 >>676の続き
整理すると、
旗艦が赤赤+斉動信号灯点灯
↓
二番艦が赤赤+斉動信号灯を点灯
↓
旗艦は二番艦の点灯確認後、転舵開始
↓
旗艦は転舵開始後に、赤赤+斉動信号灯を消す >>677の続き
ここで注目してほしいのは、
一斉回頭というのは、本来ならば、
戦隊全艦(この場合は4隻)が、同時に
転舵を開始する命令ですが、
この「緊急左45度一斉回頭」は、
厳密に言えば、全艦同時ではありません。
後続艦(1隻だけ)に伝わった時点で
転舵を開始するので、時間差が生じる。 >>678の続き
それは、この後に、
「後続艦ハ、又自己ノ後続艦ガ同一信号ヲ
点ズルヲ認ムレバ、直チニ左舷ニ転舵シ、
同時ニ本信号ヲ滅ス、以下之ニ準ズ」
とあることからも、明らかですね。 [緊急左45度一斉回頭](その1)
↑
▲「敵潜水艦発見」
┃「赤赤点灯」
┃
▲
┃
┃
▲
┃
┃
▲
┃
┃ [緊急左45度一斉回頭](その2)
←┓
┗▲┓転舵開始
┃
▲「赤赤点灯」
┃
┃
▲
┃
┃
▲
┃
┃ [緊急左45度一斉回頭](その3)
←┓
┗▲┓
←┓
┗▲┓転舵開始
┃
▲「赤赤点灯」
┃
┃
▲
┃
┃
[緊急左45度一斉回頭](その4)
←┓
┗▲┓
←┓
┗▲┓
←┓
┗▲┓転舵開始
┃
▲「赤赤点灯」
┃
┃ [緊急左45度一斉回頭](その5)
←┓
┗▲┓
←┓
┗▲┓
←┓
┗▲┓
←┓
┗▲┓転舵開始
┃
>>684の続き
だいたいこんなイメージで、
通常の一斉回頭(>>673)と比較すると、
回頭後にきれいな横隊になるわけではなく、
信号伝達の時間差のため、梯形陣になります。
それも、信号伝達が理想的にいった場合の話で、
実際は、各艦の費消時間は、個々に異なりますから、
回頭後の陣形は、きれいな梯形ではなく、
もっと崩れた形になるでしょう。 >>685の続き
史実の第七戦隊は、この複雑な艦隊運動を
試みたわけですが、
ここで今一度、確認しなければならないのは、
そもそも今回の緊急回頭は、敵潜水艦発見をきっかけとして、
その魚雷攻撃を回避することが目的だったはずです。
しかし、よくよく考えてみると、
>「右45度、距離5千メートル」(>>643)の敵に対し、
左45度に回頭すると、どうなるのか。 [緊急左45度一斉回頭]
×敵潜水艦
←┓
┗┓
┗┓
┗▲┓
┗┓
┃
┃
┃
┃ >>687の続き
上図のように、回頭後、敵潜水艦との相対角度は
45度+45度=90度
すなわち、右舷側を敵にさらすことになり、
敵に絶好の射点を与えることになってしまうのです。
これじゃあ、ダメですよね。 >>688の続き
>雷撃機を真横から後方に見るような運動を行う(>>657)
という”後落の原則”に従うならば、
この場合、左90度〜135度回頭するのが正解
と言えるでしょう。 >>689の続き
左90度ならば、敵潜水艦との相対角度は
45度+90度=135度(右舷後方)
左135度ならば、敵潜水艦は艦尾方向
(45度+135度=180度)
となり、魚雷回避運動を容易にします。 >>690の続き
とはいえ、135度回頭というのは、
日本海海戦の東郷ターン(左150度の敵前大回頭)
に匹敵するもので、
高い練度と深い意思疎通を必要とされるため、
夜間、緊急時に行うのは、危険と言えますね。 >>691の続き
さすがに135度の”敵前大回頭”は、
現実的ではないということで、
左90度の一斉回頭なら、どうか。 >>692の続き
史実では、第七戦隊は、左45度一斉回頭を
二回続けて行ったことにより、衝突事故を起こしてしまうのですが、
同じ90度回頭をやるなら、一回で済ませてしまえば
混乱も少なく、事故も起こらないのではないか。 >>693の続き
とは言ったものの、本職は懐疑的で、
左135度回頭と同じく、左90度回頭もまた
危険と思われる。
当然ながら、回頭中は減速するのですが、
後続艦は直進を続けているため、
信号の見落としなどで、転舵開始が遅れたりすると
追突の恐れが予想されるからです。 >>694の続き
旗旒信号を使った、昼間の一斉回頭ならば、
その心配はありませんが、
夜間の信号灯による伝達では、
時間差が生じるので、避けた方が無難でしょう。
故に、90度回頭する場合でも、
45度回頭を二回繰り返すのが正解ではないかと。 >>695の続き
さらに、ややこしいことには、
第七戦隊は、左45度一斉回頭を2回繰り返すのですが、
それは、もともと90度回頭するつもりで、
それを2回に分けて実施したわけではありません。 >>696の続き
「敵潜水艦を発見するや、当直参謀は、
左に回避するため、斉動信号灯により、
赤赤、すなわち緊急左45度一斉回頭を
命じた」(p473)
ここまでが一回目の回頭。続いて・・・ >>697の続き
「その直後、さらに一隻の潜水艦を発見したので、
当直参謀は、回頭角度が不十分と認め、
今度は無線電話で赤赤を命じた
これで90度の回頭を行うつもりであった」
なんと、もう一隻別の潜水艦を発見したため、
回頭角度を追加したというわけですね。 >>698の続き
当時、該当海域には、米潜水艦タンバーしかいないので、
この「さらに一隻の潜水艦を発見」というのは、
見張の誤認によるものでしょう。
古今、潜水艦でないものを潜水艦と見誤ることは
数多ありました。 >>699の続き
例えば、真珠湾攻撃直後、ハワイ近海の哨戒に出た
空母エンタープライズでは、
浮いているモップを潜望鏡と間違えたり、
近づいて来るイルカを魚雷と報告したり、
常に戦闘配置で、駆逐艦は爆雷を無駄遣・・・ >>700の続き
あまりの誤報の多さに、ハルゼーは
「我々は中立的な魚たちに、爆雷を使い過ぎている。
適切に行動せよ」
と指示したとか。
(『空母エンタープライズ』E、ポッター/著)p45
敵潜水艦が突如出現し、しかも夜間ともなれば、
見張が神経質になって、存在しないものまで見えてしまうのは、
無理からぬことでしょう。 >>701
パラワン水道で愛宕、摩耶を沈められ高雄が大破した時の栗田艦隊の恐慌状態
は酷かったらしい。
駆逐艦は闇雲に爆雷を海面に放り込み、潜水艦の虚探知報告が相次いだ。
そのなかでダーターとデースは栗田艦隊の追跡を再開したがダーターが暗礁に
乗り上げてしまったので追撃を諦めたのは栗田艦隊にとって幸いだった。 >>701 そうですよね。
戦いの前から海を泳ぐはめになった司令部は、
全くお気の毒というほかない。 >>701の続き
ですから、漂流物か何かを敵潜水艦と誤認し、
その報告をもとに、更に転舵を追加したことは
責めることはできません。
問題は、ここ
>今度は無線電話で赤赤を命じた(>>698) >>704の続き
一度目は、信号灯で緊急回頭を指示したのにも
かかわらず、二度目は無線電話に変えてしまったのです。
いったいなぜ? >>705の続き
その前に、無線電話というと、
”使えない”ことで有名な、零戦の無線機が知られていますが
それと同じような近距離通信用の短波電話が艦船にも
搭載されていたと思われます。
これを使用するときは、日本語を使いますが、
命令そのままを伝えるのではなく、
別の日本語に変換していたようです。 >>706の続き
今回の緊急回頭の場合、
無線電話を使った手順は簡明なもので、
旗艦熊野「第七戦隊赤赤、二番艦(鈴谷)」
↓
鈴谷復唱
鈴谷「第七戦隊赤赤、三番艦(三隈)」
↓
三隈復唱
三隈「第七戦隊赤赤、四番艦(最上)」
最上復唱
↓
熊野「良シ」
↓
全艦一斉回頭 >>707の続き
上記のように、旗艦から順番に「赤赤」と
電話で伝えて行って、殿艦最上の復唱を確認した後、
旗艦の「良シ」の合図で、全艦が一斉に回頭する。 >>708の続き
注意したいのは、信号灯による回頭は
時間差が生じるのに対し(>>678)
無線電話の場合は、文字通りの一斉回頭で、
全艦が同時に転舵する。
一度目が信号灯で、
二度目が無線電話で、命令を出したら、
そりゃあ、陣形が乱れますよね。 >>709の続き
以上の経過を見ると、衝突事故の原因は、
不適切な回頭命令の出し方にあったと言えるかもしれません。
「左舷転舵」の同じ内容の命令を、
別々の手段で、連続して出すというのは、
昼間の航行時においても、受領側に疑問を起こさせる。
軍隊の命令というのは、簡潔明瞭で、
上官の意図が伝わるものでなければならない。 >>710の続き
結果論になりますが、
一回目の転舵命令について、
>右45度、距離5千メートル(>>643)
5千メートルというのは、魚雷の射程外であるし、
回避にも余裕がある距離です。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています