他ならぬ大山がこのように書いている

「江戸時代の人が現代の棋士と戦えばどちらが強いか。
現代は対局数が多く、情報社会の時代になっていて、自分の実戦に加えて、他の棋士の実戦譜が教材として手軽に入手することができる。
いわば、人の力を借りた知識が将棋技術の飛躍的な向上をもたらす、という一面があることは否定できないだろう」

「しかし、江戸時代の人は才能という点では決して現代棋士に劣るものではない。
かりに、江戸時代の人を現代に呼び寄せて、一年なり、二年なり、現代将棋の知識を身につけさせて対局すれば、はたしてどちらが強いか、にわかに断ずることはできないであろう」