「羽生世代は最強世代だがAIが強くなってきたので、AIで研究する若手についていくのは厳しい」という説は怪しい
というのも、何歳まで順位戦で勝ち越せるかを調べていてわかったことだが、羽生世代は谷川世代よりよく勝ち越している
A級順位戦は谷川世代は高橋谷川以外は若いうちに勝ち越すことができなくなっていたが、羽生世代は40代でも勝ち越しがある
A級から落ちたあとのB級1組での勝ち越しも羽生世代のほうがよく勝ち越している
羽生世代のほうが強いのだから当たり前かもしれないが、「若手についていけなくなる」という説とは矛盾している
やはり、強い世代が勝ち残っているのであって、逆も真なりで勝ち残れる世代が強い世代なのではないだろうか
もっと突き詰めるとどの時代のA級棋士も勝ち残れる棋士と勝ち残れない棋士がいるわけだから、時代のレベルで勝ち残れるかが決まるのでなく、強い棋士が勝ち残っているということなのではないだろうか

そして、調べていたらほとんどの棋士は50歳以降にB級1組順位戦での勝ち越しが一度もないことに気付いた
B級1組は12対局なので勝ち越すためには7勝5敗が必要となる
谷川でも6勝6敗はあるが一度も勝ち越しがないままにB2に落ちている
もちろん、もっと早く50歳でB1落ちしていたら勝ち越していたかもしれないが

C1に落ちて勝ち越しがある棋士も少ない
だから、ほとんどの棋士は再度昇級することはもとより降級点を消すこともできずC2まで滑り落ちていくことになる

A級での勝ち越しが一度もなかった棋士もいる
1期のみのA級棋士は皆そうだが、A級を何期か続けた棋士にも勝ち越しが一度もないままにB1落ちする棋士だっている
逆に抜きん出た才能がある棋士なら50歳すぎてもA級で勝ち越せるのはもとより、降級してもまだこのクラスだったら若い者に混じっても地力に違いがあるというので勝ち越すことができるのではないだろうか
そうした着想からどんな棋士がどの年齢でどのクラスで勝ち越しているかを散布図にしてみることを思い付いた