『戦争と平和』を一緒に読もう!
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
3月開始を予定しています。
当方、以前に【米川訳】で既読。
今回は【北御門訳】をメーンに、
新たに【藤沼訳】と【英訳】も参照。
先行での参加も可。 【藤沼訳】73頁
公爵夫人リーザが入ってきた。
彼女はもう別の、ホームウエアだが、
同じようにエレガントで、真新しい服を着ていた。 【英訳】
The princess came in.
She had already changed to a house dress,
but one just as elegant and fresh. 【米川訳】は無難でイメージし易い。
【北御門訳】はなんかなぁ。
【藤沼訳】はどうなんだろうね? 違うんじゃないのかね。 house dress をホームウェアと訳すくらいなら
そのままはハウスドレスにした方が良い
それが日本の読者に分かりにくいと感じるのなら
自宅用ドレスとでも意訳するとか >>38
ぼくは「刺繍」だと思いますよ。
帝政ロシヤの貴族の女子は教養として「刺繍」を習っていたそうです。
革命でパリに亡命した貴族女性は食うためにファッション業界にうって出た。
そのときに「ロシヤ刺繍」の技術が役立ったそうです。
米川正夫は確信をもっていたと思います。
読者に解りやすいように翻訳したのでしょう。
「編物」とした翻訳者はそこまで考えていたとは思えません。 【米川訳】55 頁
ナプキンから銀製の器、磁器、ガラス類にいたる一切のものが、
新夫婦の家庭によくある特殊な新鮮さを輝かしていた。
【北御門訳】30頁
ナプキンから銀の器、磁器、ガラス製器具に至る一切のものが
新夫婦の家庭によく見受けられる特殊な新鮮さの烙印を帯びていた。
【藤沼訳】79頁
ナプキンから、銀や陶器や、ガラスの食器にいたるまで、
なにもかも若夫婦の所帯によくあるように、新しさがひときわ目立っていた。 【英訳】
Everything from the napkins to the silverware, china, and crystal bore that special stamp of newness,
that is found in the households of the recently married. >>42 の【藤沼訳】で「真新しい服」と訳したのは
>>47 と呼応しているのだと思います。
この翻訳は納得できません。 >>46
>ぼくは「刺繍」だと思いますよ。
>帝政ロシヤの貴族の女子は教養として「刺繍」を習っていたそうです。
英訳を参考にするのなら
刺繍が施されているのはベルベットのバッグであり
それにhand work を入れて歩み寄ってきた
hand workは手内職くらいの意味だけど
アパレルでは手編みくらいの意味で使われる
それがレースなのかセーターなのかは分からないけど
もっとも貴族ならレースの可能性が高いけどね 「ニコライ・ロストフ」と「ヴェーラ・ロストワ」の続柄。
【米川訳】【藤沼訳】では
ヴェーラはニコライの姉。 「ニコライ・ロストフ」は大学生。
「ボリース・ドルベツコーイ」は青年士官。
ふたりは同い年。 「ナターシャ・ロストワ」は13歳。
「ヴェーラ・ロストワ」は4つ年上だから17歳。
「ソーニャ・アンドレーエヴナ」は15歳。 伯爵夫人「ナターリヤ・ロストワ」は45歳で子供を12人産んでいる。 どう考えても
「ヴェーラ・ロストワ」は「ニコライ・ロストフ」の姉ではない。妹だ。
【北御門訳】巻頭の「登場人物紹介」では
ヴェーラとニコライの続柄は示されていない。 正しくは「石」なんだけれど、「右」となっている。
草稿 ⇒ 清書原稿 ⇒ 活字拾い
どの段階で間違えたのかな?
併読の愉しみがある。 『戦争と平和』
【米川訳】と【北御門訳】は似ていて、細部の対比も面白い。
『アンナ・カレーニナ』『復活』
【木村訳】の人名は原文に忠実。
【北御門訳】も同様。
細部の対比も面白いだろう。 『戦争と平和』
【米川訳】と【北御門訳】は似ていて、細部の対比も面白い。
『アンナ・カレーニナ』『復活』
【木村訳】の人名は原文に忠実。
【北御門訳】も同様。
細部の対比も面白いだろう。 もちろん!
レフ・トルストイの3大長編、ドストエフスキーの5大長編は
人間として必ず読むべき作品。 ドスト3大小説は読んだけど、読み始めるまでが大変だよなあ
長編だとゆっくり読んでるうちに品切れになったり装丁が変わったりするから、全巻揃えないといけないし ドストエフスキーの3大長編って罪と罰、カラマーゾフの兄弟とあともう一つは悪霊? おれは『白痴』だと思うけれど、『悪霊』を推す人も多い。
面倒臭いから5作品全部読んだ。 ドストの5大長編って残りの一つが思い浮かばなかったんだけど『未成年』なんだな。
他のは何度も読んだけど、これだけ一度も読んだことなかった。
本自体売ってなかった時期も長かったような。
漱石、トルストイに続いて未読があるとはラッキーだ。 トルストイの3大長編って戦争と平和、アンナカレーニナとあとは何?復活?(復活は読んでない) 戦争と平和というけと一つの主体で経験できるわけじゃないことがトルストイの
勘違いで、戦争民族と、平和教徒の対兵的文学を人間以外を中心に昔ながらに模索すべきでしょう。 >>67
>おれは『白痴』だと思うけれど、『悪霊』を推す人も多い。
「3大長篇」と絞り込んだ場合、
「罪と罰」と「カラマーゾフの兄弟」を2つとするのなら
残りの1つは「白痴」にしないとテーマ的にうまく繋がらない
とくにカラマーゾフ理解には前提条件として「白痴」読解が必要
というか3つに絞り込むのは無理がある
やはり5大長篇として理解すべき 第一部から読み始めた。
新潮文庫には人物一覧がないんで、近所の図書館で文学全集のやつをコピーした。 とりあえずアンドレイとピエールを追っていけばいいのかな
会話の中で「<ねえ、いかがでございます、公爵。>」みたいに< >で囲ってあるのは一体何だろう? たぶん、ロシヤ語原書でフランス語の部分だと思われる。
ピエール・ベズゥホフ、
ニコライ・ロストフ、
アンドレイ・ボルコンスキイ、
ナターシャ・ロストワ、
マーリヤ・ボルコンスカヤ、
エレーナ・ワシーリエウナ 当時のロシヤ貴族はロシヤ語よりフランス語の方が得意だった。 なるほどフランス語の話がチラチラ出てましたね
始めの方、サロンの女主人が場の雰囲気を盛り上げようとあれこれ気を配ってるのが面白い 新潮文庫の表紙は晩年の作者だが、実績に執筆したのは30代なんだな
勘違いしてた 疑問点のある翻訳がいくつかある。
そのうちに列挙するね。 wikipedia(日本語判)の末尾にテキストのリンクがありますよ >>80
ありがとうございます!
однообразно-разнообразными
どう翻訳すればよいのかわかりません。
どなたかご教示ください! ごめん。
大事な単語を忘れていました。
однообразно-разнообразными лицами На перинах сидела женщина с грудным ребенком,
старуха и молодая, багрово-румяная,
здоровая девушка-немка. 読みにくいからやり直し
На перинах сидела женщина с грудным ребенком,
старуха и молодая, багрово-румяная,
здоровая девушка-немка. >>84 の文章中に何人いるのか?ということ。
【米川訳】【北御門訳】では3人。
【藤沼訳】【英訳】では4人。
4人のほうが納得できるんだけどさ。 >>84 は【米川訳】第1部第2篇第7章の第3段落
羽ぶとんの上には乳呑児をかかえた老女と、
頬の紫色に見えるほど赤い、
丈夫らしい若いドイツ娘が坐っていたが、…… 【北御門訳】第2編第7章第4段落
乳呑児を抱いた老女と、
頬が深紅色の、若い、健康そうなドイツ娘とが羽蒲団の上に坐っていた。 工藤訳は乳飲子を抱いた女と、老婆と、・・・ドイツ娘が(p326)
ドイツ人の百姓が引いてる荷馬車に乗ってる家族の話なんで、ドイツ娘ってわざわざ言うのも変な感じ? 【藤沼訳】第1部第2篇第7章第3段落
羽ぶとんの上に乳飲み子を抱いた女と、老婆と、
若くて真っ赤な、血色のいい、健康そうな、年頃のドイツ人の娘が座っていた。 【英訳】
A woman with a nursing baby, an old woman,
and a young, healthy German girl with purple-red cheeks were sitting on featherbeds. >>82 は
【米川訳】第8章第2段落
・・・・・・単調でしかも複雑な顔を含んだ中隊全部が、・・・・・・
【北御門訳】
・・・・・・、似たような顔をした中隊全員が・・・・・・
【藤沼訳】
・・・・・・、同じようで、それぞれ別の顔の中隊全員が、・・・・・・ 【英訳】
……, with all their similarly dissimilar faces,…… 要するに、
「……色んな顔立ちの中隊全員が同じような表情で、……」
だと思う。 第1部読了(工藤訳p260まで)
読みどころ
・熊と一緒に運河に投げ込まれた警察署長の話
・遺言書をめぐるワシーリイ伯爵とアンナのやり取り
アンナは息子の件で伯爵の世話になってるのにひどすぎる ワシーリイはアンナの父親に世話になっているからお互いさま。
ワシーリイは狡猾な奴。 ボリスはアンナのなりふり構わない懇願のおかげでいいスタート切れるのに
母親の必死さを嫌がってるのがいかにもプライドの高い若者らしくて面白い 【ロシヤ語原文】
Ночь была темная, звездная; 【米川訳】
暗い星月夜であった。
【北御門訳】
暗い、星月夜だった。 【藤沼訳】
その夜は闇夜で、星が降るようだった。
【英訳】
The night was dark, starry; >>96
工藤訳だと
まちまちの顔に同じような表情を浮かべた全中隊が(334)
戦闘シーンはどうも意味の取れない文が多い >>93
そのあとに、
兵士たちの話題はこの二人の女の品定めに限られてしまった(工藤訳)
という部分との整合はどうでしょう? >>107
従軍してるから殺人は経験しないですむほうが不自然だろうね
当時の戦争なら強姦もありうるとは思うが… >>109
どこに書いているかはそもそも知らないばかりか
その引用がどこで誰からのものだったのかも忘れてしまいました
つい10日以内に目にしたものなのですが
後で気になってきて知ってる人がいるのではと書き込んだのです 若いころにはあらゆる罪悪の味を知り、殺人さえ犯したというトルストイが、キリストの教えを、文字どおりに守ろうとしはじめた。 カーネギー「人を動かす」p324にあるそうです。出典にはなりませんが 一口に殺人っても戦場で、決闘で、喧嘩で、とか状況によるよなあ 殺人はまあ戦争では当たり前にあると思うのだけど
強姦も時代が違うから
そう問題にならない感じなのかな 日本では強姦魔が1000円札になってたくらいだからな…… 第二部読了(工藤訳P562まで)
戦闘シーンが続く
当時の軍制はどうだったのか
フランス軍には祖国を守ろうとか遅れた他の国を改革してやろうといったモチベーションがあったと想像するけど、ウィーンで闘ってたロシア兵は何考えてたのかな 脇役ながら気になる人物。
ドローホフ、ビリービン、トゥーシンあたりはこの後も出てくるのかな 岩波の藤沼訳はちょいちょいコラム載せてて軍制にも言及してたよ
あと、ドーロホフは出番たくさんある そうか私が引っかかていたのはトルストイに、
大きな影響というだけでは明らかに足りないぐらいに人生を変えられた北御門二郎が、
満州において藁切り機で現地人の首を笑って切り落とす軍人の写真と、
それを面白げに見せてくれた婦人にショックを受け、
死刑覚悟で徴兵拒否したこととの違和をどこかで感じていたからなのだ >>104
何故、米川、北御門が誤訳したのかわからない。
北御門は先行訳に引っ張られたのかもしれない。
両翻訳とも二人の女に猥褻な言葉を投げかけたとある。
乳呑児とその母。
老婆はたぶん50歳前後。40代かもしれない。姑じゃないのかな。
年頃の娘は小姑か、乳呑児の母親の妹。 【北御門訳】には地図はない。
【米川訳】【藤沼訳】にはある。
戦闘シーンは地図を見ながら理解する。
【藤沼訳】の地図のほうが詳細。 ドナウ河は、世界地図だと左から右に流れている。
「左岸」は上になる。
戦争シーンは面白いよね。 まぁ、いくら強姦大好きの露助でも
50前後の婆に劣情を催さないと思う。
【北御門訳】には小さな誤訳がいくつもある。
日本語の語彙力が豊かでとてもいい翻訳だけれど、
完成度は【米川訳】のほうが上だと思う。
【藤沼訳】は『白痴』『アンナ・カレーニナ』の【望月訳】と同じで無味乾燥。 【米川訳】第1部第2篇第10章後ろから3段落目
つまり、事を決するのは君らのデュレンシュタインの小ぜりあいの力、
すなわち、一般に火薬の力ではなく、火薬を発明した者なんだよ。
【北御門訳】
……結局僕が戦争の始めに言ったように、
君たちの《ジュレンシュタインの撃ち合い》でなく、
つまり総じて火薬の力でなく、
火薬を発明した人々の力が事を決めることになりますよ」と…… 【藤沼訳】
……つまり、事を決するのはデュルンシュタイン付近でのあなたたちの小競り合いや、
一般論として、火薬なんかじゃなくて、それを考え出した連中なんです」…… そういやそうだな
すっと流せば分かるようで
考えるとわからん 勝敗を決するのは戦場での小競り合いではなく
それを差配する幕舎である、ということで
要するに末端の兵士は駒に過ぎないという考え方
「戦争と平和」におけるトルストイの考え方は
こういう貴族主義的考え方とは正反対なんだね
むしろ西欧文化に毒された貴族たちではなく
ロシアの大地に根差した農民たちの無私の働きが故国を救うといった
ドストエフスキー流の大地主義の立場に与する
アイザイア・バーリンがメストルを引用して
「戦争と平和」の哲学を剔出する際には
「意志」というものにスポットを当てるのだけど
亡命貴族であるメストルはもちろん貴族主義者なので
「火薬を発明する」側の意志を重視する
しかしメストルに対して批判的なトルストイは
土俗的民衆の無私の奉仕こそ国家の屋台骨を支えるものと考える 特定の誰かの影響ではなく、状況的に考えてそうせざるを得なかったって立場じゃない
たまたまそこにナポレオンのような目立つ人間がいると
祖国が救われたのだって結果論だし >>122
岩波文庫は6冊で7千円近く、新潮文庫は4冊で約4千円、ということで新潮にしましたが、岩波の方が何かと親切なようですね >>130
さっそく『ハリネズミと狐』を読み出しました。
>>132
『戦争と平和』の読破にはかなりスタミナを消耗しますから、
【藤沼訳】を用意するといいと思います。
布陣図も載っているので戦争シーンの理解に役立ちます。 有名な人しか文学をやってないわけじゃないのに、無名の人をより中心に取り上げないのも
学問版の変なところだ。無名の文学が本音にならないと。 やっと第三章まで
ピエールは美人の公爵令嬢と結婚
その直後に、美人じゃない方の令嬢の結婚話
アンドレイは戦場でナポレオン軍の捕虜に
ナポレオンはチラッとしか出てこないが中々魅力的な人物 第二巻第一章
これまでボーッと生きてきたピエールだが、嫁が浮気したと思い込み、ドローホフと決闘
この日初めて拳銃に触ったピエールが勝利するとは(ドローホフわざと?) 脇腹を撃たれたドローホフは(当然死ぬかと思ったら)やがて回復
恋の恨みからロストフをギャンブルでボロ負けさせ、43000ルーブリの借金を負わせる(1ルーブリ=1万円?)
よく払えたね…
決闘やギャンブルのシーンは読んでてもどきどきする 女ナポレオンは見事なのに。時代の限界点に生きたのは女性のほうだ。 対他 男性にとっての女性 女性にとっての男性 という意味では双方魅力がある。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています