「天皇制」なる制度は存在しない、ということです。
そもそも、天皇は「制度」として存在しているわけではないので、
「天皇制」という用語自体を用いることが適切ではないからです。
また、「天皇制」という言葉は、皇室を廃止し、日本の共産化を画策したコミンテルンによる造語であることから、
天皇・皇室に否定的な立場から捉える意味が含まれている為、安易に用いるのは危険な表現であるともいえます。

天皇は、制度があるから存在しているという訳ではありませんから、天皇の存在自体は制度とはいいません
(逆に言えば、例え制度がなくても天皇の存在要件には関わらないのです)。
天皇の在り方、皇室の運営の詳細(皇位継承・予算・国事行為・敬称・身位・婚姻等)について、
法に依って定めたものが「制度」なのです。
従って、現在の皇室の予算については、皇室経済法という「制度」で定められていますが、
「天皇制」という制度によって天皇が存在しているのではないのです。

天皇の存在≠制度(天皇制)
皇室の運営・在り方=制度(皇室制度)
…という構図です。

“天皇制”という言葉は、共産党が言い出した言葉とされています。
日本の連続性を考えた場合、国家としての日本の始まりは戦前戦中に言われていた建国記念日
(紀元節:初代天皇の神武天皇が即位した時)と考えるのが妥当で、
もともと天皇や皇室は制度として作られたものではないからです。

日本独自の長く続いた文化、伝統を“制度”という言葉で表現するのは、
親子関係を制度と言うのに近いでしょうか。