35 あらゆる生きものに対して暴力を加えることなく、あらゆる生きもののいずれをも悩ますことなく、また子を欲するなかれ。
況(いわん)や朋友(ほうゆう)をや。犀(さい)の角のようにただ独り歩め。
36 交わりをしたならば愛情が生じる。愛情にしたがってこの苦しみが起こる。愛情から禍い(わざわい)の生じることを観察して、犀の角のようにただ独り歩め。
37 朋友・親友に憐れみをかけ、心がほだされると、おのが利を失う。親しみにはこの恐れのあることを観察して、犀の角のようにただ独り歩め。
38 子や妻に対する愛著は、たしかに枝の広く茂った竹が互いに相絡むようなものである。
筍(たけのこ)が他のものにまつわりつくことのないように、犀の角のようにただ独り歩め。
39 林の中で、縛(しば)られていない鹿が食物を求めて欲するところに赴くように、聡明(そうめい)な人は独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。
41 仲間の中におけば、遊戯と歓楽とがある。また子らに対する情愛は甚だ大である。愛しき者と別れることを厭いながらも、犀の角のようにただ独り歩め。
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