ドストエフスキーPart46 [無断転載禁止]

1吾輩は名無しである2018/02/09(金) 23:08:51.28ID:1h9p0bzn
前スレ
ドストエフスキーPart45 [無断転載禁止]
http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/book/1504199868/

カラマーゾフ以外の著作でも構いません、話しあいましょう。ドストエフスキー関連何でもあり。

http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/book/1504199868/_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:----: EXT was configured

485吾輩は名無しである2018/05/15(火) 19:29:54.25ID:5ItepqfW
>>469

妙に説得力があるぞw

486吾輩は名無しである2018/05/15(火) 19:33:19.25ID:V3WWECKb
>>483
>どうでもいい、これは悪霊でもよく出てくるけど

「白痴」でもよく出てきますよ
因果律によって現実理解に秩序と形式を与える「意識」
つまりカント風の悟性についての懐疑でしょうね

スイスの療養所で癲癇性の分裂病的な病理から
奇跡的に回復したムイシュキン公爵が
形式主義的名誉にこだわるロシア貴族社会と
営利追及の自由主義との相克の中で分裂して
やがて意識の薄明の中に帰っていく

ルソーの社会契約論では文明社会の成員の行動原理は
「自尊心」(名誉)と「利己心」(生存欲求)によって説明され
主に自尊心が闘争原因となり、利己心は憐みに派生して共同性の担保となるとされる
こういう考えにドストエフスキーは鋭い疑問を投げかける
その答えがムイシュキン公による「同情主義」の破綻なわけです

487吾輩は名無しである2018/05/15(火) 21:20:44.52ID:euF4z+YZ
燃えろ燃えろペチカよ燃えろ
燃えろ燃えろ地球のために

488吾輩は名無しである2018/05/16(水) 00:49:16.20ID:BFNe1v9i
>初めは細くて砂糖のように白い指がパランパランとガラスをたたいていた窓が、開いたかと思うと、可愛らしい若い女性の顔がそこから覗いて、花の植木鉢を売り歩く行商人を呼び止める ─ ─

ドストエフスキー 白夜

上は長い文の一部だが、「細くて砂糖のように白い指がパランパランとガラスをたたいていた窓が」だが文法構造がわからん。

「細くて砂糖のように白い指」が主語で、その指が「パランパランとガラスをたたいていた」のかね?

489吾輩は名無しである2018/05/16(水) 01:23:19.86ID:BFNe1v9i
皆が時には憐憫の情を抱き、時には同情的な愛情を抱くか、あるいは単にその存在に気づきもしないような、か細いひ弱な女の子が、

突然、一瞬のうちに、思いがけず、えも言われぬ素晴らしい美人に変身

─ いかなる力が、あの悲しげでもの想わしげな瞳に、あんな炎を煌めかせたのか? 
何ゆえにあの蒼白い瘦せこけた頰に赤みが差したのか? 
何があの優しい面差しを情熱で包んだのか? 
なぜあの胸はあんなに膨らんでいるのか? 
何があの哀れな女の子の顔に、力や生命や美を突然、呼び覚まし、あんな微笑みで顔を輝かせ、あんなに明るく火花のように煌めく笑いで生気を蘇らせたのか? 

こちらは辺りを見回し、誰かを探し求め、誰が原因なのかを言い当てようとする……。 

490吾輩は名無しである2018/05/16(水) 01:27:45.03ID:BFNe1v9i
ところが、そんな一瞬は、あっという間に過ぎ去り、
ひょっとするともう翌日には、
以前と同様のもの想わしげで虚ろな眼差し、
同じ蒼白い顔、従順でおずおずとした物腰、
それに過ぎ去った興奮に対するどこか重苦しい憂愁や
悔しさの痕跡さえ目にすることになるのだ……。
それを見たこちらは、もう二度と取り戻せない一瞬の美が、
萎れてしまったこと、彼女がこちらの目の前で煌めいて
見せたのは、単なるまやかしで、実に空しかったこと、

491吾輩は名無しである2018/05/16(水) 02:30:07.00ID:+87dynnL
>>488
>「細くて砂糖のように白い指」が主語で、その指が「パランパランとガラスをたたいていた」のかね?
だね

492吾輩は名無しである2018/05/16(水) 02:38:42.66ID:+87dynnL
キリーロフ
自由というのは、生きていても生きていなくても同じになるとき(どうでもよくなるとき)、
はじめてえられるのです。
これがすべての目的です。

493吾輩は名無しである2018/05/16(水) 12:11:55.08ID:r07yCyj4
キリーロフ「赤ん坊をハンマーで叩き潰すことも素晴らしい」

494糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y 2018/05/16(水) 16:15:06.12ID:NagFM8PU
アメリカ合衆国。
http://hougakukyoushitu.cocolog-nifty.com/thirdroundthriller/2018/05/post-76c2.html

トマス・アクィナスのアメリカ訪問。
アクィナスが分かれば世界が分かる。

495吾輩は名無しである2018/05/16(水) 16:41:19.51ID:ufu58L3H
>>486
自然状態について、本来人間は憐憫と同情を持って生まれたとするルソーと、人間は本来は敵対関係で生まれたとしたホップスと、どちらかが人間の本性に合っているんだろうかとこういう話でよく思う
結果として両者も人間間の服従契約の否定に至るが、出発点が違うのに同じ結論になるのはおもしろいよね

496吾輩は名無しである2018/05/16(水) 18:29:04.74ID:BFNe1v9i
>>495
> 自然状態について、本来人間は憐憫と同情を持って生まれたとするルソーと、人間は本来は敵対関係で生まれたとしたホップスと、どちらかが人間の本性に合っているんだろうかとこういう話でよく思う

------------
仏ならどちらもちがうと考えはしまいか? 憐憫と同情と慈悲も、敵対と闘争と勝他も、

どちらも人間生命に内在しており、縁に触れて出生(しゅっしょう)するのだと。

平たくいえば「善人も悪人もいない」善いことをするとき善人とよばれ、悪いことをするとき

悪人とよばれるのだと。

497糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y 2018/05/16(水) 21:08:24.40ID:NagFM8PU
垂加神道〜スタンフォードとJPOPの出会い。
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/120449695

女は「なぜパートナーが自分とセックスしたがるのか?」の説明を与え続けている。
このことからアイドル作詞の曲を調べてみた。

穴井夕子。「簡単なこと」
https://youtu.be/NOlVeoY815s

酒井法子。「私が強いから」
https://youtu.be/0hUf2Yko7M0

新田恵利。「伝説だから」
https://youtu.be/iel72Qa4ZVU

瀬能あづさ。「天使の羽に抱かれろ」
https://youtu.be/4htekiGTB-Q

宮前真樹。「理屈じゃない。ガラクタたちが教えてくれる」
https://youtu.be/SlAUkz1yLtg

498吾輩は名無しである2018/05/16(水) 22:53:27.36ID:8T4A+cbd
これでいいのだ

499吾輩は名無しである2018/05/17(木) 01:08:57.52ID:bxhiY0s8
天才バカボンがキリーロフやカミュのシシュポスと同じとは盲点だったわw

500吾輩は名無しである2018/05/17(木) 06:27:50.44ID:RUzwxiNK
>>497

> 宮前真樹。

かなり売れそうで、それほどは売れなかった印象。

501DJgensei artchive gemmar2018/05/17(木) 07:01:16.66ID:fa7Me6Ta
人間の持っているものは端くれながらでも闘争心でしょう。

502吾輩は名無しである2018/05/17(木) 20:01:06.97ID:G05vddR9
キリーロフは昼夜逆転の生活を送っている。
夜中から朝方まで部屋を中をうろうろしながらずっと考えごとをしている

503吾輩は名無しである2018/05/17(木) 22:29:16.16ID:QeQY1KEQ
>>501
>人間の持っているものは端くれながらでも闘争心でしょう。

それをドストエフスキーは
物質的欲求に由来する「生活の闘争」と
階級や名誉に由来する価値闘争に分類している
だから生存の維持に必要な物質的欲求が満たされた利子生活者になったら
名誉心などに起因する価値闘争から身を護るために孤立する
いわゆる「地下室人間」のイメージが提示される

504DJgensei artchive gemmar2018/05/18(金) 09:26:13.82ID:ZcLO9cBJ
善と悪は一人の人格の中に共存しえないでしょう。

505吾輩は名無しである2018/05/18(金) 10:53:30.46ID:5m3hPjGj
そんなことはない。

506糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y 2018/05/18(金) 17:46:08.86ID:LOgpA9BY
アメリカ合衆国。
http://hougakukyoushitu.cocolog-nifty.com/thirdroundthriller/2018/05/post-76c2.html

トマス・アクィナスのアメリカ訪問。
アクィナスが分かれば世界が分かる。
南米サッカーが戦争につながる理由も「夢で追いかけてくるアクィナス」
をめぐる宗教上の対立だった。

507吾輩は名無しである2018/05/18(金) 20:32:55.45ID:6vMUdKhB
凡人に狂気は無く最も理性的な人間にこそ狂気は宿る
とはチェスタトンだったかな
ドストエフスキーも似たような事を言っていて
悪人であるには理性的でなければいけない
といったことを「未成年」でヴェルシーロフに語らせている

また、チェスタトンは
永遠について思索するよりも一瞬の決断についての方が大切だと言っているが
これと似たような事は「白痴」でも述べられている
永遠と瞬間が同期するという発想はドイツロマン主義にも見られるが
チェスタトンやドストエフスキーの瞬間というのはそういうものではない
諸瞬間で下される判断や状況の背後に潜む「秘密」について述べているわけで
それが5大長篇という一種の犯罪小説のモチーフにもなっている

トルストイが「人生論」でも述べているように
人間に自由意志は無いわけだね

508糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y 2018/05/18(金) 23:55:57.13ID:LOgpA9BY
詩の世界のヒーローはトマス・アクィナスだ。
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/118785946

トマス・アクィナスを理解すれば、中世ヨーロッパ史からアメリカ合衆国、ヨーロッパ全土の現在、
そして道徳とは何か?まで理解できる。

509吾輩は名無しである2018/05/19(土) 00:09:50.27ID:7/q3MY+o
>>507
トルストイにこそ当てはまる気がする
本当の倫理家の精神の一部は狂人なのだろう

510吾輩は名無しである2018/05/19(土) 01:42:34.63ID:cdYacNLw
トルストイやドストエフスキーが自由意志についてどこまで自由としていたかは難しいが、ドストエフスキーについてはこの自由意志にこだわったのは確かだと思う
必然性と可能性の中でどこまで自由に意志できるかを探ってみたんじゃないかな?
そもそも自己が自由に意志するとは何なのか
そもそも自己とは何なのかを考えるとパンクするねw

511吾輩は名無しである2018/05/19(土) 01:42:49.38ID:cdYacNLw
キルケゴールは人間とは精神であり自己であるとした
自己とは自己自身に関係に関わる関係であるとし、つまりは第三者の目の介入を必要として、それを人間の尺度としている
絶望している人間の尺度とは社会であり、世界であり、人間(他者)であると言っている
もし人間が自己の尺度を神とした場合、その人間の尺度はどんなに無限にかわるのか!と
また絶望とは、神の前にして、絶望して自己自身であろうとすることとも言っている

ヴェルシーロフやイワンは最後はで自己自身であること、理性を離さないこと、それらを見放さなかった
つまり絶望者である
じゃあ彼らはどうすれば救われたのか?
分からないことだらけでヤニなるよねまったくw

512吾輩は名無しである2018/05/19(土) 02:35:05.59ID:cdYacNLw
>>511
>もし人間が自己の尺度を神とした場合、その人間の尺度はどんなに無限にかわるのか!と
訂正→その人間の自己はどんなに無限になるのか
ねようw

513DJgensei artchive gemmar2018/05/19(土) 07:03:33.75ID:MCpeMuPC
自己なんて世界の0.00無限なのに、自由意思もひっくるめて、依存しすぎだね。

514吾輩は名無しである2018/05/19(土) 14:48:06.30ID:5AgFDZ1k
「未成年」は節約生活ノウハウみたいな箇所が妙に面白いわけだが。

515吾輩は名無しである2018/05/19(土) 20:03:37.10ID:Bl2peDdJ
しかしイポリートの夢に出て来る
三叉戟のような形態の蛇蝎は何を意味しているのか?
ギリシア神話における
ネプチューンによるイポリートへの罰のことなのか

監獄のような小部屋で三叉戟状の蛇にして蠍に追い詰められが
庇護者たる母とその知人男性は無力で
5年前に死んだ筈の愛犬ノルマ(黒犬)がほぼ相討ちという形で
イポリートを死の淵から救う

この悪夢から覚めた時にムイシュキン公が現れ
イッポリートを死の部屋から救い出す
しかし、この「救済」をイポリートは欺瞞だと糾弾する
で、この夢の事をどういうわけかムイシュキンは事前に知っていた

スイス的あるいはキリスト教的ムイシュキン公による善美と博愛の思想が
ギリシア的かつ能動的ニヒリストであるイポリートによって非難される

516糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y 2018/05/19(土) 20:26:29.94ID:5EbITBsq
詩の世界のヒーロー。
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/118785946

一部抜粋。
「思い出のあるコミュニティー」だけが彼女の「世界の終わり」の願いを押しとどめていた。
フランス革命、パリコミューン、ロシア革命、ハンガリー動乱に学んだ日本は中学校の恩師をなかなか異動させないようにした。
「意味のある活動」をすれば恩師は自分のことを覚えている。
「世界に終わりがきてしまえばいいのに」
そう思った時に、母校の周りをうろついた。
「思い出のあるコミュニティーがないこと」
これが全体主義の起源である。
ノスタルジーを感じることが時には人間には必要だった。
【聖地巡礼の心理学とは、世の中に終わりが来てしまえばいいのに、ということと全体主義の克服にある】
https://youtu.be/BUI5M1myqSA

517吾輩は名無しである2018/05/20(日) 01:13:55.20ID:Vj1yFAMB
>>515
ドストエフスキーは夢に特別な意味を与えているね
自身が癲癇とかで何かそういう夢を見たのかもしれない

518吾輩は名無しである2018/05/20(日) 09:38:25.38ID:ixM7A+Ih
ドストエフスキーは何回読んでも新たな発見がある。
長い小説だから、読んでる途中でだらけていい加減に読んでしまう箇所が何箇所かある。
その箇所が二回目三回目に読むとき、新たな発見になるわけです。

519糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y 2018/05/20(日) 12:40:20.43ID:+dB1pJyd
三浦海岸の海開きを待て。
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/119553642

まだまだ進化する「聖地巡礼」
https://youtu.be/IjFaR-qPr0M

520吾輩は名無しである2018/05/20(日) 13:10:44.53ID:7plHb8d/
>>503
> それをドストエフスキーは
> 物質的欲求に由来する「生活の闘争」と
> 階級や名誉に由来する価値闘争に分類している

これは「地下室」本文に書かれているのですか? 特に気になったのは、

> だから生存の維持に必要な物質的欲求が満たされた利子生活者になったら
> 名誉心などに起因する価値闘争から身を護るために孤立する
> いわゆる「地下室人間」のイメージが提示される

521吾輩は名無しである2018/05/20(日) 13:17:48.61ID:7plHb8d/
> だから生存の維持に必要な物質的欲求が満たされた利子生活者になったら
> 名誉心などに起因する価値闘争から身を護るために孤立する

ぼくにはどうも そう思われない。というのは、名誉心などに起因する価値闘争は夢の世界へ
と圧迫される氣がする。夢で、あるいは仮想世界で噴出するのでは。

ともあれ、このスレについていくために必須なのは「まず自分自身が読むことだ」読みもしないで、そこに書いてある字面だけおっても空転だ。イメージの共有ができてないからだ。

522吾輩は名無しである2018/05/20(日) 13:22:20.08ID:7plHb8d/
>>484
> 罪と罰でテレンティウスの言葉を引用するね
> 「homo sum: humani nil a me alienum puto. (TER. Heaut. 77)」
> 「我は人間。人間的なものにして我に無縁なるものはなしと思う」

レスが遅れましたが、原典まで出して頂き感謝。強力な教養を相手にひけらかす為の武器としてではなく、ドストが「古典のなにを読んでいたか」

そして「彼がその文をどう解釈し、なにを引き出したか」

523吾輩は名無しである2018/05/20(日) 21:06:30.20ID:7Fc4cGvq
>>504

ヘルマン・ヘッセ「カラマーゾフの兄弟、ヨーロッパの没落」 (1919年)

ドストエフスキーの諸作品において、ことにもっとも強い焦点を結んで「カラマーゾフ」において、私には私が自分の用語で「ヨーロッパの没落」と呼んでいる事柄が、おどろくほどの明瞭さをもって、表現されて予言されていると思われる
ヨーロッパの青年、とくにドイツの青年が、自分たちの偉大な作家と感じているものが、ゲーテでなくニーチェでもなく、じつにドストエフスキーであることは、私たちヨーロッパ人の運命にたいして決定的な意味をもつ
カラマーゾフの理想、古い古いアジア的な神秘の理想がヨーロッパの思潮になりはじめている
それが私がヨーロッパの没落とよぶところのものである
「アジア的」理想とは何であろう
いっさいを理解し、いっさいを肯定するために、あらゆる固定した倫理や道徳から離れるということである
長老ゾシマが第一にそれを告知し、アリョーシャがそれを実践し、ドミトリイおよびはるかにそれ以上にイワンがもっとも明瞭にそれを意識して述べたような、ひとつの新しい危険な恐ろしい神聖さを実現せんがために既存の固定した観念から離れるという方向である
イワンが物語の進行につれて、文明人からカラマーゾフ人に、ヨーロッパ人からロシア人に、形のととのった歴史的タイプから、未来のための無形式的素材になってゆく
最初彼の身をつつんでいた落ちつき、悟性、冷静、科学性の威容からずれ落ちていった、もっともぐらつきそうにもなかったカラマーゾフ族のひとりが、ヒステリー、ロシア性、カラマーゾフ的なものへ移行していった
ロシア的人間、カラマーゾフとは、殺人者であって同時にもっともデリケートなたましいの所有者である
それは申し分のない利己主義者であり、また申し分のない献身の英雄である
ヨーロッパ的な、確固たる、道徳的な、倫理的な、ドグマ的な立場から、この人間の真相をきわめることはできない
この人間のなかには外と内、善と悪、神と悪魔とが同時に存在しているのである

524吾輩は名無しである2018/05/20(日) 21:08:22.00ID:7Fc4cGvq
つづき

同時に悪魔でもある神とは、太古のデミウルク(原初的創造神)である
彼は劫初から存在した神である
彼のみが種々の対立の彼岸に立っており、昼と夜、善と悪との区別を知らない
彼は無でありまた全である
彼はわれわれには認識できない、われわれはすべて対比と対照によってのみ物を認識することができるのだから
われわれは個体であって、昼と夜、暖と冷の対立にしばりつけられており、神と悪魔の両者を必要とするのである
対立の彼岸、「無にして全」の中にはただデミウルク、善も悪も知らない全の神だけが生きているのである
ロシア的人間の本質、それは諸対立、諸特性、諸道徳から脱出しようともがく人間である
それは自己を離れ、個体化の原理という帳の背後の世界へ帰ろうとしている人間である
こういう人間はなにものをも愛せず、またすべてを愛する、なにものをも怖れず、またすべてを怖れる、なにごともなさず、またすべてをなす
こういう人間はふたたび原材料、形態のない霊的素材に戻ったのである
現行の形式では、こういう人間は生きることができない、ただ没落してゆくばかりである
この没落人、この恐ろしい幽霊をドストエフスキーは、彼の魔力をもって芸術の世界へ呼び出した
ロシア的人間はとっくにロシアの外に進出して、ヨーロッパの半ばを支配しているのである
ヨーロッパは疲れていることが明らかになったのである
ヨーロッパは故郷へ帰りたがっている、そして休息したがっている
そして創り直され、生まれ変わることを望んでいることが明らかになったのである

525吾輩は名無しである2018/05/21(月) 01:00:42.27ID:UPtOGcn5
>>523
> ヘルマン・ヘッセ「カラマーゾフの兄弟、ヨーロッパの没落」 (1919年)

これの存在してることだけ仄聞してたが、まさか2ちゃんで引用してくれて、はじめて読むことになろうとは。ありがとう。

ヘッセは、考えてみれば、自分にとって、ドストの次に愛読した外国文学といえる。そのヘッセが、ドストエフスキーの系譜のひとりであることを感じた。

> ヨーロッパの青年、とくにドイツの青年が、自分たちの偉大な作家と感じているものが、ゲーテでなくニーチェでもなく、じつにドストエフスキーであることは、私たちヨーロッパ人の運命にたいして決定的な意味をもつ

ひとりヨーロッパ人にかぎらず、私たち日本人にとっても特別の文豪であろう。おそらくは、中国人韓国人アフリカ人にとっても。

526吾輩は名無しである2018/05/21(月) 01:04:05.22ID:UPtOGcn5
「まず自分自身が読むことだ」と書いておきながら、日常茶飯事に
まぎれて読めてない。

カキコの時間はあるのに。だから私は彼を尊敬するというのだ。

わたしにとってカキコは簡単だが、ヨミコは恐ろしいほどの努力が必要なんだ。

527吾輩は名無しである2018/05/21(月) 01:45:58.88ID:gfgyi6wS
ヘッセも文学上にてまぎれもない天才だよね
彼はアベルの血だけではなくカインの血もまた肯定しようと試みて、それを人間の本性のように書いている
迸る思いのままに生きること、二元論の同時性を求め、アブラクサスを神として、善と悪の同時共有曰く全一性の本質を人間に見出そうとしたように思える
一切は無くてつまりは一切は在る、ということ
ドストエフスキーの類似性をここに見る

ヘッセは、すべて無いならば「自分を自分で支配すること」で、創造を見つけようとしているように自分には読んで思えた
ヘッセは、自己からわき出る素直な感情を大切にしたと言っても間違いにはならないだろう

528吾輩は名無しである2018/05/21(月) 01:46:29.25ID:gfgyi6wS
ではドストエフスキーはどうか
善と悪の概念がなくなったとき、上のレスであるように、単純に精神は疲れてしまいもたなくなる
自殺という結果のみがそこにある
そこで救済を見つめなければいけなくなる
ドストエフスキーは、すべて無いならば「自分を神に支配してもらう」ことで、創造を見つけようととしたのではないだろうか
それでは言い方がまだ足りないくらいに、雀が落ちるのもすべて神の意志でありように一切を委託する

個人的読解では、ヘッセは、善と悪や創造と破壊・秩序と混沌・理性と感情などを自己の中に求めることで幸福と自己実現を求めた作家だと思うんだ
一方でドストエフスキーは、それらを自己の外に置き、それらを自己の外に求めることで幸福を実現しようとしたのではないかと思っている
ぼくもまだまだ読みとれていない部分が多いとは思うが今のところはこんな感じが持ってる感想かな

529吾輩は名無しである2018/05/21(月) 02:49:28.69ID:UPtOGcn5
>>507
> 諸瞬間で下される判断や状況の背後に潜む「秘密」について述べているわけで
> それが5大長篇という一種の犯罪小説のモチーフにもなっている

----------------------
なんとも謎めいた表現だが、しかし「そうだ!たしかにそうだ!」

目も覚めるようなフレッシュな視点を与えてくれた。

「諸瞬間で下される判断や状況の背後に潜む「秘密」」かっ...

カラマーゾフや罪と罰の、種々の場面が想起される。

530吾輩は名無しである2018/05/21(月) 02:59:54.08ID:UPtOGcn5
>>527
最近、スレのみんなのカキコが盛んですねえ!

ところでヘッセですが、ぼくがもっとも読み込んだのは「ガラス玉演技」中の「3つのものがたり」です。

文庫本ですが、読みすぎて、すり切れてバラバラになり、押入れかどっかにあるはず。

カラマーゾフで、アレクセイとゾシマの関係性を自分に当てはめて

読んできたように、この「3つの物語」を読んでいた時は、30代なかばで、一種の精神的危機でした。

あなたはガラス玉を読みましたか?

531吾輩は名無しである2018/05/21(月) 03:03:14.44ID:UPtOGcn5
ひじょうにハイレベルなカキコにレスをつけるのは難しい。

また逆に、ひじょうにシンプルだが、相手の考えに自分の信念を注入せしめるのも、また困難。

532吾輩は名無しである2018/05/21(月) 04:05:16.94ID:UPtOGcn5
>>518
> その箇所が二回目三回目に読むとき、新たな発見になるわけです。

わたしも牛のように鈍重に、同じ箇所をくりかえし反芻して
語りたい。

「信仰のうすい貴婦人」より、ゾシマと母夫人の対話の場面。

オブドールスクの客僧が、「あなたはどうしてあんなことを
思いきってなさるのですか?」と訊く。

ゾシマ「このことはもちろん、今語るべき時でありませんじゃ。
少しくらい軽くなったのは、すっかり治ってしまったのと違う
し、それにまたほかの原因から起こることもありますでな。
しかし、もし何かあったとすれば、それは誰の力でもない、
神様の思し召しじゃ。一切のことは神様から出ているのじゃ。
時にどうか本当にお訪ね下され。」

533吾輩は名無しである2018/05/21(月) 04:24:07.94ID:UPtOGcn5
時にどうか本当にお訪ね下され。」と彼は、僧に向かってつけたした。「でないと、いつでもというわけに参りませぬでな。病身のことゆえ、もう命数もかぞえ尽されておる、それはわたしも承知しておりますじゃ。」
------------------------------------------------

オブドールスクの僧は「単純ではあるが確固不抜の人生観と、深い信仰と、一種独特の頑固さを持っている」がゆえに、ひじょうに高位なゾシマに対しても、おずることなく、「たしなめるようなものものしい態度で」リーズの『治療』のことを、問いただした。

ゾシマはまったく対等な信仰の同志として対応している。

そして信仰による奇跡的な治癒を「ゾシマ自身が確信している」とわたしは解釈する。
また相手の僧の不信や猜疑に怒るということもない。なぜなれば、この
客僧の問は「礼を欠いているが」ゾシマ同様信仰への厳しい求道性に
由来する「無礼さ」であるからだ。

534吾輩は名無しである2018/05/22(火) 00:18:51.82ID:yqcs1J7T
>>530
読んだことがない
本屋に寄ったら気にしてみるよ

535吾輩は名無しである2018/05/22(火) 02:37:26.98ID:yqcs1J7T
スレチだけどトルストイの民話集読んでみたけど面白かった
話も面白かったしトルストイだなーという所もあっていい作品だった
今は、イワンのばかの最初だけれどいずれドストエフスキーとの比較でもしてみたい

新着レスの表示
レスを投稿する